「21ブリッジ」
マンハッタン島で強盗事件が発生し、犯人の二人組は多数の警官を射殺して逃走する。捜査を指揮する刑事のアンドレは、マンハッタンを封鎖して犯人たちを追跡するが…
チャドウィック・ボーズマン、最後の劇場公開映画いつになったらこの喪失感は薄れるのでしょうか。彼の新作をもう観られないなんて、いまだに信じられない信じたくない。この映画でもう見納めかと思うと、哀惜と寂しさがいや増します。最後の勇姿、目に焼き付けてきました…
強く優しく誇り高く、そしてどこか悲しげ。この作品でも、いつものチャドウィックでした。素晴らしい演技力の持ち主だけど、悪役は絶対できない役者でした。演技が上手い俳優は枚挙にいとまなしですが、ヒーロー役や善人役を演じてもどこか性悪さや薄汚さが透けて見える俳優も多い。チャドウィックからはそんなものは微塵も感じられませんでした。あの高潔さ、気高さは演技だけで表せるものではありません。誰にでもいつでも明るく愛想がいい的な善良さではなく、常に悲しみと苦しみをたたえているところ、自分に酔ってるナルシーさが微塵もないところも彼の魅力です。そんな役者は稀有なので、かえすがえす急逝が惜しまれます
この映画の撮影時にはもう闘病中だったはずのチャドウィックですが、そんな気配は感じられず、激しいアクションに挑んでたのが驚異でした。無理したんだろうな~。その役者魂に畏怖するばかり。「ブラックパンサー」や、それ以前の作品のような若々しい壮健さはありませんが、暗い過去と傷を背負いハードな職務に心身を削る刑事役は、エネルギーあふれた健康的でピッチピチな俳優だと不自然なので、やつれて疲れた雰囲気を漂わすチャドウィックに合ってました。シブくて悲しそうだけど可愛い顔、しゃがれてセクシーな声が好きです。
チャドウィック最後の熱演には心揺さぶられましたが、お話やアクションなどはかなり凡庸です。どこかで見たことがあるようなシーンと展開で、特に目新しさのない作品でした。決してつまんないわけではなく、派手で迫力あるアクションはやはりハリウッド映画ならでは。1時間30分ぐらいで終わるコンパクトさも私には好ましかったです。コンパクトすぎたせいで、アンドレの暗い人間性とかちゃんと描けてなかったけど、クダクダしい余計な人間関係に時間を割いてなかったのは、返ってすっきりしてよかったのかも。
それにしても。麻薬強奪が大量殺戮に発展し、ついには市街戦化する無法地帯ニューヨーク。問答無用に撃ち殺し撃ち殺される人々。アメリカ、ほんま怖すぎて絶対住めんわ。命がいくらあっても足りん。犯人逮捕のためにマンハッタンが封鎖されるのですが、あっさりしすぎで異常事態の緊迫感が希薄だったのが残念。もっとカオスでパニックな描写があってもよかったのでは。
犯人コンビ役、テイラー・キッチュとステファン・ジェームズもいい男たちでした。もう主役は無理そうなテイラーですが、今でも男前です。悪そうな顔、鋭い目つきが悪役に合ってます。今回は悪役というより、精神的に破綻して破滅的になった男の役でした。「ビール・ストリートの恋人たち」では優しい芸術家肌の男の子役だったステファン、今回は犯社会的な青年役。でも根は悪人ではなく、想定外のトンデモ事態にパニくる姿が哀れで可愛かったです。顔も可愛い。後半、ほとんど主役になってました。犯人なのに頑張れー!死ぬなー!と声援を送ってしまいました。俊敏な動きが若者らしい魅力。テイラーもステファンも、着替えシーンで肉体美をチラっと披露してます。どっちもいいカラダ!
警察署長役でJ・K・シモンズも出演してます。オスカーを受賞しても、よほどのことがない限りオファーは断らないという、お高くとまらない選り好みしない仕事のスタンスに好感。アンドレの相棒になる敏腕女性麻薬捜査官役のシエナ・ミラーが、かなり残念。ここでかなり製作費をケチってますよ。もっと大物女優にしてほしかった。あるいは、どうせならイケメン白人男優にして、チャドウィックとオセロなブロマンス対決をさせてほしかったです。
大都会の夜景が大好きです。この映画のニューヨークの夜も美しく、物騒だけどやっぱ行ってみたいな~と思いました。
↑ 「マ・レイニーのブラックボトム」でオスカー候補となった陛下。受賞したら嬉しい、けど最初で最後のオスカーかと思うと悲しい…😢
マンハッタン島で強盗事件が発生し、犯人の二人組は多数の警官を射殺して逃走する。捜査を指揮する刑事のアンドレは、マンハッタンを封鎖して犯人たちを追跡するが…
チャドウィック・ボーズマン、最後の劇場公開映画いつになったらこの喪失感は薄れるのでしょうか。彼の新作をもう観られないなんて、いまだに信じられない信じたくない。この映画でもう見納めかと思うと、哀惜と寂しさがいや増します。最後の勇姿、目に焼き付けてきました…
強く優しく誇り高く、そしてどこか悲しげ。この作品でも、いつものチャドウィックでした。素晴らしい演技力の持ち主だけど、悪役は絶対できない役者でした。演技が上手い俳優は枚挙にいとまなしですが、ヒーロー役や善人役を演じてもどこか性悪さや薄汚さが透けて見える俳優も多い。チャドウィックからはそんなものは微塵も感じられませんでした。あの高潔さ、気高さは演技だけで表せるものではありません。誰にでもいつでも明るく愛想がいい的な善良さではなく、常に悲しみと苦しみをたたえているところ、自分に酔ってるナルシーさが微塵もないところも彼の魅力です。そんな役者は稀有なので、かえすがえす急逝が惜しまれます
この映画の撮影時にはもう闘病中だったはずのチャドウィックですが、そんな気配は感じられず、激しいアクションに挑んでたのが驚異でした。無理したんだろうな~。その役者魂に畏怖するばかり。「ブラックパンサー」や、それ以前の作品のような若々しい壮健さはありませんが、暗い過去と傷を背負いハードな職務に心身を削る刑事役は、エネルギーあふれた健康的でピッチピチな俳優だと不自然なので、やつれて疲れた雰囲気を漂わすチャドウィックに合ってました。シブくて悲しそうだけど可愛い顔、しゃがれてセクシーな声が好きです。
チャドウィック最後の熱演には心揺さぶられましたが、お話やアクションなどはかなり凡庸です。どこかで見たことがあるようなシーンと展開で、特に目新しさのない作品でした。決してつまんないわけではなく、派手で迫力あるアクションはやはりハリウッド映画ならでは。1時間30分ぐらいで終わるコンパクトさも私には好ましかったです。コンパクトすぎたせいで、アンドレの暗い人間性とかちゃんと描けてなかったけど、クダクダしい余計な人間関係に時間を割いてなかったのは、返ってすっきりしてよかったのかも。
それにしても。麻薬強奪が大量殺戮に発展し、ついには市街戦化する無法地帯ニューヨーク。問答無用に撃ち殺し撃ち殺される人々。アメリカ、ほんま怖すぎて絶対住めんわ。命がいくらあっても足りん。犯人逮捕のためにマンハッタンが封鎖されるのですが、あっさりしすぎで異常事態の緊迫感が希薄だったのが残念。もっとカオスでパニックな描写があってもよかったのでは。
犯人コンビ役、テイラー・キッチュとステファン・ジェームズもいい男たちでした。もう主役は無理そうなテイラーですが、今でも男前です。悪そうな顔、鋭い目つきが悪役に合ってます。今回は悪役というより、精神的に破綻して破滅的になった男の役でした。「ビール・ストリートの恋人たち」では優しい芸術家肌の男の子役だったステファン、今回は犯社会的な青年役。でも根は悪人ではなく、想定外のトンデモ事態にパニくる姿が哀れで可愛かったです。顔も可愛い。後半、ほとんど主役になってました。犯人なのに頑張れー!死ぬなー!と声援を送ってしまいました。俊敏な動きが若者らしい魅力。テイラーもステファンも、着替えシーンで肉体美をチラっと披露してます。どっちもいいカラダ!
警察署長役でJ・K・シモンズも出演してます。オスカーを受賞しても、よほどのことがない限りオファーは断らないという、お高くとまらない選り好みしない仕事のスタンスに好感。アンドレの相棒になる敏腕女性麻薬捜査官役のシエナ・ミラーが、かなり残念。ここでかなり製作費をケチってますよ。もっと大物女優にしてほしかった。あるいは、どうせならイケメン白人男優にして、チャドウィックとオセロなブロマンス対決をさせてほしかったです。
大都会の夜景が大好きです。この映画のニューヨークの夜も美しく、物騒だけどやっぱ行ってみたいな~と思いました。
↑ 「マ・レイニーのブラックボトム」でオスカー候補となった陛下。受賞したら嬉しい、けど最初で最後のオスカーかと思うと悲しい…😢