monakaさんとおっしゃる、岩手在住のふたりのお子さんを持つお母さんから、
『陸前高田の市長は、瓦礫の広域処分を望んではる。ただし、条件付きで』3/17の記事のコメントをいただいた。
monakaさんは、岩手・宮城両県の、津波によるがれきの広域処理についての、環境放射線量に対する誤解と、現状の真相を、
ご自身でコツコツとこまめに調べておられるデータを元に、詳しく説明してくださった。
『私は岩手県在住の2児の母です。
ネットで「岩手、宮城の津波によるがれきが高度汚染されている」という「前提」で、忌避されていることを残念に思うとともに、
本当の危険をご存じない、首都圏のお母さん方が気がかりで、コメントさせていただきます。
がれきに含まれる放射性物質を、なんとなく不気味に思われて忌避されるのなら、仕方ないと思います。
ただ、現実に観測されている、科学的、合理的事象として、次の2点だけは気に留めておいていただきたいのです。
(1) 岩手・宮城の津波被災地では、がれきに本当に困っています。
東京新聞に載った『被災地で本当に望まれているのは原発事故の補償』というのは、
(がれきの広域処理対象外である)福島の、原発被災者の声にちがいないです。
なぜなら、岩手・宮城の津波被災地には、原発で被災した人はおらず、保障を求める意味がないからです。
がれきを至急処理してほしい理由は、悪臭、大量のハエの発生による、衛生悪化。
去年は、避難所にまでたくさん飛んできて、駆除が大変でした。
http://www.asyura2.com/11/jisin17/msg/407.html
そして火災の危険。
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201109170566.html
こういう危険ながれきの間を縫って、子供たちは毎日学校に通っています。
(2) 放射性物質は、津波がれきだけを選んで、降ったわけでは当然ありません。
比較すると、本当に放射線量の高い焼却灰は、岩手の津波被災地のものではなく、首都圏から出るものです。
処理場の少ない、首都圏からの焼却灰を、震災前から受け入れてきた他県には、
数千ベクレルの値の焼却灰が、首都圏から1年以上の間(今も)、移動させられ埋め立てられています。
昨年7月時点での、東日本各地の、焼却ごみの放射線量
http://www.env.go.jp/jishin/attach/waste-radioCs-16pref-result20110829.pdf
(岩手県沿岸の焼却灰データは、13番から下です)
去年、首都圏から秋田に、最終処分のため運び込まれた焼却灰が、基準値の8000bq/kgを超える線量だったため返却された件。
http://www.asahi.com/national/update/1203/TKY201112030123.html
でもこれは、基準値内であれば、7999bq/kgの灰であっても、現在も他県に運び出され、埋め立てられているということです。
そして、そんな灰の元になる一般ごみが、毎日首都圏で燃やされ続けているのです。
岩手の津波がれきを受け入れて、燃やし始めたら、環境放射線量が下がるほど、東京のごみと焼却灰の汚染は(岩手沿岸より)高いのです。
そういったデータもネットで読むことができます。
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/resource/disaster-waste/
私も2人の子供を持つ親として、自分と自分の子供を守るために、顔も知らない人がネットで言うことをうのみにする前に、
自治体のページで、公式発表された数値を、確認するようにしています』
******* ******* ******* ******* ******* ******* *******
『お返事ありがとうございます。
私のコメントでよければ、どうぞ転載してください。
自分のブログかサイトを持って、それを発表できればいいのですが、発信するより、収集することで精一杯なので、私の集めた情報がお役に立つのなら、とても嬉しいです。
私は、原発事故いらい、「データやソースを示してくれている情報」を参考にし、「安全」だろうと「危険」だろうと、ソースを明示せずに、感情にだけ訴えようとする言説は妄信しない」と、
取捨選択して、情報を収集してきました。
そうやって、大々的には発表はされない、「科学的観測事実」に出会い、うーん、とうなってばかりです。
津波がれきの広域処理でしたら、環境省の提供によるPR記事としてですが、
取材と執筆を、ジャーナリストの津田大介さんがまとめた記事に、
ネット上でくりかえし出てくる、様々な疑問に対する答えや、FAQサイトへのリンクなどがあるので、参考になると思います。
http://b.hatena.ne.jp/articles/201203/8145
この記事をお読みになると、「自衛隊のような、特殊な技能や道具を持った組織に、今一度出動してもらい~」とのお尋ねに対する答えとしての、がれきの現地での状態も、お分かりになると思います。
現地では、金属、コンクリート、プラスチック、木材等への分別が、相当進んでいて、
多くの分別済みのがれきが、埋め立てられるか焼却されるのを待っているのです。
(ハエの大発生や、火災が危惧されるのは、可燃性の木質有機ごみです)
がれきの、現地での活用も、進んでいます。
ちょうど今日、岩手の大槌町で、がれきを埋め立てて、防潮堤でもある「鎮魂の森」作りがスタートしました。
全国紙で報道されないだけで、誰もが思うような処理方法は、すでに行われているのです。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20120501_3
こういう記事が出ると必ず、「それなら全部そうやって処理すればいい」というご意見が出るのですが、
これは、膨大ながれきの一部にすぎず、また、自治体ごとに、地形や浸水の程度、地盤沈下、都市計画が様々です。
陸前高田の市長の意見が、津波被災地すべてにあてはまらないのと、同様なのです。
唯一、三陸で共通しているのは、リアス式海岸には高台がほとんどなく、津波に洗われた平地から、まっすぐに山がそそり立つところが多い、ということです。
Googleのストリートビューで、去年秋の時点での、津波被災地が見られます。
http://googleblog.blogspot.jp/2011/12/experience-tsunami-affected-areas-of.html
他に、有用なデータ収集サイトとしては、文部科学省放射線モニタリング情報が稼動していらい、ずっとフォローしています。
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/
ところで、岩手の人間なのに冷たい、と思われるかもしれませんが、
環境省のビデオの、「被災者の感情」をことさら押し出す演出は、どうかと思います。
「岩手宮城沿岸の、津波がれきの放射線量は、首都圏のごみよりずっと少ないので大丈夫」と、データを示して理解を得ようとしないのは、
首都圏の、焼却灰の他県処理に、スポットライトが当たるのをおそれてでもいるのかしら…と、皮肉な見方をしてしまいます。
岩手在住として、がれきの広域処理を(がれきより多い放射線量の一般ごみを、すでに毎日焼却している自治体に)、お願いしたいのは本心ですが、
かわいそうとか、なんとなく怖いとかいう感情ではなく、危険性の有無の科学的データで、判断してもらいたいのです。
去年、首都圏からの焼却灰の受け入れ拒否をした秋田県が、先日、岩手県宮古市の、津波がれきの焼却と埋め立てを始めたのは、
焼却実験により、排ガスや灰、周辺の地下水に含まれるセシウムが、検出限界値以下だったからです。
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1062/20120414_09.htm
首都圏の汚染に関しては、私個人の考えとしては、食物に気をつければ、十分に生活できるレベルだと思っています。
空間放射線量は、そんなに高くないですし。
http://new.atmc.jp/
ただ、数千ベクレルの焼却灰を、日々生産し、他県へ移動させている首都圏の方々が、
それよりはるかに線量が低いがれきを、「危険」だとして、移動に反対するという不合理に、
「本当の危険はどっち?」と一石を投じることで、ソースや公式データの大切さをアピールしたいと思い、
コメント欄に、ずうずうしくお邪魔してしまいました。
津波被災地の復興は、なかなか進んでいませんが、奨学金のおかげで、震災遺児の進学率が倍増したというニュースも、今日目にしました。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20120501_6
子供たちが健康に育ち、日本の将来を担っていってくれることを、皆で応援したいと思っています』
思いは全く同じ。
いや、monakaさんの思いの強さと深刻さは、わたしなんかの比ではない。
考えなあかん。
まだまだ知らんことはぎょうさんある。
知って、考えて、また知って考える。
そうやって、頭も心も柔軟に、知ることと考えることを繰り返す。
『顔も知らない人がネットで言うことをうのみにする前に、自治体のページで、公式発表された数値を、確認するようにしています』
この言葉が、わたしの心に刺さってる。
『陸前高田の市長は、瓦礫の広域処分を望んではる。ただし、条件付きで』3/17の記事のコメントをいただいた。
monakaさんは、岩手・宮城両県の、津波によるがれきの広域処理についての、環境放射線量に対する誤解と、現状の真相を、
ご自身でコツコツとこまめに調べておられるデータを元に、詳しく説明してくださった。
『私は岩手県在住の2児の母です。
ネットで「岩手、宮城の津波によるがれきが高度汚染されている」という「前提」で、忌避されていることを残念に思うとともに、
本当の危険をご存じない、首都圏のお母さん方が気がかりで、コメントさせていただきます。
がれきに含まれる放射性物質を、なんとなく不気味に思われて忌避されるのなら、仕方ないと思います。
ただ、現実に観測されている、科学的、合理的事象として、次の2点だけは気に留めておいていただきたいのです。
(1) 岩手・宮城の津波被災地では、がれきに本当に困っています。
東京新聞に載った『被災地で本当に望まれているのは原発事故の補償』というのは、
(がれきの広域処理対象外である)福島の、原発被災者の声にちがいないです。
なぜなら、岩手・宮城の津波被災地には、原発で被災した人はおらず、保障を求める意味がないからです。
がれきを至急処理してほしい理由は、悪臭、大量のハエの発生による、衛生悪化。
去年は、避難所にまでたくさん飛んできて、駆除が大変でした。
http://www.asyura2.com/11/jisin17/msg/407.html
そして火災の危険。
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201109170566.html
こういう危険ながれきの間を縫って、子供たちは毎日学校に通っています。
(2) 放射性物質は、津波がれきだけを選んで、降ったわけでは当然ありません。
比較すると、本当に放射線量の高い焼却灰は、岩手の津波被災地のものではなく、首都圏から出るものです。
処理場の少ない、首都圏からの焼却灰を、震災前から受け入れてきた他県には、
数千ベクレルの値の焼却灰が、首都圏から1年以上の間(今も)、移動させられ埋め立てられています。
昨年7月時点での、東日本各地の、焼却ごみの放射線量
http://www.env.go.jp/jishin/attach/waste-radioCs-16pref-result20110829.pdf
(岩手県沿岸の焼却灰データは、13番から下です)
去年、首都圏から秋田に、最終処分のため運び込まれた焼却灰が、基準値の8000bq/kgを超える線量だったため返却された件。
http://www.asahi.com/national/update/1203/TKY201112030123.html
でもこれは、基準値内であれば、7999bq/kgの灰であっても、現在も他県に運び出され、埋め立てられているということです。
そして、そんな灰の元になる一般ごみが、毎日首都圏で燃やされ続けているのです。
岩手の津波がれきを受け入れて、燃やし始めたら、環境放射線量が下がるほど、東京のごみと焼却灰の汚染は(岩手沿岸より)高いのです。
そういったデータもネットで読むことができます。
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/resource/disaster-waste/
私も2人の子供を持つ親として、自分と自分の子供を守るために、顔も知らない人がネットで言うことをうのみにする前に、
自治体のページで、公式発表された数値を、確認するようにしています』
******* ******* ******* ******* ******* ******* *******
『お返事ありがとうございます。
私のコメントでよければ、どうぞ転載してください。
自分のブログかサイトを持って、それを発表できればいいのですが、発信するより、収集することで精一杯なので、私の集めた情報がお役に立つのなら、とても嬉しいです。
私は、原発事故いらい、「データやソースを示してくれている情報」を参考にし、「安全」だろうと「危険」だろうと、ソースを明示せずに、感情にだけ訴えようとする言説は妄信しない」と、
取捨選択して、情報を収集してきました。
そうやって、大々的には発表はされない、「科学的観測事実」に出会い、うーん、とうなってばかりです。
津波がれきの広域処理でしたら、環境省の提供によるPR記事としてですが、
取材と執筆を、ジャーナリストの津田大介さんがまとめた記事に、
ネット上でくりかえし出てくる、様々な疑問に対する答えや、FAQサイトへのリンクなどがあるので、参考になると思います。
http://b.hatena.ne.jp/articles/201203/8145
この記事をお読みになると、「自衛隊のような、特殊な技能や道具を持った組織に、今一度出動してもらい~」とのお尋ねに対する答えとしての、がれきの現地での状態も、お分かりになると思います。
現地では、金属、コンクリート、プラスチック、木材等への分別が、相当進んでいて、
多くの分別済みのがれきが、埋め立てられるか焼却されるのを待っているのです。
(ハエの大発生や、火災が危惧されるのは、可燃性の木質有機ごみです)
がれきの、現地での活用も、進んでいます。
ちょうど今日、岩手の大槌町で、がれきを埋め立てて、防潮堤でもある「鎮魂の森」作りがスタートしました。
全国紙で報道されないだけで、誰もが思うような処理方法は、すでに行われているのです。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20120501_3
こういう記事が出ると必ず、「それなら全部そうやって処理すればいい」というご意見が出るのですが、
これは、膨大ながれきの一部にすぎず、また、自治体ごとに、地形や浸水の程度、地盤沈下、都市計画が様々です。
陸前高田の市長の意見が、津波被災地すべてにあてはまらないのと、同様なのです。
唯一、三陸で共通しているのは、リアス式海岸には高台がほとんどなく、津波に洗われた平地から、まっすぐに山がそそり立つところが多い、ということです。
Googleのストリートビューで、去年秋の時点での、津波被災地が見られます。
http://googleblog.blogspot.jp/2011/12/experience-tsunami-affected-areas-of.html
他に、有用なデータ収集サイトとしては、文部科学省放射線モニタリング情報が稼動していらい、ずっとフォローしています。
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/
ところで、岩手の人間なのに冷たい、と思われるかもしれませんが、
環境省のビデオの、「被災者の感情」をことさら押し出す演出は、どうかと思います。
「岩手宮城沿岸の、津波がれきの放射線量は、首都圏のごみよりずっと少ないので大丈夫」と、データを示して理解を得ようとしないのは、
首都圏の、焼却灰の他県処理に、スポットライトが当たるのをおそれてでもいるのかしら…と、皮肉な見方をしてしまいます。
岩手在住として、がれきの広域処理を(がれきより多い放射線量の一般ごみを、すでに毎日焼却している自治体に)、お願いしたいのは本心ですが、
かわいそうとか、なんとなく怖いとかいう感情ではなく、危険性の有無の科学的データで、判断してもらいたいのです。
去年、首都圏からの焼却灰の受け入れ拒否をした秋田県が、先日、岩手県宮古市の、津波がれきの焼却と埋め立てを始めたのは、
焼却実験により、排ガスや灰、周辺の地下水に含まれるセシウムが、検出限界値以下だったからです。
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1062/20120414_09.htm
首都圏の汚染に関しては、私個人の考えとしては、食物に気をつければ、十分に生活できるレベルだと思っています。
空間放射線量は、そんなに高くないですし。
http://new.atmc.jp/
ただ、数千ベクレルの焼却灰を、日々生産し、他県へ移動させている首都圏の方々が、
それよりはるかに線量が低いがれきを、「危険」だとして、移動に反対するという不合理に、
「本当の危険はどっち?」と一石を投じることで、ソースや公式データの大切さをアピールしたいと思い、
コメント欄に、ずうずうしくお邪魔してしまいました。
津波被災地の復興は、なかなか進んでいませんが、奨学金のおかげで、震災遺児の進学率が倍増したというニュースも、今日目にしました。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20120501_6
子供たちが健康に育ち、日本の将来を担っていってくれることを、皆で応援したいと思っています』
思いは全く同じ。
いや、monakaさんの思いの強さと深刻さは、わたしなんかの比ではない。
考えなあかん。
まだまだ知らんことはぎょうさんある。
知って、考えて、また知って考える。
そうやって、頭も心も柔軟に、知ることと考えることを繰り返す。
『顔も知らない人がネットで言うことをうのみにする前に、自治体のページで、公式発表された数値を、確認するようにしています』
この言葉が、わたしの心に刺さってる。