


豊かなイマジネーションと技術を武器に、世界一のチョコレートの店を開くことを夢みてチョコレートの街にやって来たウィリー・ウォンカだったが、街を牛耳るチョコレート会社の経営者たちは彼を脅威と見なし…
ティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演の「チャーリーとチョコレート工場」は大好きな映画。その前日譚、ウィリー・ウォンカの若き日を描いた作品。ドリーミーでファンタジックな映画でした!ミュージカル仕立てになってたのが楽しかったです。「メリー・ポピンズ」や「パディントン」みたいに子どもも安心して観られる、児童向けの映画かもしれません。私のようなおっさんが観る映画ではないんだけど



街や宿屋、教会、ウォンカが開いた店など、セットが素晴らしかったです。ずいぶん金かかってそう。カラフルでスウィートな画面や雰囲気、衣装も、女子が好きそうな可愛さであふれています。ウォンカのチョコレート製造グッズが面白かったです。そのグッズとか空飛ぶチョコとか、ウォンカって天才ショコラティエ、天才発明家というよりほとんど魔術師、いや、魔法使い。人間とは思えぬマジカルボーイ。ファンタジーすぎて、これは人間ではなく妖精の世界なのかな?とも。舞台もロンドンを模した、どこの国かは不明で実在しない架空の町みたいでした。ブリティッシュなテイストが好き。

若きウォンカは、見た目もキャラも明るく可愛く人が善く情熱的で天真爛漫、行動力やコミュ力が抜群で、ほんとチャーミングな男の子。チャーリチョコの大人版ウォンカとはまるで別人。ほんとに同一人物?ジョニー・デップのウォンカは、ひきこもりでコミュ障、かつ意地悪で狂気的でしたよね。そこが笑えて好きなんだけど。おしゃれなフワフワ髪も、ヘンテコなおかっぱになってしまったのはなぜ?人を大事に、という亡きママのメッセージを胸に刻んだようだった若きウォンカなのに、どうしてあんな人を愚弄して楽しむ性悪な怪人になったの?何かイヤなことがあって人格が変わっちゃったのでしょうか。

ウォンカ役のティモシー・シャラメ、さすが今をときめくハリウッド随一の若手スター、キラキラ感ハンパないです。彼の周りには常に見えない




その他のキャストも、なかなか豪華、ていうかシブいです。イギリスの名優たちが脇を固めていたのも、この映画に高級感を与えています。まず、驚きのキャスティングだったのがウンパルンパ。ヒュー・グラント!英国美青年→ラブコメキング→自虐おじさん、そしてついにここまできてしまったグラント氏です。イロモノ、キワモノ役でも、グラント氏といえばの皮肉や自虐、そして英国紳士らしさが今回も愉快でした。オレンジ色に塗った顔と小人体の合成、その奇妙さ異様さも笑えます。よく引き受けたな~と、グラント氏の何事にも真剣にも深刻にもならない、皮肉で自虐的な人柄がしのばれるウンパルンパでした。


あこぎな宿屋の女主人役のオリヴィア・コールマンも、楽しそうに珍演。非道い役なのに、ぜんぜん悪人に見えず笑えるところが彼女らしかったです。チョコ中毒の悪徳神父役、ミスター・ビーンことローワン・アトキンソンも笑えた。教会でキリンに追っかけられたりして。たまにジョージ・クルーニーに似て見えたのは私だけ?ウォンカの亡母役はサリー・ホーキンスでした。

それにしても。チョコレート大好きな私ですが、この映画のチョコはあまり食べたいとは思えませんでした


↑ バックはビッグベンでしょうか。ロンドン行きたい!