まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

瑠璃色に輝く天空に散った

2007-04-20 | 日本映画
 今日はmy motherの誕生日。百貨店に寄って、帽子とハンカチを買いました。来週はダミアンのバースデイだし、あああ~財政破綻...思わず帰りに、消費者金融にフラフラ入ってしまいそうに...春なのに~ため息またひとつ~♪
 
 お松の独り邦画男前映画祭⑤
 「俺は、君のためにこそ死ににいく」
 試写会も、邦画を映画館で観たのも久しぶり。上映前に、主催の広島テレビの女子アナが、ほとんど手に持ったメモに目を落としたままで、ダラダラどーでもいい映画の解説。早く引っ込めよ!と私だけでなく、ほとんどの観客がウンザリしてたのでは...
 で、映画は..想定外、そして冷血人間のガラにもなく私、感動しちゃった♪さすがに泣かなかったけど、かなりウルルン涙腺が緩みました。
 明日のない特攻隊として、鹿児島・知覧に集まってくる若い空軍兵士たち。彼らから母親のように慕われる食堂の女将は、慈愛と悲しみのまなざしで、死の空へと飛び立つ若者たちを見守り、見送る...
 まず最初に...特攻なんて今の自爆テロと同じな暴挙愚挙!とか思ってる、左翼がかった進歩的文化人は、観ないほうがいいです。原作&脚本の石原慎太郎は、これは反戦映画である!と言ってるそうだけど...兵隊たちの戦死は犠牲でも犬死でもない、崇高で美しい行為だったのだ!という、シンちゃんのガチな思想は、隠しようもなく伝わってきます。
 身もフタもない言い方をすれば、ぶっちゃけ右翼的な映画です。小泉元首相や阿部総理は、きっと涙なしで観られない類の映画?
 皇軍の兵士、時いたって忠良なる忠臣として、命を捨てて大御心を添わんとする!上も下も、そう信じて疑わない軍人たち。死ぬことは恐いし、愛する人との別れも悲しいけど、だからといって、声高に戦争も特攻も間違っている~!なんて騒いだりはしない。まあ、騒いでも仕方がない状況ではあるのだけど、そんな絶望や諦めは、全然感じられない。むしろ、大空で死に遅れることは恥!とか、先に戦死した友たちに申し訳ない!死んで早く彼らに会いたい!とか、とにかく死に急ぐ若者たちの姿が、悲壮で痛切です。まさに、気高く咲いて美しく散っていく、という描き方をされています。それを、あまりな美化!と言う人もいるでしょうけど、あんな風に死んでいった若者たちを、悪し様にツバ吐くようなことなんて、私には決して言えない。
 戦争が、どんなに悲惨で間違ったことか、ということを訴えるよりも、軍人の、男のロマンを描いている映画だと思います。ロマンを感じる、感じないで、この映画は哀切な感動作orトンでも狂信劇に別れるのでは...私はロマンを感じるけど、同時に憤りも感じます。なぜ、あんな何の罪もなく、若さで輝いている生命が、無残に散っていかなきゃならないの~!と、やはり戦争が呪わしくなります。
 でも、ホント恐いとも思った。当時の人々の、洗脳されっぷりが。軍人もだけど、一般人も...飛び立つ戦闘機を見ると、ひざまずき地に額ずく石橋レンジとか、特攻隊員の息子に畏れ敬う態度をとる寺田濃とか。こんな異常な光景が、当たり前な時代だったんですね。ほんと、ダミアンが今の時代の子で良かった!愛する甥を、死ぬと分かってて笑顔で旗振って見送るなんてこと、私にできるだろうか。当時の女性って、特に母親って、気丈だったんだなあ。ほんとは、気も狂わんばかりの悲しみに耐えてたんだろうなあ。
 同じような内容?の「男たちの大和」には、まったく観る気が起きないのに、この映画には飛びついた理由は...もちろんキャストが私好みなメンツだから!ミーハーすぎて、英霊に申し訳ないのですが...
 徳重聡。雄々しく凛々しく精悍で、それでいて青年らしい朗らかさ、清爽さがあって、良かったです。背が高くてカッコイイ!演技は、相変わらずぎこちないな、と思う瞬間もあるけど、小器用な小ざかしさがないところが、彼の魅力なんです!彼は役者というより、スターになるのだから!何てったって、21世紀の裕次郎なんだから!
          
 窪塚洋介。早く特攻したがってる狂気な感じの危うい一途さが、ちょっと本人とカブるキャラ?出演者の中では、誰よりも原作に共感してそうだし。ヨースケ、昔はホント、カッコカワイかったよなあ。今の亀ムシとか山上?下?とかの比じゃないよ。独特の個性は、今も健在みたいで安心。ナンダカンダで逸材だと思うので、完全復帰が待たれます。
 筒井道隆。ああ~相変わらず、哀愁の犬系!何度も特攻し損ない、それでチキン呼ばわりされ、やたら上官や仲間に殴られるツツミチの、思わずイヂメたくなるS心誘引オーラが、たまりません。素朴でイモいけど、そこはかとなく男の色気があるんだよなあ。追っかけてきた恋人との、最後の抱擁シーンが切ない(けど、淡白で残念。激しく求め合うラブシーンにしてたら、悲愴感も高まっただろうに)。
 とまあ、坊主頭が似合う、男らしい清潔感のある俳優ばかりだったから、感動できた私かもしれません。いま人気の、チャラチャラした軽薄なホストみたいな男たちじゃなくて、良かった!
 岸惠子も、ほんと慈母のようで慕わしい。特攻隊員たち、まるで彼女に恋してるようでもあった。彼女と若者たちのやりとりが、微笑ましく悲しいです。
 いちばん切なかったのは、犬を可愛がっていた少年のような隊員が、岸惠子に別れを告げにくるシーン。蛍になって戻ってくるからね、という彼の泣き笑顔、思い出しただけで目頭が...あの俳優、誰やろ?可愛かった。
 隊員たちが約束通り帰ってくる、蛍や靖国神社の桜のファンタジックなシーンは、ちょっとアザといけど、涙を誘われます。でも、映画が終わると流れてくるテーマ曲がビーズ...海猿かよ!?せっかくの感動が、チャラい感じに...
 生命を燃やす意志も対象もなく、無気力に生きてる若者に、ぜひ観てほしい映画かも。
 男祭り映画だけど、全裸で風呂とか喧嘩なんて、YAOIを喜ばせるシーンも雰囲気も全然ないところが、やっぱ同じ右系でも、三島由紀夫とは違う石原都知事です。
          
 
 

 

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2 コメント

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尾道殺人事件! (松たけ子)
2007-04-27 19:23:10
ぴいさん、こんばんは!
冷血自慢の私が、うかつにも♪でもま、冷静になった後では、ちょっと感傷的すぎる内容かな、とも。
思った通り、井筒監督が噛み付いてきたらしいですね。井筒監督に共感する方々とか、日本政府に逆らってまでイラクに行って人質になるような人権家さんは、観ないほうが無難でしょうね。
ビーズは、トホホだったなあ。いっきに海猿になった感じ。
ヨースケ、ほんと新興宗教の教祖になれそうなミラクルボーイ。美輪とか江原より、彼の言葉に耳を傾けたいかも。またヘンな方向にイっちゃってるらしいので、心配です。
尾道に来てくださって、すべての広島県人に代わり、御礼申し上げ候♪良い街だったでショ?尾道は、広島の中ではオシャレな街かも。わしんとこは、広島でも物騒で下品な街じゃけど。映画のロケ地とか、行かれました?
す、水死体!?何事!?ぴいさん、片平なぎさ化して、事件を解決すればよかったのに!
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なんと!? (ぴい)
2007-04-27 12:36:30
冷血と噂の松さんがウルルンくるとはちょっと驚きです。都知事快進撃の極右映画かな~と思っていたのだけど、松さんの感想読んでちょっと考えを改めましたわ・・・大事なものを守ろうとして命を捧げた人に「犬死」とは言えないですよね・・・
にしてもビーズのエンディングはきついっすね~

ヨースケ、私も好きな俳優です。せっかく助かった命なので俳優人生を歩んでほしいですよね!

そうそう、もうだいぶ経ってしまったけど、広島・尾道旅行楽しかった! この同じ空の下、松さんは暮らしてらっしゃるのね、と感慨深かったです☆天気もよかったし、食べ物もおいしかったし、いや~すごく気に入りました。おしゃれな若者が多いと感じるのは気のせい?自然なんだけど、ファッショナブルな人が多かったような・・・
たまたま通りがかった平和大橋で、水死体を引き上げる場面に遭遇したのはちょっとびっくりでした!
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