私の4才の孫がメトロポリタン美術館で開催されたエジプト展の割引券の絵を見て、
アラビア!
と言うのです。母である娘は
これは、エジプトよ。
と正しました。
でも、ふと我々は考えさせられました。
アラビアって何?
アラビアはアラブ諸国の総称です。エジプトはその一部。そうなのです。孫の言葉はまちがっていなかったのです。我々大人は固定観念にとらわれがち、子供の一言ではっとさせられました。
そういえば、以前、姫路城のサマのことを質問した小学生の話を、学芸員している従兄弟が話してくれたことを思い出しました。サマは敵がせめて来たとき鉄砲を出して狙う塀に開けた穴のことです。
小学生は
実際に鉄砲入れたら、向こうが見えず、狙うのがむずかしいのではないですか?
という質問をしたそうです。
それで、もしかして、姫路城のサマは、実践的なものではなく、装飾的な要素の方が強いのではと思い始めたのだそうです。
専門知識を持たない人の何気ない素直な言葉は、力をもっていることを再認識させられます。