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万田邦敏監督『ありがとう』

2014-02-03 10:21:00 | ノンジャンル
 万田邦敏監督・共同脚本の'06年作品『ありがとう』をWOWOWシネマで見ました。
 “私は神戸の小さな商店街でカメラ店を営みながら、地域の消防団活動に三十年近く参加してきました。楽しみは月三回のゴルフ。クラブのアマチュアチャンピオンに十回なれたことが唯一、自慢の男でした。 古市忠夫”の字幕。“これは実話に基づく物語です”の字幕。“2000年9月5日”の字幕。幼少の頃からエリート教育を受けないと合格しないゴルフのプロテストの常識を、破った男が現れます。それが古市忠夫でした。
 阪神淡路大震災で何もかも失った古市家。消防団員だった忠夫(赤井英和)は、地震で道が塞がれているため、消防車が入っていけず、各地域を回り救出活動に専念しますが、地震が起こって18時間後に全国各地から消防車が集まり始め、やっと消防活動が始まります。地震発生から25時間後、焼跡の後を仲間と歩く忠夫。彼は死んだヒロシの回想をします。震災4日後になり、瓦礫を片付け始める住民。祖父母の位牌も燃えてしまったと忠夫の妻(田中好子)は言い、この先どうやって食べていくの?と忠夫に尋ねますが、忠夫は答えられません。重機が入り、瓦礫の中から思い出の品がすべり落ちるのを見る住民。震災15日後の合同葬儀の後、忠夫は災害に強い町作りをすることを誓います。震災の2ヶ月後、まだ泣いてばかりいる妻に、忠夫は生かしてもらっていることを感謝しなければ、と言います。
 やがて自宅と離れた駐車場に停めてあった車が無事だということが分かり、忠夫と妻は車を見に行き、忠夫はトランクの中にゴルフバッグがあるのを見つけて「奇跡だ!」と叫びます。
 震災から3ヶ月後、役所が行う区画整理で自分の土地を奪われることに反対する住民。その3ヶ月後に、そのことについて住民集会が開かれます。出席者の大半は区画整理反対派。自治会長の忠夫は、話し始めたそばから手酷い野次を浴びますが、ひるまず、災害に強い町にするには、広い道や公園が今以上に必要で、震災以前の町を再現しても意味がないと主張し、それでも野次が止まらないのを見て、採決を取ろうと言います。区画整理に賛成の人、と忠夫が言うと、しばらくは誰も手を挙げませんが、やがて町の長老が手を挙げ、それにつれて、一人、また一人と手を挙げ始め、会場は手を挙げている人で一杯になります。忠夫が反対の人の挙手を求めると、先程まで酷い野次を飛ばしていた男も手を挙げませんでした。
 忠夫は妻の助言でまた写真屋を始めることにしますが、震災から2年経っても町作りの仕事しかやらず、生活費を入れているのが自分と娘2人であることを妻に咎められます。すると忠夫は高収入を約束されたプロゴルファーになると言い出し、妻があきれる中で猛練習を始めます。受験費用だけで二百万かかると聞いて呆れる妻。忠夫は予選を次々と合格し、いよいよ最終予選を迎えます。みんなのおかげでここまで来れたと言う忠夫。お前にも感謝していると妻に言うと、妻は最後の受験費用を夫に渡し、こちらこそありがとうと言い、ここまで来たら落ちても笑えとも言います。町の皆に見送られ出発する忠夫。
 プロテストの前日、紹介されたキャディの飯田(薬師丸ひろ子)は、仲間にプロテストのキャディは重苦しくて好きじゃないと言います。初日、プレイの始めにコースに最敬礼する忠夫。豪雨の中、忠夫はトータル4オーバー。予選で知り会った中岡は3オーバーでした。2日目、忠夫はトータル3オーバー。3日目、飯田は忠夫のショットの正確さを誉め、トータル3オーバー。プロテストを受けるのは今回が最後という中岡はトータル7オーバーで、合格ラインの1~2オーバーに届くには絶望的だと頭を抱えますが、忠夫は崖にしがみつくのを止めて楽しめと言い、2人で奇跡を起こそうと励まします。最終日、忠夫と回れて楽しかったと飯田は言い、17番が終わってトータル2オーバー。18番で林に打ち込み忠夫は諦めかけますが、枝と枝の間のわずかな隙間に打つように飯田は言い、忠夫は見事にそこへ打ってフェアウェイに球を戻し、難しいパットも決めて合格となります。中岡も2オーバーで合格し、忠夫は「ありがとう」と手を合わせます。合格の電話をもらい泣く妻。忠夫は震災で死んだ仲間に、これからも感謝の気持ちを忘れずに生きていくことを誓うのでした。

 映像を見ていても、万田さんらしさがあまり感じられない映画だと思いました。

 →「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/