



ヨーロピアン航空の旅客機がアルプスに墜落し、乗客乗員全員が死亡する。航空事故調査局の音声分析官マチューは、優秀だがそれゆえに周囲から孤立しており、上司のポロックにより捜査から外される。しかしポロックが突然行方不明となり、マチューが彼を引き継ぐことになるが…

待ちに待ったピエール・ニネ




有能だけど人付き合いが苦手で、ちょっと根暗なニネっちも可愛かった


中盤ぐらいまでは、別にニネっちじゃなくてもいい役かも?瑛太とか向井理でもよさそう、なんて思ってたのですが、事件の真相に近づくため常軌を逸した独断行動や、追いつめられ理性を失い混乱し暴走する様子は狂気的でもあって、なかなか鬼気迫るものがありました。マチューは鮮やかに事件を解決する魅力的な変人、なんていかにも人気俳優がやりたがるようなキャラではなく、自分の見解は一方的にぶつけてくるけど周囲の意見には耳を貸さない、他人の都合や思惑など意に介さない、ひとつのことへ異常なほどのめりこむetc.間違いなくアスペルガー症候群な、かなりキワどい役なんですよ。ルックスがいいだけの俳優だと見ていてイライラするだけの、単なる自己中で非常識なKY男になってたマチューですが、そこは骨の髄まで役者なニネっちなので、社会不適合者っぽさで不穏な空気を醸しつつ、信じた道をひたむきに驀進する純真な、賢い生き方ができない不器用な男にも見える役、演技になっていました。

奥さんとの激しい口論シーンでの、ニネっちの怒鳴り声が美しくて聞き惚れました。さすが舞台俳優でもあるニネっちです。彼の舞台も観てみたいな~。美人の奥さんとのラブシーンはかなり軽め。どの映画でもよく脱ぐ脱ぎ男なニネっちなのに、この映画では彼の肉体美が眼福なシーンはなし。パンイチでパソコンしてるシーンがありましたが、暗いのではっきりニネっちの裸体は見えないというファンサービスの悪さ!

奥さん役は、ニネっちとは「J'aime regarder les filles」でも共演してたルー・ドゥ・ラージュ。「社会に虐げられた女たち」でも思ったけど、やっぱヒラリー・スワンク+戸田恵梨香、な顔の美人。見た目同様キャラもクールで、女おんなしたネチっこさや媚びがないところがカッコよかったです。マチューの上司役は名優アンドレ・デュソリエ。ご高齢でもお元気そうで重畳。でも、どう見てもとっくに定年退職してるお爺さんですよ。伊東四朗や高橋英樹がいまだに現役刑事役やってるのと同じような違和感。マチューの友人で、セキュリティ会社の若き社長役のセバスチャン・プドルースもなかなか男前でした。

捜査ものでも、もう刑事や検事、弁護士ものはネタぎれ状態、食傷気味。なので、航空事故調査局の音声分析官という職業や仕事が新鮮でした。日本の2時間ドラマみたいに一件落着なラストではなく、かなり悲劇的で苦い結末がどこかやりきれない余韻を残します。それにしても。飛行機の自動操縦や車のボイスレコーダー、監視カメラとかドローンとか、ハイテク過ぎるとなんだか怖い。何でもできちゃう!何でもわかっちゃう!いいことも、悪いことも。便利だけど、返って生き辛くなっていくような気がします。そしてこの映画、観たら飛行機に乗りたくなくなります。地上の車よりも安全とは言われてるけど、機内での墜落の恐怖や絶望を想像しただけでも戦慄。



ブノワ・マジメルと共演したラブサスペンス“Amants”は、いつ日本で公開されんじゃろ。イザベル・アジャーニ共演の最新作“Mascarade”も、わしが生きとる間に公開して~
この作品、今公開中なのですね。
うっかり見落としていました。
音が物語の鍵になっている、というところに興味深々です。
ちょっと「ギルティ」を思い出しました。
ピエール・ニネさんも存じ上げなかったのですが
イヴ・サンローランの彼でしたか。
戦場のピアニストのエイドリアン・ブロディに少ーしだけ雰囲気が似ているような??
こういう心理サスペンスのような作品は大好きです!
絶賛?公開中です(^^♪へーこんな職業、捜査があるんだ~と、なかなか興味深かったです。ぜひご覧になってみて!「ギルティ」も前から気になってた作品なので、近々観たいと存じます(^^♪
ピエール・ニネ、ずいぶん前からmon amour状態なんです(^^♪イヴ・サンローランの他にもいろいろ出てますが、私のおすすめは「キリマンジャロの雪」!チョイ役なんだけど、何このイケメン?!と色めきだってしまいました。エイドリアン・ブロディと、確かに何となくカブるところあります!どっちもいい役者!
サスペンスといえば、昨夜兄に包丁で刺されるというサスペンスすぎる悪夢を見てしまいました💦怖くてしばらく実家に帰れません💦