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知的障害者の数

2007-01-27 16:34:53 | ノンジャンル
 昨日の朝日新聞の夕刊に「知的障害者数、食い違い」と題する記事が載っていました。
 国内の知的障害者数をめぐり、厚生労働省と障害者団体の見解が大きく食い違っているというのです。厚生労働省は、約55万人で全人口の0.43%とする推計を24日に発表しましたが、障害者団体側は「先進国では人口の2%前後。日本にも250万人はいるはず、と主張、より精密な調査の必要性を訴えているとのことです。
 厚生労働省は、全国の約6千カ所で、自治体や民生委員が把握している知的障害者の数を調べ、全体の人数を推計した結果、自宅で暮らす知的障害者は41万9千人(05年11月現在)、福祉施設に入所する障害者は12万8千人(04年10月時点)いて、合計54万7千人になるとしています。
 在宅の人数は、00年調査より約9万人増えましたが、これは03年に始まった支援費制度で障害者自身が福祉サービスを選べるようになり、自治体がつかんでいなかった知的障害者がサービスを求め、自治体に把握されるようになったためだそうです。支援費制度は06年に自立支援制度に変わり、事業者がサービスに参入しやすくなり、その結果事業者が増えると、把握される知的障害者数も膨らむと見ています。
 川崎医療福祉大学(岡山県倉敷市)の岡田喜篤学長によれば、海外では教育期間が把握する人数などに基づき、研究者が疫学調査の手法で推計しているそうで、総人口に閉める割合は、おおむね2%だそうです。これは日本の障害者団体の主張と一致しています。
 制度が変わるごとに障害者の数が増えていくというのは、潜在的な障害者が相当数いる、ということです。障害者団体の推計だとその数は約200万人になります。小中学校の特殊学級、養護学校を卒業したあと、知的障害者は、5人のうち4人が家庭でひっそり暮らしてる計算になります。
 なんでこんなことになるのか? これはひとえに知的障害者への差別の結果です。アメリカなど知的障害に理解の進んでいる国では、ホームパーティーを開く時など、知的障害者が主役で、会場の中央に座り、みんなで彼や彼女を盛り上げるそうです。それに引き換え、日本では親が引け目に感じて、知的障害者を家の中に隠そう、隠そうとする傾向があるように思えます。
 私も以前は障害者に偏見を持っていましたが、自分が精神病院に入院するという体験を経て、知的・精神障害者への偏見を克服する事ができました。早く世の中の人々の1人でも多くの人が、そうした偏見を無くして行ってほしい、と思います。