まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

およしになってねbrother

2009-12-13 | 日本映画
 天皇陛下と中国の政治家との緊急会見が、大きな波紋と批判を喚起しているようですね。
 会いたいから会わせろ!という中国の要求を軽々しく呑むとは日本の威信にかかわる、とか。天皇を政治利用してる!とか。難しいことは私には分からないけど...無知な庶民の目には、畏れ多いことですが、ただただ陛下がお気の毒に映って仕方がない。この騒動が宸襟を悩まし奉っていることだろうし、何より御高齢の御体が心配。賤の身分なら、とっくに楽隠居な御年なのに...
 うちの親戚のおばさんが、こないだ愚痴ってたのを思い出しました。『うちら70近くになっても畑で朝から晩まで働かんといけんのんよ。息子の嫁はええ大学出とる賢い女じゃけど、ぜんぜん手伝ってくれんし。体が弱いとかいいながら、あちこち遊びに行きょうるわ(苦笑)』
 お年よりは酷使するより、いたわってあげたいですよね。

 「花実のない森」
 若尾文子主演、原作は松本清張。
 車のセールスマン梅木は、みゆきという美しく謎めいた女に惹かれ、彼女の身辺を探り始める。やがてみゆきの周囲で連続殺人が...
 松本清張といえばの社会派ミステリーではなく、男と女の情痴ミステリーでした。思わせぶりなわりには犯人バレバレだし、主人公と犯人との対決シーンはやっぱ断崖だったり(笑)、土曜ワイド劇場でやっても十分な内容でした。大ドンデン返しとかアクロバットなトリックなんか期待すると、何じゃこりゃ!アホらし!だけど、まったりした土ワイ風味が好きな人は楽しめます。
 主人公の梅木が、好奇心旺盛というか詮索好きというか。いくら好きな女のことが知りたいからといって、深い仲にもなってないのにストーカーまがいに身辺調査。彼女の知人、果ては自宅にまで押しかけてくるなんて、どんだけヒマなんだよ。すごくクールにカッコつけながらのストーカー行為が笑えます。自分の愛人を家政婦に仕立ててみゆきの実家に潜入させるなど、そこまでするか!?な執念には、何か隠された理由があるのか?と勘繰ってしまいましたが、何もなくてガクッ
 
 みゆきのファムファタールぶりが魅力的なんだけど、もうちょっとコワレた淫らな女だったほうが、悲しさが増して良かったかも。でも演じてる若尾文子は、ほんと美しい!男が群がるのも当然。アンニュイでミステリアスで淫蕩で毒があって、それでいて上品でコケティッシュ。悪意なく男を振り回し破滅させる魔性の美女。男たちを燃え上がらせながらも、自らは決して熱くならない冷感症な悪女。今こんなヒロインを演じるに相応しい女優、いないですよねえ。みんなフツーにキレイなだけだもん。若尾アヤパンの60年代ファッションも目に楽しい。
 梅木役の園井啓介は美男子ではないけど、ヤクザ役とか似合いそうな風貌は男らしくて悪くなかった。声がシブい。彼の情婦で、みゆきの実家に潜入する娘役の江波杏子は、ちょっと妖怪人間ベラっぽい美人。梅木に絡んでくる謎の男役は、A一郎の亡父こと船越英二。息子より男前ですね。
 いちばん目立ってたのは、みゆきの異母兄役、田村高廣の怪演(珍演?)。ジョニー・デップみたいな黒縁メガネの奥で怪しく光る、美しい妹へのイヤらしい目ときたら!みゆきの湯上りを浴室の前で待ち構えてたり、男と遊び歩く妹にネチネチと嫉妬しつつ、席が離れすぎだよお~もっと近くでご飯食べよ♪とか、出かけるのか?僕も行く♪と妹に甘えてくる姿がキモい。そのたびに妹に拒絶され嘲笑され、ワナワナ&ショボ~ンな様子もキモい、けど何か可笑しい。若き日の田村さん、顔が可愛いせいか、危ない変態役なんだけど怖くないんですよねえ。佐野シローとかだったら、キモヤバすぎて見てらんないだろうし。
 ストーカー、変態、殺人者。美女をめぐる男たちの情念と狂いっぷりは、ほとんど喜劇でした(笑)。
 

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