秋の夜長の国際BL映画祭③ イタリア
「ニュー・オリンポスで」
1970年代のローマ。映画館で出会ったエネアとピエトロは、すぐに激しい恋に落ちる。しかし、思わぬ事態により二人は離れ離れになってしまう。会いたいと願いながら年月は過ぎ、エネアは映画監督、ピエトロは医師としてそれぞれの人生を歩んでいたが…
BLといっても多種多様で、腐にとっても好みが別れます。私も三度の飯よりBL好きですが、男同士の恋愛ものなら何でもOK!ではなく、かなり偏ってます。まず絶対条件は、イケメンや男前の俳優主演好きな俳優がBLしてくれた時の至福ときたら。次は、適度な性愛シーンがあること。セックス?何それ?な乙女すぎるBLはダメ。かといって、生々しすぎるポルノみたいなBLも苦手。そして、ありえなさすぎる設定やキャラのファンタジー系BLも個人的にはNGです。社会問題を描くことに重きを置いてるBLもしんどい。このイタリア映画は、そういった私の要求をかなり満たしているBLになっていました。
まず、主人公の二人がイケメンです。イタリアはほんと美男の国。互いに一目ぼれ、どっちかがブサイクだと成り立たない話は、ルッキズムだ!と不快に思う人もいるかもしれませんが、現実世界はともかく、映画の中の美しい人たちを崇め讃えることまで批判するのはお門違いのように思われます。とにかくエネアとピエトロ、どこで何をしていても絵になる美しいカップル!ゲイのハッテン場である映画館のトイレでさえ、ロマンチックな恋の舞台にしてしまうイケメンマジック!
大事なポイントその2である、適度な性愛シーン。この映画ぐらいのラブシーンが、ほんと丁度いいんですよね~。全裸での絡みや行為はかなり大胆なんだけど、全然いやらしくなくて、求め合ってる愛し合ってる姿は若々しい情熱と優しさにあふれていて素敵でした。主演の二人の脱ぎっぷりがスゴすぎ。ボカシなし、デカいアソコ丸出しなのは、セックス中、セックス後の姿としては自然なんだけど、ちょっと目のやり場がばっちり見せるのは、お尻だけでいいかもそれにしても。コンプラ、ポリコレの悪しき風潮が、どんどん映画をつまんなくしてると、あらためて思いました。いやらしく撮らなければ、全裸も濡れ場も映画を美しく感動的なものにする大事な要素ですよね。
ありえないファンタジーBL、男女の恋愛と変わらないようなBLではなく、ゲイならではの困難や苦悩と直面するBLだったのも、私の好みに合ってました。ライトでハッピーなBLも悪くないのですが、やっぱ男同士の愛には秘してこそ花な禁断感、深い悲しみと苦しみを求めてしまうんですよね~。でもこの映画、ドラマティックな展開と切ない悲恋が、ちょっと韓流ドラマっぽいんですよ。生き別れとか偶然すぎる再会とか、もろに韓流でした(笑)。ラストはイタリア映画の名作「ひまわり」へのオマージュみたいでした。70年代に吹き荒れた政治運動や映画撮影の現場なども、ラブストーリーの背景に巧く活用されていました。
エネア役のデミアン・カヴィーノ、ピエトロ役のアンドレア・デイ・ルイジの好演を讃えたい。イケメン俳優がBLに挑戦するならこれぐらいは、と思える理想的な演技でした。どちらも存じ上げなかった俳優さんたちですが、二人とも美男子!そして大胆!デミアンはスマートで可愛いイケメン。アンドレアは朴訥な感じの男前。どっちもさすがイタリア男な色気。どっちもちょっと濃ゆいので、濃密系が苦手な人は胸やけ注意かも。エネアとピエトロは同い年という設定なのですが、そうは見えないのが気になった。出会った25歳の時のパートでは、ピエトロが老けて見えたけど熟年になってからは自然なイケオジに。逆にエネアは熟年になってからの老けメイクがちょっと不自然だった。実際のデミアンは現在22歳、アンドレアは28歳だって。若っ!二人の70年代ファッションがおしゃれでした。
映画館の受付熟女、エネアの親友、ピエトロの妻、女性キャラも印象的でした。よく考えたらBLに関わる女性たちのほうが、より深刻な苦痛を味わってるんですよね~。男たちは恋に酔ってるだけでいい気なもんだよ。怒りや悲しみ、屈辱に苛まれても、地に足をしっかりつけて生きる女たち。女性のほうが現実的で、精神が強靭!
ローマの街並みも魅力的!ピエトロとエネアが愛を交わす家も素敵だった。家のベランダから見渡せる風景が美しかった。「異人たちの棲む館」や「ナポリ 熟れた情事」など、イケメン映画の名手であるフェルザン・オズペテク監督、今回もオープンゲイならでの作風でした。日本でぜひリメイクしてほしいわ。ピエトロは竹内涼真か吉沢亮、エネアは横浜流星か山崎賢人がいいかも。「アキラとあきら」やキングダムシリーズよりも、断然こっちのほうがファンにとってはジョイフルですし
「ニュー・オリンポスで」
1970年代のローマ。映画館で出会ったエネアとピエトロは、すぐに激しい恋に落ちる。しかし、思わぬ事態により二人は離れ離れになってしまう。会いたいと願いながら年月は過ぎ、エネアは映画監督、ピエトロは医師としてそれぞれの人生を歩んでいたが…
BLといっても多種多様で、腐にとっても好みが別れます。私も三度の飯よりBL好きですが、男同士の恋愛ものなら何でもOK!ではなく、かなり偏ってます。まず絶対条件は、イケメンや男前の俳優主演好きな俳優がBLしてくれた時の至福ときたら。次は、適度な性愛シーンがあること。セックス?何それ?な乙女すぎるBLはダメ。かといって、生々しすぎるポルノみたいなBLも苦手。そして、ありえなさすぎる設定やキャラのファンタジー系BLも個人的にはNGです。社会問題を描くことに重きを置いてるBLもしんどい。このイタリア映画は、そういった私の要求をかなり満たしているBLになっていました。
まず、主人公の二人がイケメンです。イタリアはほんと美男の国。互いに一目ぼれ、どっちかがブサイクだと成り立たない話は、ルッキズムだ!と不快に思う人もいるかもしれませんが、現実世界はともかく、映画の中の美しい人たちを崇め讃えることまで批判するのはお門違いのように思われます。とにかくエネアとピエトロ、どこで何をしていても絵になる美しいカップル!ゲイのハッテン場である映画館のトイレでさえ、ロマンチックな恋の舞台にしてしまうイケメンマジック!
大事なポイントその2である、適度な性愛シーン。この映画ぐらいのラブシーンが、ほんと丁度いいんですよね~。全裸での絡みや行為はかなり大胆なんだけど、全然いやらしくなくて、求め合ってる愛し合ってる姿は若々しい情熱と優しさにあふれていて素敵でした。主演の二人の脱ぎっぷりがスゴすぎ。ボカシなし、デカいアソコ丸出しなのは、セックス中、セックス後の姿としては自然なんだけど、ちょっと目のやり場がばっちり見せるのは、お尻だけでいいかもそれにしても。コンプラ、ポリコレの悪しき風潮が、どんどん映画をつまんなくしてると、あらためて思いました。いやらしく撮らなければ、全裸も濡れ場も映画を美しく感動的なものにする大事な要素ですよね。
ありえないファンタジーBL、男女の恋愛と変わらないようなBLではなく、ゲイならではの困難や苦悩と直面するBLだったのも、私の好みに合ってました。ライトでハッピーなBLも悪くないのですが、やっぱ男同士の愛には秘してこそ花な禁断感、深い悲しみと苦しみを求めてしまうんですよね~。でもこの映画、ドラマティックな展開と切ない悲恋が、ちょっと韓流ドラマっぽいんですよ。生き別れとか偶然すぎる再会とか、もろに韓流でした(笑)。ラストはイタリア映画の名作「ひまわり」へのオマージュみたいでした。70年代に吹き荒れた政治運動や映画撮影の現場なども、ラブストーリーの背景に巧く活用されていました。
エネア役のデミアン・カヴィーノ、ピエトロ役のアンドレア・デイ・ルイジの好演を讃えたい。イケメン俳優がBLに挑戦するならこれぐらいは、と思える理想的な演技でした。どちらも存じ上げなかった俳優さんたちですが、二人とも美男子!そして大胆!デミアンはスマートで可愛いイケメン。アンドレアは朴訥な感じの男前。どっちもさすがイタリア男な色気。どっちもちょっと濃ゆいので、濃密系が苦手な人は胸やけ注意かも。エネアとピエトロは同い年という設定なのですが、そうは見えないのが気になった。出会った25歳の時のパートでは、ピエトロが老けて見えたけど熟年になってからは自然なイケオジに。逆にエネアは熟年になってからの老けメイクがちょっと不自然だった。実際のデミアンは現在22歳、アンドレアは28歳だって。若っ!二人の70年代ファッションがおしゃれでした。
映画館の受付熟女、エネアの親友、ピエトロの妻、女性キャラも印象的でした。よく考えたらBLに関わる女性たちのほうが、より深刻な苦痛を味わってるんですよね~。男たちは恋に酔ってるだけでいい気なもんだよ。怒りや悲しみ、屈辱に苛まれても、地に足をしっかりつけて生きる女たち。女性のほうが現実的で、精神が強靭!
ローマの街並みも魅力的!ピエトロとエネアが愛を交わす家も素敵だった。家のベランダから見渡せる風景が美しかった。「異人たちの棲む館」や「ナポリ 熟れた情事」など、イケメン映画の名手であるフェルザン・オズペテク監督、今回もオープンゲイならでの作風でした。日本でぜひリメイクしてほしいわ。ピエトロは竹内涼真か吉沢亮、エネアは横浜流星か山崎賢人がいいかも。「アキラとあきら」やキングダムシリーズよりも、断然こっちのほうがファンにとってはジョイフルですし