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工事現場で働く青年慎二は、ガールズバーでバイトをしている看護師の美香と偶然の出会いを重ねるうちに、彼女に恋するようになるが…
今や実力、将来性も若手俳優No.1と断言してもいい池松壮亮
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映画じたいはビミョーだったのですが
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今回の壮亮くんも、どよよ~ん系。薄幸で虚無的な雰囲気、見た目、演技。たまには明るく溌剌とした彼も見たいとは思いつつ、壮亮くんには暗い悲しい役が似合うのも事実なんですよね。それこそが彼へのオファーが絶えない理由でしょうし。でも今回は、ちょっとユーモラスな味わいとピュアな可愛さが加味されていて、胸キュン度もかなり高かったです。
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壮亮くん扮する慎二は、かなりのコミュ障?発達障害っぽい言動で、知能は高いのに社会にうまく溶け込めず、底辺生活に沈んでる青年。キツい肉体労働と貧困生活がかなりリアルなのですが、不思議と辛酸なめ太郎には見えなかった。希望のない毎日の中でも、同じ底辺生活者たちと明るく優しく繋がっている慎二が、孤独な青年ではなかったからでしょうか。突然饒舌になって意味不明なマシンガントークをしたかと思うと、貝のように沈黙してしまう慎二の不安定さ危うさ。一緒にいたら癒され守ってもらえそうな優しさと包容力。複雑で不思議な魅力を、壮亮くんが時にエキセントリックに、時に哀切に表現しています。
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それにしても壮亮くん、相変わらず若さにそぐわぬ退廃、倦怠感、そして色気!すでに酸いも甘いも噛みわけ尽くした熟年男の域に達してますよ。今回は珍しくまったく脱いでませんでしたが、裸になってエロいことしなくても、男の色気はムンムン醸してます。ちょっと粗い浅黒い肌も、メイクばっちりなイケメンタレントと違って、リアルで男らしい。これほど無精ひげが、アンニュイに煙草を吸う姿が似合う20代男優もいません。ホームレス一歩手前な服装も、飾らないナチュラルなファッションに見えた。工事現場のニッカポッカも素敵でした。某事務所タレントやイケメンなだけ男優だと、ぜったい嘘っぽくなる社会底辺者を、リアルにチャーミングに演じてた壮亮くん。やっぱ彼は特別な、特殊な役者!
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ニヒルでアンニュイな風情と同時に、すごくあどけない表情を見せ、人恋しげな雰囲気を出す壮亮くん。それ反則!とムズキュンなシーンも多々あり。友人のお葬式の後、美香と夜の街を一緒に歩くシーンの壮亮くんが印象的でした。謎めいた、でも幼い少年のように純真な笑顔。ポケットに手を突っ込んで佇んでるだけなのに、何という絵になるカッコよさ!やっぱ壮亮くん、天性の役者ですわ。特別なことをしなくても、グイグイ惹きつける強い磁力を持ってます。あと、彼のあの独特すぎる喋り方、低音ウィスパーヴォイスも好き。
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お話じたいは、あるようでないような(原作は小説ではなく詩だとか)、ポエムなモノローグ主体の台詞とか、大都会の片隅で進行する不思議で不器用な若い男女の恋とか、カメラワークや映像など、かつて「恋する惑星」などで一世を風靡したウォン・カーワァイ監督の作品を彷彿とさせました。
美香役の石橋静河は、原田美枝子と石橋凌の娘だとか。デビュー作にしては演技は悪くなかった。ふてくされたような図太そうなところも、媚がキツいブリっこが苦手な私には好感。でも、女優として何かキラリと光る特別なものは感じられなかったです。見た目は素人に近いフツーっぽさ。ママよりパパにのほうに似てるかも。鈴木さわを素朴にした感じにも見えた。美香のキャラも、ブータレた不思議ちゃん的で、めんどくさいだけの女。もうちょっと観客も惹かれるヒロインにしてほしかったです。若い頃の上野樹里にピッタリな役かもと思った。親密になっても、セックスどころかキスさえしない慎二と美香。二人が男女の性的な恋人ではなく、親友みたいな絆で結ばれていく過程は、もどかしいながらも爽やかで微笑ましかったです。
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脇役の好演も印象的でした。工事現場の仲間役、松田龍平と田中哲司は、個性的すぎるところを抑え気味にしてたのが良かったです。美香の元カレ役でチョコっと出演してた三浦貴大がイケメンでした。人でごった返してる白昼の新宿駅や夜の歌舞伎町など、よくロケできたな~と感嘆。それにしても。あんなに人であふれかえってるのに、孤独な人が何と多いことか。華やかな大都会東京の影の部分が、田舎者にはとても冷ややかでわびしく思えました。
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↑どよよ~んアンニュイな壮亮も悪くないけど、そろそろ子役時代みたいな凛々しい彼にも会いたいな~