まつたけ秘帖

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通報!不純同性交遊に堕ちた警官

2020-08-21 | ドイツ、オーストリア映画
 「Freier Fall」
 警察官のマークは訓練合宿でルームメイトとなったカイと親しくなる。ゲイであるカイにキスされマークは動揺するが、やがてカイとの性愛関係に溺れるように。マークには妊娠中の恋人がいたが…
 警官BL!カッコいいおまわりさんや刑事さんのBLも、腐には人気のジャンルですね。漫画や小説にはたくさんあるようだけど、映画はどうでしょうか。アル・パチーノの「クルージング」ぐらいしか思い浮かばないけど。このドイツのBL映画は、主人公が男前だけど屈強でワイルドな野郎系なので、麗しい美男子や可愛いイケメンの絡みが好きな人向けではありません。BL映画というよりゲイ映画?私は女みたいなキレイキレイ男子が苦手なので、この映画のような風貌の男同士のBLは丁度いい具合でした。

 彼女がいるノンケがゲイの男に強引にヤられ、男同士のセックスに目覚めてしまい苦悩、葛藤、悶絶、そして悲劇…という設定は、BL映画の名作「ブロークバック・マウンテン」とちょっとカブります。バリバリのノンケであるマークが、突然同性愛に溺れてしまうのを見たら、きっと多くの男性はそんなんありえん!と失笑したり不快がったりすることでしょう。でも男性って、実は誰でも内に同性愛を秘めているのではないでしょうか。ノンケが男に惹かれる、男とセックスする、というのもあながち腐のファンタジー、妄想ではないはず。ほとんどの男性が同性愛に目覚めるきっかけに出会わないだけなのでは。出会ってしまったマークは、果たして不運だったのか、それとも。

 マークとカイの性愛関係が、とても濃密に甘美かつ悲痛に描かれていました。ドロ沼関係でも、どこか冷ややかで乾いた雰囲気だったのは、舞台がドイツだったからでしょうか。それにしても。狼狽しつつもすぐにゲイセックスを受け入れるマークにも驚きましたが、ノンケであるマークに迫るカイの大胆さ、勇ましさも驚異でした。マークが彼自身も知らなかったゲイの資質を、カイは見抜いたのでしょうか。ゲイって、コイツいける!というセンサーを持ってるのかな。
 カイのちょっと危なげで一途な愛は切なかったけど、マークはすごい卑怯でチキン!彼女も子どもも大事にしたい、そうすることで自分がノーマルだと、世間からはみ出してないと確信したい、でもカイとの関係がくれる快楽と刺激は手放したくない…というユレユレでブレブレな優柔不断さには、ほんとイラっ&ムカっでした。マークの煮え切らなさ、自分勝手さに翻弄され傷つくカイと彼女が気の毒でした。特に彼女は、出産間近であんな裏切りにあうなんて可哀想すぎる。ちょとしたことでピーンとくる勘の鋭さと疑り深さ、寛容さを欠いた意固地さとか、女ってやっぱ怖いなと苦笑も。いちばん可哀想なのは赤ちゃんだけど。

 主演俳優二人の大胆でデリケートなBL演技は、なかなかインパクトあり。マーク役のハンノ・ホフラーは、イケメンじゃなくなったブラッドリー・クーパー、みたいな風貌。カイ役のマックス・リーメルトがクールな肉体美イケメン。でもたま~に、千鳥の坊主頭のほう(超苦手!)に似て見える瞬間があり萎え~。ラブシーンじたいはそんなに激しくはありませんが、二人の脱ぎっぷりがお見事だったので、自然なセックス感はよく出ていました。日本でリメイクするとしたら、誰がいいですかね~。鈴木亮平×市原隼人、とかどうでしょうか

 ドイツの俳優はゴツいけど濃ゆくないところがいいですね

 ↑ マックス・リーメルト、いい男!ドイツってやっぱ地味にイケメン宝庫
コメント
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