まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

ロミオはメンヘラ、ジュリエットは天然ビッチ

2024-07-05 | フランス、ベルギー映画
 「ランデヴー」
 女優志願のニーナは、不動産会社に勤務する青年ポロと親しくなる。ポロのルームメイトであるクエンティンの無礼さにニーナは反感を覚えるが、破滅的な彼に強く惹かれて…
 前から観たかったフランス映画を、ようやく。「私の好きな季節」や「野生の葦」「かげろう」「Quand on a 17 ans」など、アンドレ・テシネ監督の作品が好きなんです。いかにもフランス映画って内容と雰囲気が好き。決してワケワカメな難解ゲージュツ映画じゃないところも。何よりテシネ監督の作品のほとんどが、フランスの大女優+イケメン俳優主演、というキャビアとフォアグラがセットになってるような美味しさなんですよ。って、キャビアもフォアグラも食べたことないけど

 1985年公開なので、39年前!の作品ニーナ役は、当時21歳、デビューしたばかりの頃のジュリエット・ビノシュ。わ、若い!ピッチピチです!若かりし頃のビノシュさんは、田舎の童顔おぼこ娘って感じで可愛いと思うけど、同性受けしないタイプの女優でした。何でこんな美人でもない、イモくさい女がヒロイン?!しかもイケメンにモテまくって!と、女性が反感を覚えたりやっかんだりするのも理解できる見た目と役、そして私生活。でも私は昔からすごく好きな女優さんなんですよね~。好感や共感など求めていない、男にも女にも媚びてないところが好き。「存在の耐えられない軽さ」とか、スゴい女優だな~と圧倒&魅了されましたし。キレイカワイイだけ女優など石ころ同然にしてしまう、その存在感と演技力と役者魂はまさにダイヤモンドの原石でした。あっという間に国際的な女優となり、ついにはアカデミー賞まで受賞した躍進を、私は驚きませんでした。

 そんなビノシュの初主演作が、このアンドレ・テシネ監督の作品。フランス女優ってスゴいわ~と、この映画の彼女を見てあらためて思いました。若い頃から脱ぎっぷりがいいことで知られるビノシュですが、この映画では何もここまでと呆れるほどに。ただ脱ぐだけじゃなく、脱ぎ方と脱ぐシチュエーションがおっぱいやお尻どころか、ヘアも丸出し。ラブシーンや裸も全然きれいじゃなく何だか卑猥な生臭さがあって、見ていて居心地の悪さを覚えました。あの生々しさ、生臭さこそが男を惹きつける、ビノシュの強烈で強力な魅力なんでしょうね。親しみやすいイモ可愛さと生臭い雌フェロモンで、男たちに俺でも抱ける!と思わせる女。一度抱いたらズルズル、ドロドロと沼ってしまう危険な女。実際にも、ロボットみたいな完璧な美女よりも、ビノシュみたいな女のほうが男にモテてるような気がします。ビノシュのモチモチねっとり吸い付きそうな白い柔肌の、淫らな色香ときたら!

 ニーナとポロ、クエンティンの三角関係のお話なんだろうけど、ほんとフランス人の恋愛ってわけがわかりません。今まで観たテシネ監督作品の中では、最もワケワカメな話でした男から男へなニーナがビッチすぎる。尻軽なのにポロとは寝ないのが、またややこしくてめんどくさい女。悪意や計算なんか全然なく男を振り回すニーナ、まさに魔性の天然女。フランス映画伝統のヒロインですね。尽くしてもヤラせてもらえず、振り回されて悶々イライラなポロが可哀想でした。傷ついてもニーナと縁切りできないポロのドM男っぷりも、まさにフランス男って感じ。

 クエンティン役のランベール・ウィルソンも、わ、若い!ハリウッド映画「サハラ」のちょっと後、当時27歳ぐらい。美青年!背が高っ!並ぶとビノシュが子どもみたいだった。意味不明なイカレ言動が気持ち悪くて笑えた。いかがわしいアングラ劇の舞台で全裸本番みたいなシーンとか、よーやるわなことを彼もやってました。すぐ死んじゃってビックリ。でも亡霊?幻覚?になってチョコチョコ現れます。中盤にジャン・ルイ・トランティニャンが登場。シブい!いぶし銀の熟年ですが、走るシーンとかすごく俊敏で若々しかった。ジャン・ルイおじさままでビノシュの毒牙に!?と思いきや、そうはならなかったので安心。ポロ役の俳優は、ブノワ・マジメルを地味に非イケメンにした感じでした。ブノワといえば。この映画の頃はまだ小学生だったブノワを、後にビノシュが…と思うと、何かモヤモヤします
 
コメント (2)
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