まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

熟年天国 バリでの揉め事

2022-12-26 | 北米映画22~
 「チケット・トゥ・パラダイス」
 犬猿の仲である元夫婦のデヴィッドとジョージアは、一人娘のリリーから旅先のバリで出会った現地の青年と結婚するという知らせを受け、急遽バリへと向かう。二人は協力して結婚を阻止しようと試みるが…
 ハリウッドの大物スター、ジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツがW主演したラブコメ。二人は共演作が多いみたいですが、一本も観たことない二人の出演作を観たのもすごい久々。別に嫌いでも苦手でもない二人ですが、出てる映画は必ず観る!なスターではないかも。わし的には(世間的にも?)ひと昔前の人気スターって感じの二人ですが、まだまだ現役!若いもんには負けん!なノリ。そのお達者ぶりにはリリーだけでなく、観客も呆れたり辟易したりしちゃいます。南の島でドタバタと大騒ぎ、はしゃぎまくってる姿は、ちょっとイタくて苦笑い。すごく楽しそうなんだけど、観客以上に大スター二人が楽しんでるような、お金払ってセレブの遊んでる様子を見せられてるような、庶民感覚とはあまりにも乖離したお気楽ゴージャスさは、あまり愉快なものではなかったです。

 でもでも、そのお気楽ゴージャスさこそ、この映画の意図したもの、見どころなんですよね。小難しいことはいっさい抜き、肩の力を抜いて気軽に楽しむ、という点ではパーフェクトかもしれない映画です。映画やドラマのリッチな世界や人々を見て、昔のように楽しく現実逃避できなくなってる私って、やっぱ心が荒んでるのかもしれません。バカバカしくてノーテンキなコメディも、前は大好きだったのに。この映画、若い頃ならきっと楽しめたかもしれない。と思いつつ、今の若い子たちがこの映画を観て、果たして高く評価できるだろうか。何このおっさんとおばさん、ウザ、と冷笑するだけかも大スター二人の演技と存在だけでなく、内容も新鮮さとか衝撃とかは微塵もなく、どこかで見たことがあるような、思った通りの展開になる予定調和の凡庸さのせいで、映画は安物を派手な包装紙で包んでるような出来となってます。
 
 デヴィッドとジョージアが、ぜんぜん娘の結婚の邪魔をしてないんですよ。指輪を隠すという幼稚なことするぐらい。妨害という目的はどこへ行ったのか、ほとんどバリでの休暇を満喫してるだけ。周囲がドン引きするほどのぶっ飛んだ暴走でウェディングクラッシュすれば、毒にも薬にもならんコメディにならなかったでしょうに。まあ、娘の相手が文句のつけようのない好青年でしたしね~。あれで反対し通したら、ただの狭量な人種差別主義者になってしまってたでしょうし、そんな風に思われてしまうような役を大スターの二人が引き受けるわけがありません。それにしても。私が親なら、反対どころか諸手を挙げて祝福しますよ。ろくでもない日本人と結婚されるほうが、よっぽど嫌です。熟年両親よりも、娘のリリーが鼻についたわ。すっかりバリの住民気どりで。バリ人ってみんなあんなにオープンマインドなの?

 久々に見たジョージ・クルーニーもジュリア・ロバーツも、すっかりおじさんおばさんになってたけど、さすがハリウッドで長年トップを張っただけあって、スターのオーラと華やかさは今でも強力ですね。まだまだ現役な男女役でも違和感なし。ジュリロバの高価そうだけど悪趣味なファッションが、いかにもアメリカの金持ち女って感じでした。リリーの恋人のバリ青年が、大谷翔平+満島ひかりの弟、みたいな顔でした。
 ジョージアの年下の彼氏役は、「ミセス・ハリス、パリへ行く」で会ったばかりのリュカ・ブラヴォーでした。

 フランス人パイロット役のリュカ、やっぱイケメンですね!フツーなら気どった美男子なキャラになるところですが、リュカは明るくて爽やかでフランス男っぽくないんですよね~。フランス人が恋人という設定があまり活かされてなかったような気もしたけど、お人よしでちょっとアホなリュカのコミカル演技はすごく可愛かったです。フランス男は熟女好きとは言うけど、ジュリロバみたいな性格キツそうなアメリカ女と付き合うのは、かなり勇気が要りそう。ジュリロバって怒ったらめちゃくちゃ怖そうなので、リュカは撮影中さぞや緊張したことでしょう。
 常夏のバリ島のトロピカルな風景、美味しそうな食べ物など、まさにこの世の楽園でした。あの温かそうな澄んだ青い海で泳いでみたい!バリにも行ってみたいな~。

 ↑ 新作の“The Honeymoon”も英語でのコメディ。フランス語で演技するリュカ主演のシリアスなフランス映画も観たい!
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