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大島渚監督『儀式』

2014-02-08 10:19:00 | ノンジャンル
 大島渚監督・共同脚本の'71年作品『儀式』をWOWOWシネマで見ました。
 マスオ(河原崎建三)と律子は、自分たちが儀式でしか会えない親戚だと語ります。マスオの父の一周忌で集まった親戚。マスオの一家は満州にいて、父は人足先に帰国しますが自殺し、引き上げ時にマスオの弟も死にます。父の腹違いの弟の勇(小松方正)は共産主義者で、マスオは大人は皆戦争犯罪人だと思っています。祖父(佐藤慶)は嫁に来た娘をすべて自分の物にしてきたという噂があります。
 地面に耳をつけて音を聞くマスオ、満州でまだ息のある弟を埋めてきたので、その音がすると言い、従兄妹のテルミチと律子もマネをしますが、何も聞こえません。この話はここの3人だけの秘密だと語るマサオは、満州で野球を教えてもらったと言い、マスオがピッチャー、テルミチがキャッチャー、律子がバッター、節子おばさん(小山明子)が応援役で三角ベースをしますが、律子のバットは空振りばかりです。
 大会で失投をした瞬間に母が死に、母の死に目に会えなかったマスオ。祖母(乙羽信子)はテルミチの教育のために別居してきたので、家に戻る気はないと言います。野球用具を燃やすマスオに節子はグローブを欲しいと言い、マスオの父の遺書もマスオが成人したら渡すと言います。節子は祖父が、わが子が愛している女を自分の女にすると責め、マスオの父と自分が愛し合っていたと話すと、祖父は最後の決着をつけようと、祖父の最初の恋人だった節子に手を延ばします。そこに現れたテルミチ(中村敦夫)が見物させてもらうと言うと、祖父は去り、その後、テルミチは節子に初体験の相手になってもらいます。一方、満州でマスオの父が節子に何度か会いに来たことをマスオに教えてもらうと、律子は自分たちは兄妹かもしれないと言い出し、キスしてとマスオに言うと、マスオは額にではなく唇にキスします。
 結婚式の酒宴。一人ずつ歌を披露し、祖父が途中で歌につまると節子が先を歌います。花嫁はインターナショナル、律子は芸者ワルツ、テルミチは中国の馬族の歌を歌い、最近中国の監獄から解放されて帰国した進(渡辺文雄)の息子・正は軍歌を歌った後、8歳から会っていない父に向かって、中国で自己批判させられたのは本当かと迫ります。昭和31年のことでした。
 正は深酒し、父を殺してやるとテルミチに日本刀を借りますが、死にたがっているのは節子だとマスオは言います。テルミチとマスオは祖父と節子の関係を話し、マスオは節子の気持ちが知りたいと、眠る節子の顔を見に行きます。やがてテルミチは祖父の形ばかりの秘書となり、マスオは野球の世界に戻っていきます。
 翌朝、裏山で節子が日本刀で刺されて死んでいるのが見つかり、祖父の意見で自殺として処理されます。
 マスオはやがて祖父の決めた相手と結婚することになりますが、花嫁が当日急性盲腸炎になり、花嫁抜きで結婚式が行われます。警官になっていた正は制服で参加し、国家改造論を読み上げて会場からつまみ出され、その直後、交通事故で死にます。マスオは羽織りを枕にまいて、皆の見ている前で初夜のまねごとをし、祖父にもからみ、テルミチは祖父に「初夜まで責任を持て」と言います。次に棺から正の死体を出して、代わりに自分が入るマスオは、律子に求婚すると、律子は自分はもう初夜を済ませたと言います。
 祖母が亡くなり、10年ぶりに会うマスオと律子。その後、「『テルミチシス』テルミチ」という電報が届き、マスオと律子は島に着くと、小屋の戸はすべて釘付けされていました。たたき壊して中に入ると、そこには祖父の死を報じる新聞と遺書とテルミチの死体だけがありました。遺書には「真に桜田家を継ぎうる者は僕だけだ。僕は自らを殺すことによって、桜田家を滅ぼす」と書いてあり、葬式をするためにマスオは東京に帰ろうとすると、律子はここで死ぬので見届けてほしいと言います。マスオが外へ飛び出すと、幼い頃のテルミチと律子と節子おばさんが、マスオがボールを投げるのを待っていました。石を投げたマスオは打たれ、落ちた辺りにいくと本物のボールが落ちています。マスオはボールをどかして地面に耳をつけるのでした。

 人間関係が複雑で、時制も突然に変わるので戸惑いましたが、何とか見終えることができました。大人の女性になぜか眉がないのが気になりました。

 →「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/