「華麗なる相続人」
製薬会社の社長サムが山岳事故で急死し、ひとり娘のエリザベスが会社と莫大な遺産を相続する。それぞれに家庭や経済的な問題を抱えている一族の思惑が交錯する中、エリザベスはサムの死が事故ではなく殺人だったと知り…
この映画、私が子どもの頃よくTVで放送してたんですよね~。幼い私がオードリー・ヘプバーンを初めて知ったのは、「ローマの休日」ではなくこの映画だったかもしれない。原作はシドニー・シェルダンの小説。シドニー・シェルダン、日本でもいっとき人気がありましたよね。主演のオードリーを筆頭に、国際色豊かで個性的なキャストが集められ、世界各国を舞台に繰り広げられるゴージャスなサスペンスロマン…面白くないはずはないのに、何だかとっても残念な作品になってしまってます。いろいろとその原因はあるのですが、最大の敗因はヒロインのオードリーかもしれません。
オードリー、この時は御年50歳ぐらい?妖精と讃えられた往年の彼女に魅せられた映画ファンなら、この作品のオードリーを見ると嘆息してしまうことでしょう。ああ妖精も年をとるんだな~と。可憐な妖精ではなくなってるけど、50歳のオードリーも十分に美しく、今の女優にはない優雅さや高貴さは保たれています。この映画の彼女の何がいけなかったか。お年を召されたことではありません。演じた役です。ヒロインのエリザベスは、どう考えても30代の女性。まだ金持ちのお嬢様の娘っ気が残ってる若い女の役を、御年50歳のオードリーが演じた不自然さ、強引さがイタすぎるんです。年相応のマダム、中年女性役なら何の問題もなかったはず。オードリーご本人もまだまだ妖精のつもりだったのか、周囲のムチャブリだったのか…
オードリーといえば、いつもファッションも見どころ。この映画でもジバンシーが彼女のために衣装を作ってます。高級レストランのシーンでオードリーが着る黒いスケスケドレス、セクシーかつエレガントで素敵なのですが、オードリーが華奢、いや、ガリガリすぎてこれまた痛ましいんです。セーターやパンツスーツなどは、上品で趣味が高いものでした。あと、髪型が似合ってないのがすごい気になりました。モダンな若い女風にしたかったんだろうけど、アフロヘアみたいだった。
一族のキャストは、各国から集められたインターナショナルな顔ぶれ。エリザベスと恋に落ちる重役役のベン・キャザラ、シブいんだけど熟年すぎで、ヒロインとのロマンスが全然スウィートじゃないんです。ジェームズ・メイソン、オマー・シャリフ、イレーネ・パパス、モーリス・ロネなども、彼らの個性やキャリアに相応しいとは思えぬ雑な扱いが惜しい。大好きな女優、ロミー・シュナイダーも彼女にはもったいないような役でしたが、優しそうな見た目とはギャップのある男勝りなキャラや、シックなファッションだけでなくカーレーサー姿など、脇役でも魅力的なロミーでした。オードリーとの絡みはほとんどないのが残念でしたが、大女優マニアな私としては二人が同じ画面にいるだけでも胸熱。
ロンドンやパリ、スイスのリゾート地や別荘があるイタリアのサルデーニャ島など、世界各地でのハイソなロケが目に楽しいのですが、2時間弱で一族の事情や人間関係、陰謀を描くのはやはり無理。肝心のサスペンス&ミステリーも2時間ドラマ以下でトホホ。全裸の男女がセックス、その最中に女が男に絞殺される姿が撮影されているというショッキングでエロティックな謎の部分も、本筋に巧くつながってないし。原作は連ドラ向けだと思います。日本でドラマ化してほしいかも。大人向けの華麗なるサスペンスロマン、すごく観たいです。
製薬会社の社長サムが山岳事故で急死し、ひとり娘のエリザベスが会社と莫大な遺産を相続する。それぞれに家庭や経済的な問題を抱えている一族の思惑が交錯する中、エリザベスはサムの死が事故ではなく殺人だったと知り…
この映画、私が子どもの頃よくTVで放送してたんですよね~。幼い私がオードリー・ヘプバーンを初めて知ったのは、「ローマの休日」ではなくこの映画だったかもしれない。原作はシドニー・シェルダンの小説。シドニー・シェルダン、日本でもいっとき人気がありましたよね。主演のオードリーを筆頭に、国際色豊かで個性的なキャストが集められ、世界各国を舞台に繰り広げられるゴージャスなサスペンスロマン…面白くないはずはないのに、何だかとっても残念な作品になってしまってます。いろいろとその原因はあるのですが、最大の敗因はヒロインのオードリーかもしれません。
オードリー、この時は御年50歳ぐらい?妖精と讃えられた往年の彼女に魅せられた映画ファンなら、この作品のオードリーを見ると嘆息してしまうことでしょう。ああ妖精も年をとるんだな~と。可憐な妖精ではなくなってるけど、50歳のオードリーも十分に美しく、今の女優にはない優雅さや高貴さは保たれています。この映画の彼女の何がいけなかったか。お年を召されたことではありません。演じた役です。ヒロインのエリザベスは、どう考えても30代の女性。まだ金持ちのお嬢様の娘っ気が残ってる若い女の役を、御年50歳のオードリーが演じた不自然さ、強引さがイタすぎるんです。年相応のマダム、中年女性役なら何の問題もなかったはず。オードリーご本人もまだまだ妖精のつもりだったのか、周囲のムチャブリだったのか…
オードリーといえば、いつもファッションも見どころ。この映画でもジバンシーが彼女のために衣装を作ってます。高級レストランのシーンでオードリーが着る黒いスケスケドレス、セクシーかつエレガントで素敵なのですが、オードリーが華奢、いや、ガリガリすぎてこれまた痛ましいんです。セーターやパンツスーツなどは、上品で趣味が高いものでした。あと、髪型が似合ってないのがすごい気になりました。モダンな若い女風にしたかったんだろうけど、アフロヘアみたいだった。
一族のキャストは、各国から集められたインターナショナルな顔ぶれ。エリザベスと恋に落ちる重役役のベン・キャザラ、シブいんだけど熟年すぎで、ヒロインとのロマンスが全然スウィートじゃないんです。ジェームズ・メイソン、オマー・シャリフ、イレーネ・パパス、モーリス・ロネなども、彼らの個性やキャリアに相応しいとは思えぬ雑な扱いが惜しい。大好きな女優、ロミー・シュナイダーも彼女にはもったいないような役でしたが、優しそうな見た目とはギャップのある男勝りなキャラや、シックなファッションだけでなくカーレーサー姿など、脇役でも魅力的なロミーでした。オードリーとの絡みはほとんどないのが残念でしたが、大女優マニアな私としては二人が同じ画面にいるだけでも胸熱。
ロンドンやパリ、スイスのリゾート地や別荘があるイタリアのサルデーニャ島など、世界各地でのハイソなロケが目に楽しいのですが、2時間弱で一族の事情や人間関係、陰謀を描くのはやはり無理。肝心のサスペンス&ミステリーも2時間ドラマ以下でトホホ。全裸の男女がセックス、その最中に女が男に絞殺される姿が撮影されているというショッキングでエロティックな謎の部分も、本筋に巧くつながってないし。原作は連ドラ向けだと思います。日本でドラマ化してほしいかも。大人向けの華麗なるサスペンスロマン、すごく観たいです。