gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

ヴィンセンテ・アモリン監督『善き人』

2014-02-22 12:54:00 | ノンジャンル
 ヴィンセンテ・アモリン監督の'07年作品『善き人』をDVDで見ました。
 “1937年4月”の字幕。大学教授のジョンは総統官邸に呼ばれ、彼の著作のテーマの“生きる権利”が国家社会主義に適したものだと判断されたと言われます。
 “1933年5月”の字幕。ジョンは姉弟の世話をしながら夕食の支度をし、義父からはナチへ入党しなければ昇進できず失業することになると言われます。失禁する母の世話もするジョン。プルーストの授業を大学でしていると、中庭で焚書が始まります。学部長は、学部長として禁じた作家の本を図書館から排除することにし、君もプルーストを授業で取り上げるなと言います。ある夜、教え子のアンが訪ねてくると、ジョンは不治の病の妻を愛するゆえに男が殺す小説を書いていると語ります。同僚でユダヤ人のモーリスはヒトラーの悪口を言い、ジョンもまもなく失脚するだろうと言います。ジョンは再び総統官邸に呼ばれ、不治の病の身内を持つ者から何通かの手紙が総統宛に届き、苦痛から解放されるため君の論文が必要だと言われます。ただまだ入党していない点を指摘され、答えに窮するジョン。アンはまた夜にジョンを自宅に訪ね、誘惑し、やがてアンの存在は妻のヘレンに知られます。ジョンは行動する自分は想像できないと言って入党を断り続けますが、優秀な人材を入党させたいので、肩書きだけの名誉党員でいいと党は言い、ジョンは入党します。アンは愛人となり、ジョンが仕事のために借りた部屋に入り浸り、訪ねてきたモーリスはお前がいなくてヘレンがおかしくなってると言います。ジョンは母を家から連れ出し、彼女の希望で家政婦をつけて独り住まいさせます。海水浴に行くジョンとモーリスとアン。アンが卒業するまでアンと寝ないと言うジョンを冷やかすモーリス。ジョンは昇進して学部長になったと言いますが、彼の入党を知ったユダヤ人のモーリスは憤慨して去ります。
 “1938年10月”の字幕。映画化されるジョンの小説。アンを妻としたジョンは、モーリスを訪ねると、ドアに“ユダヤ野郎”と落書きされたモーリスは、出国許可証とパリまでの切符の入手をジョンに頼みます。駅で切符売り場に並んでいると、親衛隊に気付かれ、パリまでの往復切符と言うと、国外逃亡のジョークか?と言われ、母がいるブランデンブルグへの往復を買うジョン。母は重病で家政婦の姿もなく、自殺未遂を起こします。モーリスには金を返し、二人して闘った一次大戦の思い出話をし、ジョンは君は退役軍人だから捕まらないと言いますが、モーリスは関係ないと言います。母が亡くなり、母がヘレンに冷たかったことをジョンが謝ると、ヘレンは自分が義母の世話をしなかったのだと言い、自分も義母もジョンに頼りすぎていたのだと語ります。ヘレンはピアノ教室を始めると言い、料理も習ったと言います。ジョンは子供たちの自慢の父だとヘレンが言うと、ジョンは僕は裏切り者だと言います。不治の病の病人たちを収容する病院を訪ねるジョン。ある夜、ユダヤ人がパリ駐在の書記官フォム・ラートを撃ったという知らせが入り、死ねば明晩のユダヤ人は地獄行きだとナチは言います。ジョンは出札係を脅してパリまでの切符を入手し、留守だったモーリスの家のドアに置き手紙をすると、ラートが死んだというニュースが流れ、召集を受けたジョンは、パリへの切符と出国許可証をアンに渡し、モーリスが来たら必ず渡すように言います。町で行なわれるユダヤ人狩り。帰宅するとアンはモーリスは来なかったと言います。
 “1942年4月”の字幕。モーリスとの交流について尋問されるジョン。ジョンがユダヤ人の見地からユダヤ人問題の論文を書いているとして、戦時中は我々への理解も示してほしいとナチに言われます。現在ユダヤ人の再移住計画を策定中で協力してほしいと言われたジョンは、その最新設備を見て、試しにモーリスの行方を検索させると、シレジアへ移送されていました。シレジアを訪れたジョンは、モーリスを探そうとしますが、到着時10人に9人は処分し、2ヶ月も生き残る者はいないので、探すのは不可能と言われ、収容所の中をジョンは歩き回りますが、その悲惨な風景の中で、囚人の楽団が音楽を演奏しているのを見て、立ちすくみます。そして新たな到着者をカメラが俯瞰で捕えて、映画は終わります。

 “ショット”という点からも“演出”という点からも、あまり見どころのない映画だと思いました。

 →「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/