ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

さようならピンキー

2010年11月07日 | ひとりごと
昨日、わたしが新しい命の誕生を祝いに家を離れている間に、うちと庭続きの家に50年近く暮らしていたピンキーが亡くなった。
おしどり夫婦でこの近所でも有名なピンキーとポールは、わたし達がこの家に引っ越してきたその日から、とても親切に迎えてくれた。
ポールが心臓の手術の途中に、全くの想定外だった危篤になり、すでに難しい癌の末期を迎え、医者から余命数週間と宣告されていたピンキーに見送られて亡くなったのが9月の終わり。
亡くなる当日の午後に、ありがとうを言いに行ったわたしにピンキーは、「こんなになっちゃった彼を見ているのは辛いけど、もうそれも終わるわ。そしてわたしがすぐ後に逝くから、彼はきっとあんまり躊躇しないと思う」と言っていた。

ポールのお葬式が終わり、ピンキーが独り、今まで彼と暮らしてきた家に戻った。
けれども彼女の容態も急激に悪化したので、ポールのために遠くから戻ってきていた娘や近隣の親族が、そのまま彼女の世話のために残った。
家はいつもとても静かで、窓も戸もすべて閉ざされていた。
わたしは今回、さよならを言いに行かなかった。
ポールを見舞った時に、そっと、でもきっと彼女にはわかっただろう「さよなら」を、心の中で言った。

こんなふうに、両親を亡くす人達のことを思った。

うちの向かえの、小さな家の前庭に、売り家のサインボードが立った。
この家の家族も、ずっと長い長い間、ここに住んでいた。
わたし達は多分、この小さな世界の、新旧の入れ替わりの時期に越してきたのだろう。

「ねえ、ずっと誘ってるのに、なんで泳ぎに来ないの?」

水着姿の長身のピンキーが、プールの中に立ち、ちょっと怒ったような顔をして、窓越しにわたしを誘う声が聞こえる。
低めの、ちょっとドスが効いた、けれども優しい声だ。

とうとう泳がずにふた夏が過ぎた。
ごめんねピンキー、ごめんねポール。そのことだけは後悔してる。

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米国今日から冬時間事情

2010年11月07日 | 米国○○事情
今朝(といっても夜中ですが)の2時で、今年のデイライト・セービング(夏時間)が終わりました。
ということで、今日から標準時間、日本との時差が14時間になります。
時差が13時間から14時間に……この1時間が、日本の人達との会話に微妙~に影響します。
朝、こちらがホッと一息つけるようになる頃にはもう日本は夜中。逆も然り。
なので、スカイプや電話などの、直接話せる嬉しい時間を持つことがなかなか難しくなってしまうのです。仕方が無いんですけどね。

さて、今朝もキリキリッと冷えております。
昨日はまるで五平餅のような、横長の美味しそぉ~な雲がいっぱい浮かんでいたのに、今朝はすっかり押し流されて真っ青な青空。
秋の青はほんとに澄んでいて、凛々しくて、きっぱりとなにかを決めた後のような清々しさがあります。


この時期、うちはちょっと困ったことが発生します。これです。


でっかい松の老木からのお土産です。もうアスファルトとコンクリートの境が見えなくなるほどのにぎわいです。


この枯れた松の針のような葉っぱは、靴の裏にへばりつき、家の中に入る前に泥落としでちゃんと擦ってもなお、どんどん侵入してきます。
さて、今年はどんな手を使おうか……。

食いしん坊は誰でしょう?日に日に小さくなっていく『?』かぼちゃ。


その横でずっと齧り手が無かったこのかぼちゃにも!


こんなに寒くなったのに、健気に咲いてくれているマリーゴールド。


すっかり家の中(しかもヒーターの真ん前)がお気に入りになったショーティ。たまに頭のてっぺんをくっつけて寝ているので、「頭寒足熱やろ!」と叱っています。


葉っぱが4枚とも続けざまにパラパラと落ちて、もう死んじゃうのか?!と、とても心配した青桐の赤ちゃん。


数日前から、先っぽの方からかわいい芽が出てきました。良かった!


我が家のリス達の遊び場も、葉が落ちてよく見えるようになりました。






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