「ナイル殺人事件」
イギリス人の大富豪リネットは、親友ジャクリーンの婚約者サイモンを奪い結婚。ジャクリーンは二人を新婚旅行先のエジプトまで追いかけつきまとう。ある事情でエジプトに来ていた名探偵ポワロは、リネットから護衛の依頼を受けるが…
「オリエント急行殺人事件」に続くケネス・ブラナ主演兼監督のシリーズ第2弾。ずいぶん長い間もったいつけて公開延期になってましたが、ようやく日本でも陽の目を見ました。旧作が大好きなので、斬新?画期的?大胆?に変形したブラナ監督の新版オリエント急行には、当惑少なからずでした。原作や旧作ファンのみならず、草葉の陰のアガサ・クリスティ女史も、さぞや驚いたことではないでしょうか。
まずポワロが、従来のイメージとは別物と化してるのが衝撃的。鼻もちならない気取り屋で、ちょっと女性的なデブの小男なはずのポアロが、真面目で毅然としてて勇猛果敢な男らしいヒーローっぽくなってるし。ポワロのアクションシーンとか、ショッキングでもありました。私たちが馴染んでいたポワロとは違うポワロ、それもまあ悪くないかもという免疫が前回でできたおかげで、今回はさほど違和感を覚えることなく観ることができました。
ブラナ監督版は、ミステリというより舞台劇のような緊迫の愛憎ドラマに重点が置かれていて、とにかくみんな深刻で激しい。シェイクスピア風の悲劇仕立ても悪くはないのですが、私はやはり旧作の優雅さとか洒脱な演出・台詞が好きなんですよね~。前回のオリエント急行もでしたが、CGが多用されていたのも気になった。ロケ、ほとんどしてない?せっかく悠久のエジプトが舞台なのに、旅心をくすぐる旅情の希薄さが残念。キャストも前作に比べると、ずいぶん安上りになってます。有名スターやベテラン役者は出てますが、今をときめく人や超大物はいません(オスカー受賞者が一人もいない?)。旧ナイル殺人事件のベティ・デイヴィス&マギー・スミスのコンビだけで、この新ナイルキャスト全員を圧倒してます。でも、豪華ではないけど、いい俳優をそろえてはいます。
最も旬なのは、「ワンダーウーマン」でスターダムに登ったガル・ガドットでしょうか。その美しさはまさにヒロインの華。みんなから恨まれてる高慢で身勝手な金持ち女であるはずのリネットが、ワンダーウーマンのように優しい女性になってました。どうせならガルには、人もなげな性悪女を憎々しく演じてほしかったかも。サイモン役のアーミー・ハマーとは美男美女で絵になるカップルでしたが、二人ともかなり成熟した大人って感じで、若い新婚さんには見えませんでした。ハンサムなアーミー、おかしなスキャンダルですっかり干されてしまってるのが惜しい。これが最後の出演作にならなきゃいいけど。
前作から再登場のポワロの友人ブーク、演じるトム・ベイトマンが前よりイケメンになってる!やっぱちょっとだけコリン・ファースに似てますね。ただの助手的役割なのかなと思いきや、え?!なことになりビツクリ。最も重要な役といえるジャクリーン役には、新進女優のエマ・マッキーが抜擢されました。エマ・ストーンに似てる?猫のようなしなやかでしたたかそうな風貌は、心を病んでストーカーになってしまうような女には見えず、いかにも何か企んでそうでほとんどネタバレ。序盤のエマとアーミーの情熱的なダンスがセクシーでした。
ブークの母役のアネット・ベニングが、すっかりおばあさんになってた!この作品も、人種やLGBTなど最近の映画には必要不可欠になってるような多様性が、キャラ設定や俳優起用に盛り込まれてます。黒人差別や同性愛は大事なテーマですが、アガサ・クリスティのミステリ映画にあえてぶっこむ必要はあまりないのではとも…ケネス・ブラナ扮するポワロは、とにかくシリアスでストイックな感じ。戦争体験や亡妻など、悲しすぎる過去が重い。もうちょっとユーモアや軽やかさがあってもいいのでは。
第3作はあるのかな?旧シリーズ通りだと地中海殺人事件?そんなに豪華じゃなくてもいいので、好きな俳優がたくさん出てくれるといいな~。旧シリーズ、また観たくなってきました(^^♪
イギリス人の大富豪リネットは、親友ジャクリーンの婚約者サイモンを奪い結婚。ジャクリーンは二人を新婚旅行先のエジプトまで追いかけつきまとう。ある事情でエジプトに来ていた名探偵ポワロは、リネットから護衛の依頼を受けるが…
「オリエント急行殺人事件」に続くケネス・ブラナ主演兼監督のシリーズ第2弾。ずいぶん長い間もったいつけて公開延期になってましたが、ようやく日本でも陽の目を見ました。旧作が大好きなので、斬新?画期的?大胆?に変形したブラナ監督の新版オリエント急行には、当惑少なからずでした。原作や旧作ファンのみならず、草葉の陰のアガサ・クリスティ女史も、さぞや驚いたことではないでしょうか。
まずポワロが、従来のイメージとは別物と化してるのが衝撃的。鼻もちならない気取り屋で、ちょっと女性的なデブの小男なはずのポアロが、真面目で毅然としてて勇猛果敢な男らしいヒーローっぽくなってるし。ポワロのアクションシーンとか、ショッキングでもありました。私たちが馴染んでいたポワロとは違うポワロ、それもまあ悪くないかもという免疫が前回でできたおかげで、今回はさほど違和感を覚えることなく観ることができました。
ブラナ監督版は、ミステリというより舞台劇のような緊迫の愛憎ドラマに重点が置かれていて、とにかくみんな深刻で激しい。シェイクスピア風の悲劇仕立ても悪くはないのですが、私はやはり旧作の優雅さとか洒脱な演出・台詞が好きなんですよね~。前回のオリエント急行もでしたが、CGが多用されていたのも気になった。ロケ、ほとんどしてない?せっかく悠久のエジプトが舞台なのに、旅心をくすぐる旅情の希薄さが残念。キャストも前作に比べると、ずいぶん安上りになってます。有名スターやベテラン役者は出てますが、今をときめく人や超大物はいません(オスカー受賞者が一人もいない?)。旧ナイル殺人事件のベティ・デイヴィス&マギー・スミスのコンビだけで、この新ナイルキャスト全員を圧倒してます。でも、豪華ではないけど、いい俳優をそろえてはいます。
最も旬なのは、「ワンダーウーマン」でスターダムに登ったガル・ガドットでしょうか。その美しさはまさにヒロインの華。みんなから恨まれてる高慢で身勝手な金持ち女であるはずのリネットが、ワンダーウーマンのように優しい女性になってました。どうせならガルには、人もなげな性悪女を憎々しく演じてほしかったかも。サイモン役のアーミー・ハマーとは美男美女で絵になるカップルでしたが、二人ともかなり成熟した大人って感じで、若い新婚さんには見えませんでした。ハンサムなアーミー、おかしなスキャンダルですっかり干されてしまってるのが惜しい。これが最後の出演作にならなきゃいいけど。
前作から再登場のポワロの友人ブーク、演じるトム・ベイトマンが前よりイケメンになってる!やっぱちょっとだけコリン・ファースに似てますね。ただの助手的役割なのかなと思いきや、え?!なことになりビツクリ。最も重要な役といえるジャクリーン役には、新進女優のエマ・マッキーが抜擢されました。エマ・ストーンに似てる?猫のようなしなやかでしたたかそうな風貌は、心を病んでストーカーになってしまうような女には見えず、いかにも何か企んでそうでほとんどネタバレ。序盤のエマとアーミーの情熱的なダンスがセクシーでした。
ブークの母役のアネット・ベニングが、すっかりおばあさんになってた!この作品も、人種やLGBTなど最近の映画には必要不可欠になってるような多様性が、キャラ設定や俳優起用に盛り込まれてます。黒人差別や同性愛は大事なテーマですが、アガサ・クリスティのミステリ映画にあえてぶっこむ必要はあまりないのではとも…ケネス・ブラナ扮するポワロは、とにかくシリアスでストイックな感じ。戦争体験や亡妻など、悲しすぎる過去が重い。もうちょっとユーモアや軽やかさがあってもいいのでは。
第3作はあるのかな?旧シリーズ通りだと地中海殺人事件?そんなに豪華じゃなくてもいいので、好きな俳優がたくさん出てくれるといいな~。旧シリーズ、また観たくなってきました(^^♪