まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

詩を書くバス運転手

2019-02-24 | 北米映画 15~21
 明日はオスカーの授賞式!昼から出勤なので、それまでまったり観る予定です(^^♪
 何だか最近、ゴタゴタ続きのオスカーですが、今年もいろいろ問題が噴出して穏やかでない話題ばかり。映画ファンの期待や喜びに水を差す大人の事情、深刻化が懸念されます。
 で、毎年ほぼ当たらないMYオスカー予想発表!
 
 作品賞 「ブラック・クランズマン」
 監督賞 スパイク・リー
 主演男優賞 ラミ・マレック
 主演女優賞 グレン・クローズ
 助演男優賞 リチャード・E・グラント
 助演女優賞 レジーナ・キング
 外国語映画賞 「COLD WAR あの歌、2つの心」
 
 こんなん出ましたけどぉ~?
 当たらないのは、予想というより希望だからですね作品賞、世間では、とりわけ日本では、大ヒットした「ボヘミアン・ラプソディ」の受賞を願う人が多いようですが、あの内容で作品賞はないやろ~。でもまあ、「タイタニック」とか「恋に落ちたシェイクスピア」とかも獲ってるし、ありえないハプニングでもないでしょうか。主演男優賞は、クリスチャン・ベールに2個目をあげるより、ラミちゃんにあげるほうが新鮮で歓迎できますけれども。
 主演女優賞は、名女優のグレン・クローズがついに栄冠となりそう。彼女ほどのキャリアを誇る大女優が、好演したとはいえキワモノポップ歌手の映画デビュー演技に負けるなんてことになったら、可哀想すぎる!今日観ることができた「女王陛下のお気に入り」のオリヴィア・コールマン、かなり強烈な怪演でしたが、彼女なら今後まだ何度もチャンスありそうなので、今年はグレンおばさまに譲ってあげてほしいわ。
 助演男優賞は、こないだ獲ったばかりのマハーシャラ・アリより、英国のベテランバイプレイヤーのE・グラント氏に花をもたせてあげたい。大絶賛されてる「ローマ」よりも、「ブラック・クランズマン」と「COLD WAR」のほうが面白そうなので、蓋を開ければローマ惨敗な大番狂わせを期待してます
 オスカーにノミネートされてる映画の日本公開ラッシュで、映画ファンには忙しい春になりそうですね皆さまの要チェキ映画、おすすめ映画は?

 「パターソン」
 ニュージャージー州のパターソン。バス運転手のパターソンは、愛する妻とペットのブルドッグと穏やかに暮らしながら、ノートに詩を書き綴っていたが…
 スターウォーズシリーズのカイロ・レン役で一躍メジャー級のスターになり、今年はスパイク・リー監督の新作「ブラック・クランズマン」で初めてオスカー候補となるなど、まさにアゲアゲな最旬の男優と言ってもいいアダム・ドライバーですが、以前からインディーズ系の王子として意識高い系映画ファンの間では人気が高く、この名匠ジム・ジャームッシュ監督作品での彼も高く評価されました。

 地味だけど独特な風貌と雰囲気の持ち主であるアダム・ドライバー。イケメンなのかそうでないのか不思議な顔してます。ほぼ無表情で、優しそうだけど不気味でもある。ヌオオ~っとした巨体も、ちょっと怖い。手のひらと靴のデカさ、ほとんど巨人です。おとなしくて無害そうだけど、寡黙で無表情なので何を考えてるのかわからない、ひょっとしたらヤバい人なのかもしれない?実は殺人鬼だったなんて展開になるのでは、という静かな不穏さをずっと漂わせ、イヤな期待を抱かせてくれました。期待が外れて、安堵したようなガッカリしたようなたまに見せる笑顔が、すごく可愛かった!

 つかみどころのないミステリアスなアダム・ドライバーの個性が、詩人という役によく合ってました。奥さんとの親密なシーンの彼の、静かだけど優しく甘い演技も素敵でした。常に受け身で、ほとんど奥さんの言いなりなパターソンが可愛かったです。尻に敷かれた気弱で小心な夫では決してなく、理解と包容力があるいい旦那さんなパターソンですが、無邪気すぎる奥さんの言動に怒りもイライラもせず、いつも静かに受け流す様子は、何となく暖簾に腕押し、糠に釘な感じで、私が奥さんだったら不安になるかも。

 でも、心を開かない、心を許してない、な薄情さ、深刻さではなく、奥さんのことはすごく愛してるけど、愛で動揺したり壊れたりしない自分だけの世界がある、みたいなところが詩人なのかな、とも。詩人として世に認められたい!という野心も自己顕示欲も全然ない、無欲で淡々としてるところも。私には詩心がまったくないので、パターソンの詩がすぐれているのかそうでないのかは判りません。頭の中に詩的なフレーズが浮かんでくる人の感受性や語彙力が羨ましいです。

 パターソンの奥さんも、チャーミングなキャラでした。美人で可愛くて無邪気。料理やギターやデザインなど、あれこれ挑戦したがる気質にはちょっとイラっとしましたが、お金の無駄づかい、浪費も苦笑で許せる程度なところも可愛かった。バス運転手の夫のわずかな稼ぎで、のんきで楽しそうな専業主婦生活、いいご身分だな!パートでもしろよ!と思わないでもなかったが夫婦が二人そろって大らか(大ざっぱ?)で、細かいことを気にしない浮世離れした性格、やりとりが微笑ましかったです。愛する人のことばかりで心も生活もいっぱいいっぱいにしないって、恋愛や結婚生活を続ける上では大事なことですよね。奥さん役のイラン人女優ゴルシフテ・ファラハニは、「Altamira」ではピエール・ニネに恋される人妻役でした。エキゾティックな中東美女!

 パターソンが出会う日本人役で、キョンキョンの元夫こと永瀬正敏がチョコっと出演してます。パターソン夫妻のこじんまりとした、慎ましいけど生活感の薄い家が素敵でした。ペットのブルドッグの可愛さと名演も特筆に値します。ドラマティックなことは何も起こらない、淡々とした展開・内容なので、そういう映画が苦手な人はきっと睡魔に襲われます。かくいう私も何度か

 ↑メジャー大作でガッポリ稼ぎ、名監督の秀作で高い評価を得る、というアダム・ドライバーの仕事ぶりは、まさに俳優としては理想形ですよね~
コメント (2)
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