まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

あなたに贈る人生の特等席

2009-01-07 | フランス、ベルギー映画
 「モンテーニュ通りのカフェ」
 前から観たかった作品を、やっとDVDで鑑賞。「ブッシュ・ド・ノエル」や「シェフと素顔と、おいしい時間」などのフレンチ人情コメディの名手、ダニエル・トンプソン監督の作品です。
 パリのモンテーニュ通りにあるカフェで、ギャルソンとして働き始める女の子ジェシカ。カフェには、さまざまな事情や悩みを抱えた人々が出入りしていた...
 期待通り、とっても愛すべき佳作でした。たくさんクスっと笑えて、ちょっとシンミリする、ユーモアとペーソスのブレンド具合がトレビアンです。ほんと、上質のデザートみたいな映画です。
 奇をてらったシーンや、ありえねー!な劇的展開、才気走った台詞なんかないのに、すごく面白くて楽しい。これといって特殊なキャラはいないのに、登場人物たちの個性と織り成す人生模様は豊かで味わいがある。それも、描き方がさりげなく自然で、しかも深みがあって、ほんと脚本が良くできてるんだなあと感嘆してしまいます。
 
 フランス人の人情って、ベタベタしてないから好き。愛や人生観が、ちょっとドライすぎる?と思えるところが、またフランス人独特っぽくて面白いし。あと、やっぱ成熟してるというか、大人ですよねフランス映画って。それに比べると同じ群像劇でも、三谷コーキとかクドカンとかのドラマや映画って、ほんとオコチャマ向けです。
 脚本も大人ですが、出演者も大人の俳優ばかり。それに比べて、ほとんどタレントの学芸会コントだもんね三谷コーキやクドカンの...って、しつこい?
 ジェシカ役は、いま世界一ボーイッシュな女優といえるセシル・ド・フランス。可愛いけどブリッコに媚びてない、カッコいいけどトンがった男勝りじゃない、異性にも同性にもモテそうな魅力の持ち主。出会う人々の気持ちを明るくするジェシカ、友達になってほしい!
 「輝ける女たち」でもいい味だしてたヴァレリー・ルメルシエとクロード・ブラッスールが、愉快で秀逸な好演。特に、昼メロで人気だけどホントは本格的な女優と認められたい!と、しっちゃかめっちゃかカオス状態なTV女優役のルメルシエおばさまが、キャストの中では突出してます。セザール賞の助演女優賞受賞も納得。映画に出たい彼女が『(ヒロインのリストには)どーせビノシュかアジャーニでしょ』『(モニカ)ベルッチ?あの売女が』とか、実名登場の台詞が笑えた。あと、故シドニー・ポラック監督と一緒のシーン、テンパリすぎてアワアワな彼女が珍妙絶妙。
  
 ブラッスール爺さんの息子役は、ダニエル・トンプソン監督の愛息クリストファー・トンプソン「ブッシュ・ド・ノエル」の時よりシブくなって、ますますカッコよさ加味この映画の脚本も、もちろんママンと共同執筆。見た目よし、演技よし、頭よしの三拍子そろった男前なんですよね。ああ~こんな素敵な恋人と、カフェでキスしたい♪パパとのやりとりや、腰痛でイテテな様子が可愛かった。
 ジェシカの可愛いおばあちゃん(名女優シュザンヌ・フロン、これが遺作になりました)、ちょっとボケ気味なところもご愛嬌。ピアニストが彼女に花束をあげるシーン、なぜかホロリとさせられました。何でもない場面や台詞なのに、そうなることが頻繁だったのも、この映画が好きな理由です。
 
 
 
 

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