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浜田靖一防衛相は、北朝鮮が日本を攻撃するための核兵器をすでに開発しており、日本のミサイル防衛(MD)システムで迎撃するのは困難だと認めた。

2022-10-16 | 3・1独立運動の伝統を受け継いで
 

日本防衛相「北朝鮮、日本を射程に収める核兵器をすでに実現」

登録:2022-10-14 23:34 修正:2022-10-15 14:40
 
 
北朝鮮の金正恩国務委員長が先月25日から今月9日まで、人民軍戦術核運用部隊・長距離砲兵部隊・空軍飛行隊の訓練を視察したと、「朝鮮中央通信」が10日付で報じた。当時、北朝鮮が公開した砲兵訓練の写真/中央通信・聯合ニュース

 浜田靖一防衛相は、北朝鮮が日本を攻撃するための核兵器をすでに開発しており、日本のミサイル防衛(MD)システムで迎撃するのは困難だと認めた。

 浜田防衛相は13日、北朝鮮の核・ミサイル技術について、「北朝鮮は少なくとも、ノドン、スカッドERといった我が国を射程に収める弾道ミサイルに搭載して攻撃するために必要な核兵器の小型化、弾頭化などをすでに実現しているものとみられる」と述べた。さらに「超音速核滑空兵器等の新たな脅威のなかには、従来の装備品では対処困難と指摘されるものもある」として、「同時にミサイルが飛来した場合には、全部、確実に落とし得るとはなかなか言えない」と述べた。 北朝鮮のミサイルを完全に迎撃できないことを認めたのだ。また「『反撃能力』(敵基地攻撃能力)の保有を含め、あらゆる選択肢を排除せずに検討し、その可能性を追求していく」と強調した。

 北朝鮮の7回目の核実験については「北朝鮮が核実験場の復旧作業を進めている」とし、「北朝鮮が核実験を実施するための準備が整っている可能性がある」と述べた。現在、北朝鮮は豊渓里(プンゲリ)核実験場の3番坑道を復旧し、7回目の核実験の準備を完了した状況だ。これを強行するかどうかをめぐり、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の最後の判断を待っているものとみられる。

 浜田防衛相は14日、北朝鮮が再び弾道ミサイルを発射すると、「北朝鮮の行動は日本や地域および国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できない」と述べた。北朝鮮の意図については、「北朝鮮は米国の脅威に対抗して体制を維持するために、独自の核抑止力が必要だと主張している。そうした観点から、核兵器運搬手段である弾道ミサイルの開発と運用能力の向上に注力しているものと考えられる」と述べた。

東京/キム・ソヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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南北主導で朝鮮半島の平和を構築していくべきだと繰り返し強調したのだ。

2022-09-22 | 3・1独立運動の伝統を受け継いで

文前大統領「南北合意、政権変わっても当然履行すべき」

登録:2022-09-19 01:47 修正:2022-09-19 06:58
 
平壌共同宣言4周年記念討論会控えて書面で祝辞
 
 
2018年9月19日、平壌の百花園迎賓館で平壌共同宣言合意書に署名した後、発言する文在寅前大統領=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)前大統領が平壌共同宣言と9・19南北軍事合意4周年を迎え、「対話がなければ平和もない」とし、「我々自ら朝鮮半島の平和を築く主導者となり、揺ぎなく進めてこそ、一歩でも前進できる」と述べた。文前大統領が退任後初めて出した公式メッセージであり、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が北朝鮮核関連の国際協力を掲げた「大胆な構想」を示した中、南北主導で朝鮮半島の平和を構築していくべきだと繰り返し強調したのだ。

 共に民主党のユン・ゴニョン議員は18日、報道資料を出して、このような内容を盛り込んだ文前大統領の祝辞を公開した。9・19南北軍事合意4周年記念討論会を翌日に控えて発表した書面での祝辞で、文前大統領は「7・4南北共同声明(1972年)や南北基本合意書(1991年)、6・15南北共同宣言(2000年)、10・4南北共同宣言(2007年)、板門店宣言(2018年)、平壌共同宣言(2018年)などはいずれも厳しい環境の中でも易地思之(相手の立場に立って考えてみること)し、虚心坦懐な対話と交渉を通じて作り上げた歴史的合意」だとしたうえで、「政権が変わっても当然尊重し、履行しなければならない約束」だと強調した。また、「不信の壁が高く、外交安全保障状況が容易ではないのが今の現実だが、我々が状況を悲観せず、主導的立場で乗り越え、切り抜けていく時、初めて平和の道に進むことができる」と呼びかけた。さらに、北朝鮮に対しても「繰り返された合意を見捨ててはならない」と求めた。

 文前大統領は祝辞で、「南と北が初めて非核化案に合意し、非核化に進む実質的なロードマップを提示した」として、当時の合意を評価した。また、その翌年の2019年2月、ハノイで開かれた朝米首脳会談の決裂後、南北関係が膠着局面に入ったことを振り返り、「朝鮮半島に平和を制度化すること、持続可能な平和を定着させることがどれほど困難な課題なのかを痛感させられた」と明らかにした。

 退任後、4カ月以上国内外の情勢に関して発言を控えてきた文前大統領が公式メッセージを出したことで、今後、南北問題をはじめとする懸案に声を上げるかどうかに関心が集まっている。ユン・ゴニョン議員は本紙に「平和問題については与野党がない。前任の大統領として必要な役割があれば当然果たすと思うが、今後については予想できない」と述べた。

 一方、民主党のイ・ジェミョン代表は同日公開された祝辞で、「対北朝鮮強硬論と先制打撃論を主張した尹錫悦政権発足後、朝鮮半島をめぐる軍事的緊張の波が急激に高まった。朝鮮半島の平和の時計が2018年以前に完全に巻き戻された」とし、尹政権の対北朝鮮政策を強く批判した。さらに、「高くついても、戦争をして勝つより平和が望ましい」とし、「平和を守ることを越えて、平和を作り上げ、また築いていける実用的で創意的な戦略を駆使しなければならない」と強調した。

オム・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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岸田内閣と自民党の支持率が落ち込んだのは、旧統一教会問題と安倍元首相の国葬を強行したのが直接的な原因だ。

2022-09-21 | 3・1独立運動の伝統を受け継いで

岸田首相、支持率20%台に低下…

旧統一教会・安倍元首相国葬の「ブラックホール」

登録:2022-09-20 06:34 修正:2022-09-20 07:09
 
毎日新聞の世論調査で支持率29%…1カ月で7ポイント低下 
安倍元首相の国葬に「反対」62%、旧統一教会関連対応「不十分」72% 
国連総会での韓日首脳会談、略式会談の可能性高まる
 
 
                        岸田文雄首相=首相官邸のホームページよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 岸田文雄首相の支持率が20%台まで落ち込んだ。自民党と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との癒着疑惑に安倍晋三元首相の国葬問題など様々な悪材料が重なり、支持率が大幅に低下した。

 毎日新聞は、17~18日に電話世論調査(回答者1064人)を実施した結果、岸田内閣の支持率が29%で、1カ月前の調査(36%)より7ポイントも下がったと19日報じた。支持率が30%を切ったのは昨年10月の岸田政権発足以降初めて。不支持率は64%で、直前の調査(54%)より10ポイント増加した。

 政権与党である自民党の支持率も23%で、前回より6ポイント低下した。現在の方法で調査を開始した2020年4月以降最低水準だった。岸田内閣と自民党の支持率が落ち込んだのは、旧統一教会問題と安倍元首相の国葬を強行したのが直接的な原因だ。

 旧統一教会関連問題をめぐる岸田政権の対応については、72%が「評価しない」と答えた。「評価する」という回答は12%にとどまった。自民党が自主的に実施した旧統一教会と所属国会議員の関係調査に対しても「不十分だ」という回答が76%で、「十分だ」(14%)を大幅に上回った。

 自民党は8日、旧統一教会と接点があった国会議員が全体所属議員(381人)の半分に近い179人に達すると発表した。自民党は先月下旬、所属議員に旧統一教会との関係を今月2日までに自己申告するよう指示した。しかし、調査発表後も新たに旧統一教会と関係のある議員の事例が出ており、自民党の独自調査に不信感が高まっている。自民党が調査対象から除外した安倍元首相と旧統一教会との関係についても、回答者の68%は調査すべきだと答えた。

 今月27日、東京の武道館で予定されている安倍元首相の国葬に対する世論も冷ややかだ。国葬に反対する世論は62%で、賛成(27%)より2倍以上多い。1カ月前の調査(53%)より反対が9ポイント増加するなど、反対世論がますます高まっている。年齢層が上がるほど国葬に反対する声が高かった。18~39歳は反対が約50%台にとどまったが、40~60代では60%、70代以上では70%に達した。岸田首相が8日、衆参両院で国葬の必要性を訴えたが、世論を変えることはできなかった。

 岸田首相の支持率低下で、20日からニューヨークで開かれる国連総会を機に予定された韓日首脳会談も短時間の略式会談にとどまる可能性が高くなった。韓日の間で「公式会談に合意した」、「決まっていない」と不協和音が生じる中、岸田首相が韓国に譲歩する形をとるのは容易ではないからだ。日本のマスコミでも「両首脳が対面しても短い会談にとどまる可能性が高い」という報道が出ている。

東京/キム・ソヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が15日の光復節77周年の祝辞で言及した韓日関係に関する内容は、異例なものだ。両国間の中心懸案について、日本側に新たな提案や要求をするのではなく、・・・

2022-08-17 | 3・1独立運動の伝統を受け継いで

尹大統領、日本に過去の歴史に言及せず「未来に進もう」

登録:2022-08-16 06:56 修正:2022-08-16 08:17
 
新たな対日提案・要求をせず、関係改善の正当性のみ言及 
「自由の脅威に対抗し、力を合わせなければならない隣国」 
「未来と時代的な使命に向けて進まなければならない」 
過去の歴史に言及せず、「金大中・小渕宣言を継承」
 
 
尹錫悦大統領が15日、ソウルの龍山大統領室庁舎の芝生広場で開かれた77周年光復節慶祝式で祝辞を述べている/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が15日の光復節77周年の祝辞で言及した韓日関係に関する内容は、異例なものだ。両国間の中心懸案について、日本側に新たな提案や要求をするのではなく、国民世論に向けて両国関係改善の正当性だけを強調したからだ。

 尹大統領はこの日の祝辞で、日本を「世界市民の自由を脅かす挑戦に立ち向かい、ともに力を合わせていくべき隣国」だと規定した。さらに「韓日関係が普遍的価値を基盤として両国の未来と時代的使命へと向かってゆく時、歴史問題もきちんと解決される」と述べた。「未来」と「時代的使命」が「歴史の解決」に優先するという意味だと読み取れる。

 問題は韓日関係の現実だ。2015年の韓日「慰安婦」合意履行の失敗に加え、2018年には韓国最高裁による日帝強占期(日本による植民地時代)の強制動員被害者への賠償判決が出たことで、両国関係は「国交正常化以来最悪」へと進んだ。特に日本側は、最高裁の判決を「国際法違反」だとして輸出規制に乗りだす一方、「韓国が解決策を持ってくるべき」という主張ばかりを繰り返してきた。

 その間、韓国政府は、「(強制動員への賠償判決を受けた日本企業の韓国内資産の)現金化は、韓日関係の破綻を意味する」という日本側の主張をそのまま繰り返し、先月末には、現金化を防ごうと最高裁の担当裁判部に意見書まで提出している。しかも、強制動員賠償判決の履行のための加害戦犯企業の韓国内資産の現金化(強制売却)が、目前に迫っている状況だ。にもかかわらず、尹大統領は、祝辞でそれについてはまったく言及しなかった。

 尹大統領とは違い、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は、最高裁の賠償判決と日本の一方的な輸出規制措置後の3年間、光復節の祝辞のたびに、過去の省察(2019年)▽強制動員被害者の人権を尊重(2020年)▽普遍的価値に合う行動と実践(2021年)などを強調する対日メッセージを発信した。

 尹大統領はこの日、韓日関係の「早期の回復と発展」の方法論として、「韓日関係の包括的な未来像を提示した金大中(キム・デジュン)‐小渕共同宣言の継承」を挙げた。尹大統領は大統領候補時代から、文在寅政権の対日外交の失敗を批判し、「共同宣言の継承」を強調してきた。過去の問題と安全保障・経済問題を分離する、いわゆる「ツートラック・アプローチ」を対日外交の基本方針にした文在寅政権について、「過去の歴史に執着し、未来志向的に進むことができなかった」という主張をするためだった。

 共同宣言の核は二つある。一つ目は、小渕元首相は日本の植民地支配により韓国国民に多大な苦痛を与えた事実を認め、韓国と日本の外交史上、初めて「痛切な反省と心からのお詫び」をした。二つ目は、それに基づき、金大中元大統領は「未来志向的に進むために互いに努力しよう」と応じた。

 しかし、安倍晋三元首相に象徴される日本政界の右傾化のなか、「痛切な反省とお詫び」は明確に変わった。最高裁の強制動員賠償判決に対する日本側の対応が、それをそのまま示している。日本側はこの日も、岸田文雄首相が政権与党の自民党総裁の名義でA級戦犯が合祀されている靖国神社に玉串料を奉納し、高市早苗経済安全保障担当相ら現職閣僚が直接参拝した。単に「未来志向」だけを前面に出す状況ではないということだ。

チョン・インファン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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集会は、経済団体の会合での講演や改憲右翼団体の日本会議や自衛隊・関係団体との共催などさまざまな形で行われています。こうした集会は6日時点で少なくとも27都道府県で行われ、4500人以上が参加

2022-08-15 | 3・1独立運動の伝統を受け継いで

自民が改憲集会活発化

発議に向け世論喚起狙う

 自民党は、岸田文雄首相のもとで憲法改正推進本部を「実現本部」(本部長・古屋圭司政調会長代行)に改組し、2月に“実動部隊”の「タスクフォース(TF)」を発足させました。各地で改憲研修会や集会などを開催し、改憲発議に向けて国民世論を喚起し、国会での改憲論議の加速を狙っています。

 集会は、経済団体の会合での講演や改憲右翼団体の日本会議や自衛隊・関係団体との共催などさまざまな形で行われています。こうした集会は6日時点で少なくとも27都道府県で行われ、4500人以上が参加しています。

 6月から7月にかけての参院選の運動と一体にとりくまれたことも特徴です。自民党青年部・青年局は6月5日、全国約160カ所で安全保障や憲法などをテーマに一斉街頭行動を実施。茂木敏充幹事長や高市早苗政調会長(当時)などの党役員が訴え、参院選候補者も参加しました。

 選挙後も、柴山昌彦元文科相(自民党憲法改正副本部長)が県連主催の政治塾で講演(山梨、7月30日)するなど、草の根での動きを強めています。

 参院選の結果、衆参両院で自民、公明、日本維新の会、国民民主など軍拡と改憲を推進する「翼賛体制」が強まりました。これを受けて、岸田首相は「できる限り早く(憲法改定の)発議に至るとりくみを進めていく」と宣言し、9条改憲への策動を加速させています。

 「九条の会」事務局は7月29日に声明を発表し、「憲法9条とそれに基づく日本の社会が最大の危機を迎えている」とし、対話・署名・宣伝など、「草の根から市民の共同で憲法を守り、生かす取り組みをすすめること」を呼びかけています。

 9条改憲の発議を阻止するために、政治的立場の違いを超えて力を合わせるときです。

主な改憲集会の講師(役職は当時)

千葉 佐藤正久元外務副大臣、青山繁晴氏

東京 下村博文元文科相

神奈川 木原稔憲法改正実現本部事務総長代行、松本尚氏、産経新聞「正論」執筆メンバー、山谷えり子元国家公安委員長

富山 有村治子氏、山田賢司氏

石川 新藤義孝元経産副大臣

山梨 柴山昌彦元文科相

長野 新藤義孝氏、上月良祐内閣官房副長官秘書官

岐阜 古屋圭司氏

静岡 柴山昌彦氏

愛知 新藤義孝氏、熊田裕通元総務副大臣

三重 杉田水脈氏、稲田朋美元防衛相

滋賀 青山繁晴氏

京都 高市早苗政調会長

大阪 杉田水脈氏

奈良 古屋圭司氏

鳥取 杉田水脈氏

島根 加藤勝信前官房長官

岡山 山下貴司元法務相、岩屋毅元防衛相

山口 安倍晋三元首相

愛媛 山下貴司氏

佐賀 新藤義孝氏

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「国民の生命と財産を守るためには、核兵器をなくす以外に根本的解決策は見いだせない」として「来年広島で開催されるG7サミットに出席する為政者にはこのことを強く期待します」と

2022-08-07 | 3・1独立運動の伝統を受け継いで

日本は禁止条約参加を

平和式典 広島市長「宣言」で訴え

 広島市主催の平和式典は平和記念公園で行われ、被爆者や遺族、市民、内外の政府・政党関係者らが参列しました。

 松井一実市長が「平和宣言」を行い、「核兵器による抑止力なくして平和は維持できないという考えは、これまでの戦争体験から、核兵器のない平和な世界の実現を目指すこととした人類の決意に背くこと」だと強調。「国民の生命と財産を守るためには、核兵器をなくす以外に根本的解決策は見いだせない」として「来年広島で開催されるG7サミットに出席する為政者にはこのことを強く期待します」と述べました。

 日本政府にたいして、次回の核兵器禁止条約締約国会議に参加し、一刻も早く締約国となることを強く求めました。

 国連のアントニオ・グテレス事務総長があいさつし、核兵器禁止条約の締約国が6月に初めて集い、核兵器のない世界にむけたロードマップを策定したと指摘。「核保有国は、核兵器の“先制不使用”を約束し、非保有国にたいしては核兵器を使用しないこと、使用すると脅迫しないことを保証すべきだ」と語りました。

 岸田文雄首相があいさつし、「非核三原則を堅持しつつ、『厳しい安全保障環境』という『現実』を『核兵器のない世界』という『理想』に結びつける努力を行ってまいります」と述べたものの、核兵器禁止条約やNPT第6条に基づく核保有国の軍縮義務にはいっさい触れませんでした。

 式典では、77年前に米国が原爆を投下した午前8時15分に起立・黙とう。市内の小学生2人が「平和への誓い」を読み上げました。

 この1年間で亡くなった被爆者4978人の名簿が奉納され、犠牲者は33万3978人となりました。

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1592年夏、鉄甲船を補強した脇坂は、李舜臣を捕らえて明に渡るために出征する。閑山島沖で李舜臣と水軍は、かの有名な鶴翼の陣で敵を迎え、朝鮮の命運をかけた至上最高の海戦を繰り広げる。

2022-07-22 | 3・1独立運動の伝統を受け継いで

スクリーンに返ってきた李舜臣…

壬辰倭乱が題材の映画『閑山』、27日公開

登録:2022-07-21 10:59 修正:2022-07-21 12:27
 
キム・ハンミン監督『閑山:龍の出現』27日公開 
倭軍に対抗した鶴翼の陣海戦の勝利を題材に 
「勇将」よりも「知将」の面貌にフォーカス 
パク・ヘイル、李舜臣の苦悩・気品を見せ 
亀甲船の活躍、カタルシスを与える
 
 
キム・ハンミン監督のアクション大作『閑山:龍の出現』スチールカット=ロッテエンターテインメント提供//ハンギョレ新聞社

 韓国版『トップガン』の帰還。

 今月27日に公開されるキム・ハンミン監督の映画『閑山(ハンサン):龍の出現』(以下『閑山』)は、スペクタクルなアクションで勝利の歴史を描いたという点で、前作『バトル・オーシャン 海上決戦(原題:『鳴梁(ミョンリャン)』、以下『鳴梁』)」(2014)に続く韓国型ブロックバスターの典型だ。韓国がつくる韓国ならではの『トップガン』が『閑山』というわけだ。

 1592年4月、壬辰倭乱(文禄の役)勃発から半月で漢陽が陥落。王は平壌に逃れ、倭軍は王を追って北進する。朝鮮を占領した倭軍の次の目的地は明。釜山浦に陣を敷いた敵は、民を動員して倭城を築く。城内では敵が沸き立ち、その士気は天を突く勢い。朝鮮の国運は尽きたかのように思える。王は義州に再び避難し、水軍統制使の李舜臣(パク・ヘイル演返す圧倒的な海戦を図る。

 敵の首長の脇坂安治(ピョン・ヨハン演)は、間者を通じて倭軍が恐れた亀甲船の図面を手にする。李舜臣は朝廷の助けもなく、兵力の劣勢を乗り越える戦い方に腐心する。1592年夏、鉄甲船を補強した脇坂は、李舜臣を捕らえて明に渡るために出征する。閑山島沖で李舜臣と水軍は、かの有名な鶴翼の陣で敵を迎え、朝鮮の命運をかけた至上最高の海戦を繰り広げる。

 
 
キム・ハンミン監督のアクション大作『閑山:龍の出現』スチールカット=ロッテエンターテインメント提供//ハンギョレ新聞社

 『閑山』は、56隻の朝鮮の船が73隻の倭の船のうち47隻を撃破し、倭軍1万人余りを戦死させ、壬辰倭乱当時最初に圧倒的な勝利を収めた「閑山島大勝」を映画化した作品だ。これに先立ち、キム監督は李舜臣3部作プロジェクトを準備し、閑山海戦で「知将」、鳴梁海戦で「勇将」、鷺梁海戦で「賢将」であった李舜臣を描きたかったと明らかにしている。

 『閑山』は、時代的には『鳴梁』の前史に当たるが、海上戦闘シーンの巨大なスケールから来るスペクタクルな快感は『鳴梁』を凌駕する。特に、鶴翼の陣戦術を具現化したシーンと、『鳴梁』には登場しなかった亀甲船の大活躍がカタルシスを与える。「乱中日記」に閑山島大勝が起きた時の記録が残っていないなど難しい条件の中でも、キム監督と制作陣は鶴翼の陣の演出と亀甲船の具現化に特に力を入れたという。

 
 
キム・ハンミン監督のアクション大作『閑山:龍の出現』スチールカット=ロッテエンターテインメント提供//ハンギョレ新聞社

 19日、ソウル松坡区(ソンパグ)のロッテシネマ・ワールドタワーで開かれた記者懇談会で、キム監督は『鳴梁』と『閑山』の違いを説明した。「『鳴梁』の時は実際に海に船を浮かべたが、『閑山』は海に船を全く浮かべずに(コンピューターグラフィックで)撮影した。それだけノウハウも積もり、技術も発展した」とし「非常に統制された環境で撮影したが、それは鶴翼の陣をきちんと具現化するためだった。『鳴梁』の礎石があったからこそ『閑山』が可能だったと思う」とキム監督は述べた。『閑山』の海上戦闘シーンは、平昌冬季五輪の時に使用された江陵(カンヌン)スピードスケート競技場に建てた映像特殊効果(VFX)セットで撮影し、オープンセットは全羅南道麗水(ヨス)の山奥に作って撮影したという。

 
 
キム・ハンミン監督のアクション大作『閑山:龍の出現』スチールカット=ロッテエンターテインメント提供//ハンギョレ新聞社

 パク・ヘイル、ピョン・ヨハン、キム・ソンギュ、アン・ソンギ、ソン・ヒョンジュ、キム・ソンギュン、キム・ヒャンギ、オク・テギョン、パク・チファン、チョ・ジェユンなど超豪華キャストを誇る『閑山』は、多様なキャラクターが登場するにもかかわらず、話の流れが複雑ではない。ここに俳優たちの好演が劇的な緊張を加える。『鳴梁』で李舜臣を演じたチェ・ミンシクとは異なり、柔弱なイメージが強かったパク・ヘイルは、40代後半の李舜臣が持っていたであろう苦悩と気品を完全に表現した。無表情な彼の顔には「希望のない世界を希望なく突破する」李舜臣の悲しみと疲労が色濃くにじみ出ているようだった。パク・ヘイルは記者懇談会で「『閑山』の李舜臣は、水のようにどこに混ざってもそのイメージが同じでありたいと思った」とし、「李舜臣よりも李舜臣の周りの俳優たちの存在感があらわれる形で演じた」と明らかにした。

 
 
キム・ハンミン監督のアクション大作『閑山:龍の出現』スチールカット=ロッテエンターテインメント提供//ハンギョレ新聞社

 李舜臣の相手役である脇坂安治に扮し、自ら日本語で演じたピョン・ヨハンの演技の変身も目を引く。キャラクターに集中するため体重を増やしたというピョン・ヨハンは、日本で実際に使う時代劇のトーン(古語)を現地人の指導を受けて学び演じたという。ピョン・ヨハンは記者懇談会で「映画では向かい合って戦っているが、現場では各自撮影するため、パク・ヘイルとは撮影現場より刺身屋でよく会った」と裏話を語った。これに対しパク・ヘイルは「水軍だから海鮮をたくさん食べた」とジョークで返し、笑いを誘った。

オ・スンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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戦争を起こさないための外交戦略を欠いたまま、軍事費を国内総生産(GDP)比2%に高めることが日本を守る唯一の道だとはやしたてます。際限ない軍拡競争へと東アジアを引きずり込む危険な姿勢があらわ

2022-06-27 | 3・1独立運動の伝統を受け継いで

自民幹部・候補が軍拡大合唱

 安倍晋三元首相はじめ自民党の幹部や参院選候補者が、ウクライナ危機を口実とした大軍拡論を声高に唱えています。戦争を起こさないための外交戦略を欠いたまま、軍事費を国内総生産(GDP)比2%に高めることが日本を守る唯一の道だとはやしたてます。際限ない軍拡競争へと東アジアを引きずり込む危険な姿勢があらわになっています。


写真

 安倍氏は公示日(22日)の東京・立川駅前の演説で、ロシア、中国、北朝鮮を日本の「脅威」と名指しし「防衛力を格段に、思い切って増強していく必要がある」と主張。自衛隊を憲法に明記するためにも参院選で勝たなければならないと訴えました。

 同氏は24日の福岡県小倉駅前で「ウクライナはNATO(北大西洋条約機構)に入っていたら安全だった」と軍事同盟を美化。米国の戦争に日本が巻き込まれる安保法制=戦争法を「集団的自衛権を行使し合えるようになれば安全だ」とさかさまに描きました。マイクをついだ自民党の北九州市議が「(ロシアのプーチン大統領は)ウクライナの次どこを狙うか。日本に来るのではないか」と危機をあおる場面も。

「国防は福祉だ」

 茂木敏充幹事長は津市での公示日第一声で「防衛費いま5兆円で、これを来年度は6兆円台半ばまで持っていく。5年以内にはGDP比2%を踏まえた予算水準を確保していく」と演説。23日の山梨県都留市では、軍拡に反対する日本共産党を名指しし「安全保障環境が大きく変化しているのに、極めて鈍感だ」と攻撃しました。

 自衛隊出身の佐藤正久外交部会長は23日、東京都の陸上自衛隊練馬駐屯地前で同じく自衛隊出身の同党比例候補の応援に立ち「きょうのウクライナを明日の日本にしては絶対にいけない」「他のG7(主要7カ国)諸国がGDP2%目標のとき、日本だけがならないでは通じない」「国防は最大の福祉だ」などと絶叫しました。

「お国あっての」

 きなくさい発言は候補者からも。静岡選挙区の若林洋平候補は、公示日第一声で「お国あっての静岡、お国あっての35市町、みなさんの暮らしだ。国民一人ひとりが国を守る気概を」と戦中を思わせる“報国演説”。千葉選挙区の臼井正一候補は24日、「憲法9条の改正をまず真っ先にやらなければいけない」とし、改憲発議に向け改選議席の3分の2を自民党にと訴えました。

 神奈川選挙区の浅尾慶一郎候補は24日に横浜駅前で、「10年以上前から、いわゆる敵基地攻撃力といわれている反撃力を提唱してきた」と誇示。応援演説に駆け付けた岸田文雄首相は「これから安全保障について議論をしなければいけない大切なときに、浅尾なくしてこの議論を進めることはできない」と持ち上げました。

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大企業はアベノミクスで法人税の減税をはじめさまざまな優遇を受けて内部留保を130兆円も増やしました。大企業は円安の恩恵で利益を増やしています。アベノミクスで膨らんだ大企業の内部留保に課税し、・・・

2022-05-19 | 3・1独立運動の伝統を受け継いで

GDPマイナス

「成長しない国」から脱却急げ

 1~3月期の実質国内総生産(GDP)は年率換算で前期比1・0%減となりました。2期ぶりのマイナスです。新型コロナウイルスの感染拡大が影響しただけではありません。暮らしに冷たい政治のゆがみが根底にあります。岸田文雄政権は、物価高騰対策として補正予算案を閣議決定しましたが、まったく不十分です。新自由主義によって弱体化させられた経済を「やさしく強い経済」に立て直す大改革が急務です。

消費税減税・賃上げこそ

 GDPの5割以上を占める個人消費の落ち込みが大きく響きました。前期比年率で0・1%低下しました。オミクロン株の感染拡大によって1月後半から人出が大幅に減り、飲食、宿泊などのサービス消費が低調でした。

 同時に、日本がコロナ危機前から「成長しない国」になっていたことを直視する必要があります。今回発表された2021年度の実質GDPは実額537兆円でした。安倍晋三政権下の13年度から0・9%しか増えていません。主要国の中でも際立った停滞です。9年間にわたるアベノミクスが国民の負担を増やし、日本経済をもろいものにしたことは明らかです。

 労働法制の規制緩和は低賃金で不安定な非正規雇用を拡大し、多くの非正規労働者がコロナ危機で職を失いました。2度の消費税増税によって低所得者ほど重い負担を押し付けられました。日銀による「異次元の金融緩和」は株価をつり上げる一方、円安を加速させ、耐え難い物価高を起こしています。

 物価高は今後も消費の足を引っ張ることが確実です。緊急の対策とともに、アベノミクスで損なわれた経済の土台を立て直す改革に踏み出すことが欠かせません。

 個人消費の回復に最も効果がある対策は消費税率5%への減税です。民間シンクタンクからも、生活必需品の価格を抑制する消費税の税率引き下げが効果的な物価対策だと声が上がっています。

 「成長しない」現状を打開するためには賃金が上がるよう政治が役割を果たさなければなりません。最低賃金を全国一律に時給1500円に引き上げることは待ったなしの課題です。

 大企業はアベノミクスで法人税の減税をはじめさまざまな優遇を受けて内部留保を130兆円も増やしました。大企業は円安の恩恵で利益を増やしています。アベノミクスで膨らんだ大企業の内部留保に課税し、それを財源に中小企業の賃上げを思い切って支援することが決定的に重要です。

 医療費負担増や年金引き下げの中止、教育費の負担軽減も必要です。

補正予算案の出し直しを

 今回の補正予算案は一般会計の歳出総額が2兆7009億円ときわめて小規模です。しかも、支出項目をあらかじめ定めず、国会の議決なしに政府の判断で使用できる予備費が1兆5200億円です。「国民生活を守り抜くための万全の備え」(岸田首相)と言っても、施策を示さない予備費が半分以上では実質が伴いません。

 予算の使い道を事前に国会で審議することは民主主義の大原則です。岸田政権は、国民の暮らしと中小企業の営業を支える対策を明示した予算案を編成して出し直すべきです。

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キム副部長とパク秘書が談話の標的を「南朝鮮国防部長官ソ・ウクの危険な妄言」と「南朝鮮軍部による反共和国の対決狂気」に限定した事実に留意する必要がある。

2022-04-06 | 3・1独立運動の伝統を受け継いで
 

北朝鮮の金総書記の妹、談話で

「韓国の防衛相、先制攻撃の妄言…クズ、狂人、対決狂」

登録:2022-04-04 06:22 修正:2022-04-04 07:35
 
ソ・ウク長官「発射兆候見られれば、精密打撃する能力あり」発言に、キム・ヨジョン副部長が「談話」を発表 
「委任によって厳重警告」…ソ長官と「南朝鮮軍部」猛非難 
パク・ジョンチョン書記も談話発表…尹次期大統領の「先制打撃」発言を念頭に置いた可能性も 
 
 
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記兼国務委員長が「(平壌)中区域の瓊楼洞に立ち並ぶ普通江川岸の段々式住宅区を視察された」と、「労働新聞」が3日付、1-2面に13枚の写真を添えて報道した/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 朝鮮労働党中央委員会のキム・ヨジョン副部長が「南朝鮮(韓国)は、国防部長官という者が軽々しく吐き出した妄言のせいで、深刻な脅威に直面することもあり得る」とし、「我々は南朝鮮に対する多くのことを再考する」と述べたと、「労働新聞」が3日付で報じた。

 キム副部長は個人名義の「談話」で、「南朝鮮軍部が我々に対する深刻な水準の挑発的な刺激と対決の意志を表した以上、私も委任によって厳重に警告する」とし、このように述べた。「委任によって」という表現は公式的には「労働党中央委」、実質的には金正恩(キム・ジョンウン)労働党総書記兼国務委員長の「委任」による談話という意味だ。

 キム副部長は「1日、南朝鮮国防部長官は我が国に対する『先制打撃』という妄言を吐き出し、共和国に反対し対決しようとする狂気をあらわにした」としたうえで、「狂人」や「クズ」などと罵倒した。彼女は「核保有国に対し、『先制打撃』を軽々しく口にするなど、自分たちにとっても決して得にならない客気に駆られた言動を見せた」とし、「同じ民族に銃を向けたくてしかたがない対決狂」だと非難した。

 これに先立ち、ソ・ウク国防部長官は1日、陸軍ミサイル戦略司令部と空軍ミサイル防御司令部改編式に出席し、「(北朝鮮の)ミサイル発射の兆候が明確な場合、発射の原点と指揮・支援施設を精密打撃できる能力と態勢も備えている」と述べた。キム副部長はこれを「『先制打撃』妄言」と規定した。

 
キム・ヨジョン朝鮮労働党中央委副部長/朝鮮中央通信聯合ニュース

 パク・ジョンチョン労働党中央委員会書記もソ・ウク長官の発言を狙った「談話」を発表し、「我が軍部を代表し、一つだけ明確に警告する」とし、「もし南朝鮮軍が我が国を相手に先制攻撃のような危険な軍事的行動を敢行すれば、我が軍隊は総力をあげて、容赦なく、軍事的に最も強い力をソウルの主要標的と南朝鮮軍を壊滅させることに集中する」と明らかにした。パク党書記は、キム・ヨジョン副部長の談話とともに、「労働新聞」の4面に掲載された「談話」で、「核保有国に向かって『先制打撃』を口にするなんて、気が狂ったのか、それとも間抜けなのか。対決意識に溺れた狂人だ」と述べ、ソ長官に暴言を浴びせた。

 
パク・ジョンチョン労働党中央委書記=労働新聞より//ハンギョレ新聞社

 「対南事業を統括」するとされるキム副部長と「軍序列1位」のパク書記の連続談話は、2020年6月に開城(ケソン)南北共同連絡事務所ビル爆破(2020年6月16日)に及んだいわゆる「対北朝鮮ビラ事態」を連想させる。キム副部長の対南非難談話は、昨年9月15日に文在寅(ムン・ジェイン)大統領を名指しで批判した「談話」以来、201日ぶり。「パク・ジョンチョン談話」は、「米国をはじめとする敵対勢力」を狙って人民軍総参謀長の資格で2019年12月14日に発表した談話以来、841日ぶり。

 何よりもキム副部長とパク書記の談話が労働党中央委機関紙として「人民の必読書」である「労働新聞」に載った事実に注目する必要がある。状況の展開によっては、2020年6月の対北朝鮮ビラ事態のように、「言葉」に止まらず「行動」につながる可能性があるからだ。さらにキム副部長は「委任によって」という言葉で、自分の談話が「公式見解」であることを強調しており、パク書記は「南朝鮮軍部の反共和国対決の狂気について、我が人民と軍隊が必ず知らなければならないため、私はこの談話を公開する」と明らかにした。「人民と軍隊」に公表した以上、いかなる形であれ「後続措置」を取る可能性が高い。

 ただし、キム副部長とパク秘書が談話の標的を「南朝鮮国防部長官ソ・ウクの危険な妄言」と「南朝鮮軍部による反共和国の対決狂気」に限定した事実に留意する必要がある。ひとまず、文大統領を含む文在寅政権全体を狙った談話ではないという政治的線引きと読めるためだ。南北間の「実質行動」を含む軍事的衝突に突き進むというよりは、「予告性の警告」に近いものと見られる。

 これに関し、金正恩労働党総書記兼国務委員長が「(平壌)中区域瓊楼洞に立ち並ぶ普通江(ポトンガン)川岸の段々式住宅区を視察された」と、「労働新聞」が関連ニュースを同日付1~2面に13枚の写真を添えて報道したことは注目に値する。「祖国の繁栄と人民の幸せのために不眠不休で労を惜しまない敬愛なる金正恩同志の愛民献身」という「労働新聞」の表現のように、金総書記の最優先の関心事は「人民の暮らし」という政治的なシグナルと言えるからだ。金正恩総書記の普通江川岸高級住宅団地の現地指導には、キム・ヨジョン副部長も随行した。

 また、キム副部長とパク書記の談話では取り上げなかったものの、尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領が大統領選挙期間に「先制攻撃」関連の発言を何回も公にした事実を念頭に置いたものと考えられる。二つの談話が表向きにはソ・ウク長官と「南朝鮮軍部」に照準を合わせたが、根本的には5月10日に発足する「尹錫悦政権」の北朝鮮政策の牽制が狙いである可能性がある。

 何よりも金正恩総書記の「人民の暮らし」への関心を示す活動を1~2面に、キム・ヨジョン談話とパク・ジョンチョン談話を4面に掲載した「労働新聞」の記事配置は、それ自体が北朝鮮首脳部の内外に向けた「政治シグナル」と言える。2020年6月の対北朝鮮ビラ事件当時の開城南北共同連絡事務所爆破と各部門決起大会など対南強硬基調をキム副部長が主導し、金総書記が「対南軍事行動計画の保留」を決定(2020年6月24日労働党中央軍事委第7期第5次予備会議)し、南北関係の緊張を低めた前例を想起する必要がある。

 北韓大学院大学校のヤン・ムジン教授はまず「4月の緊張高潮の時期を控え、本格的な名分争いのための声明戦の始まり」だとし、「今後、南北関係対決構図を本格化するという予告」とみることができると述べた。韓国政府内外では4月中旬以降、金日成(キム・イルソン)主席の生誕日(太陽節、4月15日)110周年と韓米合同軍事演習が重なり、「強対強」で対峙する恐れがあるとみている。

 最近の朝鮮半島情勢の流れをみる限り、その可能性が高いとは言えないが、「労働新聞」が金正恩総書記の「人民の暮らし」に関連した活動を際立って強調したことから、韓米両国政府の対応方向によっては北朝鮮の「行路変更」の可能性を排除できないという希望混じりの観測もある。

イ・ジェフン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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「この危機にあって、憲法9条を攻撃し、国連は無力と言いつのる議論の行き着く先はどこか。『力の論理』をひたすら信奉することだ。

2022-02-28 | 3・1独立運動の伝統を受け継いで

ウクライナ侵略を利用

国連・9条への攻撃はどこに行き着くのか

写真

(写真)ロシアによるウクライナ侵略に抗議する人たち=27日、東京・新宿駅西口

 ロシアによるウクライナに対する侵略は、ウクライナ市民の平和と命を踏みにじると同時に、国連憲章に基づく世界の平和秩序を根底から脅かしています。この危機のもとで、一部メディアや日米同盟強化論者から「9条で国は守れるのか」「国連は無力」などとする攻撃が強まっています。(中祖寅一)

「力の論理」の信奉プーチンと安倍氏

 これに対し日本共産党の志位和夫委員長は「この危機にあって、憲法9条を攻撃し、国連は無力と言いつのる議論の行き着く先はどこか。『力の論理』をひたすら信奉することだ。それをいま、最もひどい形で実践しているのは誰か。(ロシアの)プーチン大統領だ」と指摘。「『力の論理』に『力の論理』で応えることを否定したのが、国連憲章であり、憲法9条ではないか」(ツイッター)と批判しています。

 ウクライナ侵略の事実を前に、紛争の平和解決、武力行使の禁止という根本原則を嘲笑し「力には力を」といって「力の論理」にひたすら陥ってしまえば、プーチン大統領と同じ立場に身を置くことになります。それは、紛争の平和的解決を定めた戦後の国際秩序の根本的否定に行き着きます。

 そうした姿を体現しているのが安倍晋三元首相です。安倍氏は27日放送の民放番組で、米国の核兵器を自国領土内に配備して共同運用する「核共有」について議論すべきと主張するとともに、プーチン大統領について「(NATOへの)基本的な不信感のなかで、領土的野心でなくロシアの防衛安全の確保という観点から行動を起こしているのだろう」と語りました。むき出しの領土拡張主義=覇権主義の行動を前にして、「領土的野心でなく」とプーチン氏を擁護する安倍元首相。両者は「力の論理」の信奉という点で、固い友情に結ばれているようです。

平和のルールの再構築こそ必要

 いま問われているのは、深刻な危機と逆流に際し、いかにして平和のルールを実効的にし、再構築するかではないでしょうか。ロシア国内を含め世界の人々が「戦争をやめろ」とプーチン・ロシアによる侵略に糾弾の声をあげています。この声を広げ団結させ、侵略をやめさせるとともに、より平和な世界への動きをつくりだすことが求められています。事態を9条攻撃に利用するのは、全くの逆行です。

 憲法9条には、(1)何よりも日本が再び侵略国家にならないという決意とともに(2)自ら戦争を放棄し戦力保持を禁止することで世界平和の先駆となろうという決意が込められています。

 いま中国や北朝鮮の覇権主義的なふるまいを前に、「力には力」として日本が軍事力を強化する動きが強まっています。軍事対軍事の対立をエスカレートさせれば、再び侵略国家になる危険さえ憂慮すべき事態です。

侵略国家になるのか  とりわけ「敵基地攻撃能力」の保有は、文字通り相手国領域内での一連の軍事行動を可能にするものです。「撃たれる前に撃つ」という事の性質から言っても、国連憲章に違反した先制攻撃との区別はつきません。岸信夫防衛相は、敵基地攻撃で相手国領域まで行っての「空爆」を「排除しない」と国会で明言しました。安倍晋三元首相は、「敵基地攻撃能力」の本質は“相手国をせん滅する打撃力である”と公言しています。

 日本がそうした打撃力を独自に持ち、「台湾有事は日米同盟有事」などとあおって、米軍と肩を並べて攻撃参加する―これが9条に全面的に違反するとともに、国連憲章に違反する他国への侵略となりうることは明白です。

 志位氏がロシアのウクライナ侵略を受けて、「プーチン氏のようなリーダーが選ばれても、他国への侵略ができないようにするための条項が、憲法9条なのです」といち早く発信したのも、日本自身が再び侵略国家になる危険が現実にあることを踏まえての警告です。

一部の政治家の“恥ずべき言動”

 これに対して自民党や日本維新の会の一部の政治家から「9条を持っていれば日本の平和が守れるといっていたではないか」などと、事実をねじ曲げた的外れな攻撃の言葉が発せられていますが、これは、志位氏の警告が正鵠(せいこく)を射ていることの証明です。

 志位氏は、ツイッターに次の投稿を行いました。

 「憲法9条を学ぼうとも、理解しようともせず、ウクライナへの侵略を止めるために声をあげることもなく、ウクライナ問題を利用して憲法9条をおとしめる。一部の人々の言動は、恥ずかしいことです」

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新型コロナ対策で無為・無策の国や現市政によって名護の市民生活は疲弊しています。米軍基地に起因する感染拡大の波が名護市にも押し寄せ市民を危険にさらしています。

2022-01-11 | 3・1独立運動の伝統を受け継いで

名護市のことは名護市民が決めよう

市長選(16日告示・23日投票)

市民の命と暮らし守る 岸本ようへい予定候補の政策

 沖縄県名護市長選(16日告示、23日投票)に立候補予定の岸本ようへい市議(49)は、市民本位で命と暮らしを守る政策を掲げ、「名護市のことは名護市民が決めよう」と訴えています。


写真

(写真)街頭宣伝で訴える岸本氏(手前)=4日、沖縄県名護市

再編交付金に頼らない子育て政策

 岸本氏は、同市辺野古の米軍新基地建設反対を貫き、基地建設への協力と引き換えの「再編交付金」に頼らない子育て政策の充実を公約しています。

 「辺野古の陸にも海にも新基地を造らせない」ことを公約に掲げた稲嶺進前市長のときは、再編交付金の交付が停止されていましたが、稲嶺市政では保育料の2人目半額と3人目からの無料、中学卒業までの学校給食費の3人目からの無料を実現させていました。

期間10年 不安定な再編交付金

 現市長は、辺野古新基地について「国と県の係争を見守るほかはない」などとして賛否を明らかにしない態度を取り続けていますが、新基地推進の政府・自公丸抱え市政です。再編交付金をしっかり受け取り、保育料・給食費・子ども医療費無料の財源としています。

 しかし、再編交付金の交付期間は原則10年間と決められており、財源としては不安定です。今後も受け取るためには、半永久的に基地強化への協力を余儀なくされます。

市予算の1.5%で実現が可能

 岸本氏は市独自の財源で保育料・給食費・子ども医療費無料を継続することを約束。保育料・給食費・子ども医療費無料の事業にかかる予算は、市の近年の一般会計予算の平均の約430億円の1・5%程度であり、「市の予算規模であれば十分可能」だと訴えています。

コロナから市民を守る

 新型コロナ対策で無為・無策の国や現市政によって名護の市民生活は疲弊しています。米軍基地に起因する感染拡大の波が名護市にも押し寄せ市民を危険にさらしています。

企業の休廃業・解散率は県内最悪

 コロナ禍で2020年の名護市の個人事業主を含む企業の休廃業・解散率は、3・34%になっており県内市郡別で最悪(帝国データバンク沖縄支店の調査)です。

 21年度の県社会保障推進協議会の自治体アンケートによると、「コロナ対策で介護事業者や介護職員への独自支援策」の項目では、沖縄市が介護施設等に感染防止に係る費用の給付を行っているのに対し、名護市は何も行っていません。

PCR検査無料のため知事と協力

 岸本氏は玉城デニー県政と連携しPCR検査を無料で実施すること、医療、福祉、学校、保育現場などで働くエッセンシャルワーカーや国の制度で支援が行き届かない家庭や事業者へ市独自の支援を公約しています。

市民生活に冷たい市政を転換

 現市政では、稲嶺前市長が値下げを公約していた介護保険料を値上げ(同アンケート)するなど、さまざまな分野で冷たい市政になっています。

保育士処遇改善で待機児童解消

 国民健康保険証の取り上げは、12件(17年度)に対し79件(20年度)と6・6倍(同アンケート)で、待機児童数は24人(18年4月1日)から142人(20年4月1日)に増加しました。再編交付金を受け取っているにもかかわらず、市の借金は約281億円(17年度)から約293億円(19年度)へと12億円増えました。

 岸本氏は、介護保険料の引き下げや要介護認定時の一時金支給、保育士の処遇改善による待機児童解消、公共事業での地元企業の優先活用と適正価格発注による労働者の所得向上など暮らし・福祉・経済活性化のためのさまざまな政策を打ち出しています。

成長続ける名護市へ三つの柱

 大きな柱として、▽幼児から大学生まで進学に必要な費用や子育てを支援する「子ども太陽基金」の新設▽名護市の特産品生産販売・起業支援のための、インターネット販売専属の課「ガジュマルネット」の新設▽同市にある公立の名桜大学への「薬学部」新設の三つを掲げています。

薬学部設置で医療体制の充実を実現

 沖縄県によると県内の人口10万人あたりの薬剤師数は全国最下位であり、県内の医療機関や薬局等で慢性的な薬剤師不足の状況です。不足の要因は県内に薬剤師養成の大学がなく、県外へ進学する必要があることや多額の費用がかかることなどが考えられます。

県が調査 文科相も支援を約束

 県は県内国公立大学への薬学部設置の必要性、可能性に係る調査等を20年度に実施し、候補として名桜大学などを検討しています。末松信介文部科学相も県内の大学における薬学部設置について、「調査研究に協力し、沖縄県下の大学から相談があった際には丁寧に助言し、積極的な支援を行っていきたい」(昨年12月16日、参院予算委員会)と答弁。支援を約束しています。

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4年前の総選挙と今回の総選挙で、政党間の力関係がどう変わったかを冷静に検証することが大切だと思います。政党の政治的立場を、「与党勢力」、「与党の補完勢力」、「共闘勢力」の三つに分類

2021-11-11 | 3・1独立運動の伝統を受け継いで

日本共産党国会議員団総会

志位委員長のあいさつ

 日本共産党の志位和夫委員長は10日、特別国会開会にあたって、国会内で開かれた党国会議員団総会で、次のようにあいさつしました。


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(写真)党国会議員団総会であいさつする志位和夫委員長=10日、衆院第2議員会館

 みなさん、おはようございます(「おはようございます」の声)。総選挙での大奮闘、本当にお疲れさまでした。特別国会の開会にあたりまして、ごあいさつを申しあげます。

比例代表の416万6076票――重みをしっかり受け止め、新しい国会で頑張りぬく

 冒頭に、総選挙で、日本共産党を支持してくださった有権者のみなさん、コロナ危機のもと、大奮闘していただいた支持者、後援会員・サポーター、党員のみなさんに、心からの感謝を申し上げます(拍手)。また、この選挙をともにたたかい、大奮闘されたすべての比例代表候補者、小選挙区候補者のみなさんに、熱い敬意と連帯のメッセージを送りたいと思います。(拍手)

 日本共産党の結果ですが、まず、沖縄1区で、「オール沖縄」の赤嶺政賢さんが、得票数も、得票率も伸ばして、3度目の勝利をかちとり、宝の議席を守り抜いたことを、心から喜びたいと思います。(拍手)

 宮本岳志さんの国会議員団への復帰をみんなで歓迎したいと思います。(拍手)

 日本共産党が、比例代表で11議席から9議席に後退したことは、たいへん残念な結果です。コロナ危機のもとでの全国のみなさんの懸命の大奮闘、また、わが党に寄せられた多くの方々からのご期待を、結果に結びつけることができなかったことは、わが党の力不足であり、責任を痛感しております。

 日本共産党にお寄せいただいた比例代表の416万6076票――その一票一票の重みをしっかりと受け止めて、新しい国会で頑張りぬきたいと思います。(拍手)

4中総――総括と教訓を明らかにし、参院選躍進の方針をつくりあげる

 11月27日と28日、第4回中央委員会総会を開催します。4中総では、第28回党大会決定、2中総決定、3中総決定を踏まえ、全国の都道府県委員長・地区委員長のみなさんにお願いしている「総選挙をたたかってのアンケート」を踏まえて、しっかりと総括と教訓を明らかにし、来年の参議院選挙で躍進に転ずる方針をつくりあげていきたいと考えています。

総選挙結果の全体をどうみるか――4年間で政党間の力関係がどう変わったか

 総選挙の結果の全体をどうみるか。

 私は、4年前の総選挙と今回の総選挙で、政党間の力関係がどう変わったかを冷静に検証することが大切だと思います。政党の政治的立場を、「与党勢力」、「与党の補完勢力」、「共闘勢力」の三つに分類し、4年前の総選挙と今回の総選挙の比較をすると次のようになります。

 ――まず「与党勢力」はどうか。4年前に比べて、自民と公明は合計で、比例得票では150万票を増やしていますが、議席では19議席を減らしています。

 ――次に「与党の補完勢力」はどうか。4年前の総選挙では、「希望の党」という政党がありました。わが党は、この党について、「安保法制容認」「9条を含む憲法改定」を政治的主張の要にすえ、この二つを「踏み絵」にして野党共闘を破壊する「与党の補完勢力」だと見定め、正面からたたかいました。この党を構成した個々の政治家は、その後、立憲民主党に合流し、今回の総選挙では、わが党とも協力している方々が少なくありませんが、「希望の党」の政党としての政治的立場は、まぎれもなく「与党の補完勢力」でありました。

 「与党の補完勢力」は、4年前の希望、維新の合計と、今回の維新で比較しますと、比例得票では501万票を減らし、議席では20議席を減らしています。

 ――最後に「共闘勢力」はどうか。4年前、共闘してたたかった共産、立民、社民の合計と、今回共闘してたたかった共産、立民、れいわ、社民の合計で比較しますと、比例得票では246万票を増やし、議席では42議席を増やしています。

 これがこの4年間の政党間の力関係の変化を示す客観的な数字であります。

比例得票でも議席でも「共闘勢力」は前回比増加――大局的な確信をもってのぞもう

 今回の結果をもって、一部メディアは、「自民勝利、維新躍進、共闘惨敗」といった見方を流布していますが、これは事実と異なるということを、はっきりと言っておきたいと思います。(「そうだ」の声、拍手)

 自民党など「与党勢力」は、比例得票数では増やしましたが、野党共闘によって議席を減らしました。これをもって「勝利」とは呼べません。

 維新が伸びたことは事実ですが、「与党の補完勢力」を全体でみると、比例得票数も議席も減らしています。

 それに対して、「共闘勢力」は、比例得票数も議席も増やしています。わが党が減らしたことは残念ですが、全体でみれば増やしています。そこにはこの4年間、市民と野党の共闘が、さまざまな困難や逆流を乗り越えながら、国会内外で共闘の努力を積み重ねてきたことの確かな成果が示されているのではないでしょうか。歴史は決して無駄に流れていない。そのことへの大局的な確信をもって今後にのぞむことを訴えたいと思います。(拍手)

野党共闘が一定の成果をおさめたことは明瞭――その発展・強化こそが求められている

 そのうえで、今回の総選挙における市民と野党の共闘の成果と課題について、現時点で言えることを述べておきたいと思います。

 日本共産党は、今度の総選挙で、「野党共闘で政権交代を始めよう」と力いっぱい訴えてたたかいました。自公政権の継続を許したことは残念ですが、このたたかいは、選挙後の常任幹部会の声明で強調したように、「最初のチャレンジとして大きな歴史的意義があった」と確信するものです。

 野党共闘の成果について確認しておきます。今回の総選挙で、野党は初めて、共通政策、政権合意、選挙協力という「3点セット」の合意を実現してたたかいました。その結果、全国59の小選挙区で「共闘勢力」が一本化をはかった候補者が激戦を競り勝ち、自民党の重鎮や有力候補を落選させました。くわえて33の小選挙区で「共闘勢力」の候補者が自民党候補者の得票の90%以上を得る善戦・健闘の結果となりました。

 これらの結果は、野党がバラバラにたたかっていたら自民党などの圧勝を許したことを示しています。それはまた、野党共闘がさらに力を発揮していたら選挙結果はまったく異なるものになっていたことも示しています。

 一部に「野党共闘は失敗」と非難する議論がありますが、事実はまったく異なることはこの数字からも明らかではないでしょうか(「そうだ」の声、拍手)。野党共闘が一定の成果をおさめたことは明瞭であり、その発展・強化こそが求められているのではないでしょうか。(大きな拍手)

どのように共闘の発展・強化をはかるか――課題克服へ対話すすめ前向きの方向共有を

 それではどのように発展・強化をはかるか。

 選挙後の常任幹部会の声明では、野党共闘の成果を確認するとともに、次のように、率直に、「今後の課題」について述べました。

 「同時に、野党共闘は、今後の課題も残しました。とくに、野党が力をあわせて、共通政策、政権協力の合意という共闘の大義、共闘によって生まれうる新しい政治の魅力を、さまざまな攻撃を打ち破って広い国民に伝えきる点で、十分とは言えなかったと考えます。共闘の大義・魅力を伝えきれなかったことが、自公の補完勢力=『日本維新の会』の伸長という事態を招いた一因にもなりました」

 選挙期間中、野党共闘に対して、自民、公明、維新などは、激しい攻撃をくわえました。私は、それ自体が、彼らがいかに野党共闘を恐れているか――共闘の威力を証明するものとなったと思います。ただ、そうした攻撃に対して、野党が力をあわせて、共同の反撃の論陣を張るまでにはいたらなかったことも事実でした。

 「共闘の大義・魅力を伝えきれなかった」という点で、共闘態勢の構築が遅れたことは、大きな弱点となりました。共通政策の合意が9月8日、政権協力の合意が9月30日、選挙協力の合意は解散前日の10月13日でした。共通政策と政権協力の合意は、それぞれが画期的な内容であり、大義もあれば魅力もあるものでしたが、さまざまな攻撃を打ち破って、それを広く国民に伝えるには一定の期間がどうしても必要でした。共闘態勢の構築が選挙間際まで遅れたことも、大きな反省点だと考えます。

 日本共産党は、ともに選挙をたたかった他の野党のみなさん、市民連合のみなさんと、市民と野党の共闘がどういう成果をあげたか、どういう課題を残したか、今後どう発展させるべきかについて、胸襟を開いてよく話し合い、前向きの認識と今後の方向を共有するために、全力をつくしたいと表明するものです。(拍手)

首相指名選挙――共産・立民の合意と公約を順守する立場から枝野代表に投票する

 本日の首相指名選挙の対応について述べます。日本共産党は、自主的判断として、立憲民主党代表の枝野幸男氏に投票することにします。枝野氏は党代表を辞任することを表明していますが、日本共産党と立憲民主党とは公党間の合意として、共通政策、同時に政権協力に合意しており、これは国民に対する公約でもあります。合意と公約を誠実に順守する立場から、枝野代表に投票するという態度にしたいと思います。

 国民の声を聞かない自民と公明の政治がいつまでも続いていいわけがないではありませんか。日本の政治を変える道は、共闘しかありません。日本共産党は、共闘の道を揺るがずに発展させるために、引き続きあらゆる知恵と力をつくす決意であります。(拍手)

総選挙で掲げた公約の実現のために、全力をあげて奮闘する

 総選挙の訴えで、わが党は、コロナから命と暮らしを守る政策的提案、自公政治からの「四つのチェンジ」――新自由主義を終わらせ命・暮らし最優先の政治、気候危機を打開する政治、ジェンダー平等の日本、憲法9条を生かした平和外交――を訴えぬきました。どの訴えも、国民の利益にかない、声が届いたところでは共感を広げたという報告が、全国でともにたたかったみなさんから共通して寄せられています。

 とくに気候危機打開とジェンダー平等――この二つの課題は、総選挙での訴えにとどまらず、今後も大いに発展させていきたいという声がたくさん寄せられていることも報告しておきたいと思います。

 総選挙で掲げた公約の実現のために、全力をあげて奮闘する決意を、衆参議員団として固め合いたいと思います。(大きな拍手)

 とくに、国会を舞台にした論戦とともに、あらゆる分野で国民の切実な要求に根差した国民的運動を草の根から起こし、国民の世論と運動によって政治を変える、力強い流れを起こしていくために、知恵と力をつくしたいと思います。

草の根からの世論と運動で岸田政権を包囲し、政治を変える新たなたたかいを

 最後に、岸田政権とのたたかいについて述べたいと思います。

 総選挙での論戦をつうじて、岸田政権の正体が、安倍・菅政治の継承であることが明らかになりましたが、選挙後のわずかな期間の岸田政権の動きを見ても、安倍・菅政治と基本において変わることのない政権であることが明瞭となっています。3点ほど述べたいと思います。

沖縄に対する強権政治――「オール沖縄」のたたかいへの連帯をよびかける

 一つは、沖縄に対する強権政治であります。

 6日、松野官房長官が沖縄に行きましたが、そこで語ったことは、辺野古新基地建設を「唯一の解決策」として押し付ける政府方針を繰り返すことでした。

 新基地建設は、超軟弱地盤、戦没者の遺骨の眠る土砂の利用など、計画自体が二重三重に破綻しています。この問題は新たな局面を迎えているのです。にもかかわらず、破綻した計画を「唯一の解決策」として押し付ける。このような強権政治を絶対に許してはなりません。「オール沖縄」のたたかいへの全国の連帯のたたかいを心から呼びかけたいと思います。(拍手)

気候危機に対する無責任きわまる対応――日本政府に「化石賞」

 二つ目は、気候危機に対する無責任きわまる対応です。

 2日、英国で開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)において、気候行動ネットワークは、日本政府に対して、「化石賞」を贈りました。岸田政権が石炭火力発電を使い続けるという姿勢をとっていること、アンモニアと水素を使った火力発電を「ゼロエミッション火力」として妄信していること、この二つが授賞理由となりました。日本共産党が「気候危機打開の2030戦略」で批判した日本政府の対応の致命的弱点が、国際舞台でも厳しく批判される結果となりました。

 いま世界でも、日本でも、若い世代を先頭にした気候危機打開の運動の大きなうねりが起こっています。この運動に連帯し、日本共産党の「2030戦略」の実現に向けて力をつくそうではありませんか。(拍手)

憲法9条改定への新たな危険――草の根からの運動を急速に広げることをよびかける

 三つ目は、憲法改定をめぐる新しい危険に正面から立ち向かうことです。

 自民党は総選挙の公約に、「自衛隊の明記」「緊急事態条項」など改憲4項目を掲げ、選挙後、岸田首相は「憲法改正に向け、精力的に取り組んでいきます」と述べました。維新の会は、「来年の参院選までに改正案を固めて(参院選の投票とともに)国民投票を実施すべきだ」と改憲策動の先兵の役割を果たしています。維新は、「教育費の無償化」のための憲法改定などと言っていますが、自民党との協力が具体化されていけば、そこから出てくる改憲案は、9条改憲を含むものとならざるをえないでしょう。

 海外での戦争に何の制約もなくのりだす日本にしていこう――こうした危険な策動を絶対に許してはなりません。改憲勢力の危険なたくらみを打ち砕くために、草の根から国民的な世論と運動を急速に広げることを心から呼びかけるとともに、日本共産党がこのたたかいの先頭にたって奮闘する決意を固め合いたいと思います。(大きな拍手)

 3点ほど申しましたが、岸田政権の行動の一歩一歩が、国民が退場を求めた安倍・菅政治の継承となります。ここにこの政権の抱える根本的な矛盾があります。

 あらゆる分野で、草の根から国民的な世論と運動を起こし、その力で岸田政権を包囲し、政治を変える新たなたたかいにのぞもうではありませんか。(「よーし」の声、拍手)

党を強く大きくして、参議院選挙で必ず躍進に転じよう

 党を強く大きくして、参議院選挙で必ず躍進に転ずるために、全党のみなさんと力をあわせて奮闘しようではありませんか。(大きな拍手)

 これで開会にあたってのごあいさつといたします。

 新しい国会でともに頑張りましょう。(大きな拍手)

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「終戦宣言」そのものに対する米国政府の判断については具体的に触れなかった。

2021-10-26 | 3・1独立運動の伝統を受け継いで

ソン・キム米特別代表

「韓国と終戦宣言を含め様々な対北朝鮮協力を期待」

登録:2021-10-25 00:55 修正:2021-10-25 07:51
 
非公開の朝食協議…ノ・ギュドク本部業「終戦宣言などの北朝鮮に対する関与推進続ける」
 
 
外交部のノ・ギュドク朝鮮半島平和交渉本部長(左)と米国務省のソン・キム北朝鮮政策特別代表が24日午前、ソウル中区のロッテホテルでの非公開による朝食協議の後、略式記者会見を行っている=写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 米国務省のソン・キム北朝鮮政策特別代表は24日、「韓国の終戦宣言提案を含む様々なアイディアとイニシアチブ(different ideas and initiatives)を模索するうえでの持続的な協力を期待する」と述べた。

 ソン・キム代表はこの日午前、ソウル中区(チュング)のロッテホテルで外交部のノ・ギュドク朝鮮半島平和交渉本部長と非公開の朝食協議を行い、その後の略式記者会見で「我々は北朝鮮に無条件で会う準備ができており、北朝鮮に対するいかなる敵対的な意図もないということを明確にしてきた」とし、このように述べた。また「北朝鮮の前向きな回答を望む」と付け加えた。ソン・キム代表は「我々は北朝鮮で最も脆弱な階層を助けるために、人道主義分野で北朝鮮と協力する準備をする」とし、北朝鮮に対する人道協力の意志も繰り返し強調した。

 「終戦宣言」に関するソン・キム代表のこの日の発言は、18日(現地時間)のワシントンでのノ本部長との2国間協議後に使用した「ノ本部長と私は、韓国の終戦宣言提案について話し合った」という表現よりも進展したものだ。「話し合った」が「持続的な協力を期待」へと変わったからだ。しかし同氏は、この日も「終戦宣言」そのものに対する米国政府の判断については具体的に触れなかった。

 ソン・キム代表はしかし、「新型潜水艦弾道弾発射」など、最近の北朝鮮の相次ぐミサイル発射については、「懸念されるだけでなく、持続可能な朝鮮半島の平和に向けた進展には逆の効果をもたらす」と批判した。続いて「多数の国連安全保障理事会決議に違反したものであり、隣国と国際社会に対する脅威」だとし「北朝鮮がこうした挑発と不安定を引き起こす行動をやめ、対話に応じることを求める」と述べた。

 ノ・ギュドク本部長は「(18~19日の)ワシントンでの協議の延長線上で、本日キム代表と終戦宣言提案について真剣で深みのある協議をした」とし「韓米両国はこれを土台として人道的協力、意味ある信頼構築措置などの様々な対北朝鮮関与の方策を持続的に推進していくことを決めた」と明らかにした。ノ本部長は「今後の北朝鮮との対話再開の際、北朝鮮側の関心事を含むあらゆる事案について論議しうるという(韓米)両国の共同の立場を再確認した」と付け加えた。続いて「米国政府も各クラスで対話の意志を表明し続けているだけに、北朝鮮側が速やかに呼応してくることを期待する」と述べた。ノ本部長は「韓米両国は本日の協議の後続措置の履行状況を見ながら、近いうちにさらなる協議を行うことを決めた」と述べた。インドネシア大使を兼務するソン・キム代表は同日、インドネシアに向かった。

イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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イ元会長は、強制徴用被害者の証言をもとに訴状の執筆にもかかわった。続いて浮島丸爆発沈没事件訴訟、関釜裁判、B・C級戦犯(捕虜監視員)訴訟、名古屋三菱朝鮮女子勤労挺身隊損害賠償請求訴訟も主導した。

2021-03-22 | 3・1独立運動の伝統を受け継いで

「強制動員被害者のための記憶闘争」…

光州市民、歴史館建設を推進

登録:2021-03-22 01:39 修正:2021-03-22 07:02
 
光州勤労挺身隊市民の会が提案
 
太平洋戦争犠牲者光州遺族会のイ・クムジュ元会長は、日帝による強制動員の被害者の損害賠償と真相究明に力を注いできた//ハンギョレ新聞社

 光州(クァンジュ)の市民団体が日帝による強制動員の歴史資料を保管する市民歴史館の建設を推進する。

 「勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会」(以下「市民の会」)は21日、日本企業による強制動員の歴史に関する記録を展示する「日帝強制動員市民歴史館」(仮称)事業を推進することを決めたと発表した。

 
太平洋戦争犠牲者光州遺族会のイ・クムジュ元会長が被害者たちに会って記録した資料//ハンギョレ新聞社

 市民の会は、太平洋戦争犠牲者光州遺族会のイ・クムジュ(101)元会長から2012年5月に預かった資料を事務所に保管している。この資料は、文書類が609点、刊行物が603冊、ビデオテープが112本、集会用品などが346点にのぼる。1988年の「太平洋戦争犠牲者遺族会」の結成を主導したイ元会長は、1000人以上の被害者たちの強制動員場所、具体的な被害内容を詳細に日本語で記録する作業を行った。この記録は、日帝強制動員の実情を具体的に把握した最初の資料だった。

 
イ・クムジュ元会長の資料//ハンギョレ新聞社

 イ元会長は「強制徴用の被害者と家族が、その体験を訴えられる場所ひとつない境遇にあるということを知り、彼らの痛みを記録し始めた」という。イ元会長の夫は、結婚してわずか2年の1942年11月、生後8カ月の息子を置いて、日本の海軍軍属として強制徴用された。イ元会長は1945年4月、夫の死亡通知書を受け取った。1988年の太平洋戦争犠牲者遺族会の結成を主導したイ元会長は、光州遺族会の会長を務めた。強制動員の被害を訴える人たちが光州・全羅南道をはじめ全国各地からイ前会長を訪ねてきた。

 
イ・クムジュ元会長が2018年7月18日、東京の品川駅前で日本企業による強制動員被害に対する損害賠償を求めている//ハンギョレ新聞社

 イ元会長は日本の市民団体と連帯し、日本の司法に損害賠償を求める法的闘争に立ち上がった。1992年に強制徴用者1273人が東京地方裁判所に提訴した「光州1000人訴訟」の中心には、イ元会長がいた。イ元会長は、強制徴用被害者の証言をもとに訴状の執筆にもかかわった。続いて浮島丸爆発沈没事件訴訟、関釜裁判、B・C級戦犯(捕虜監視員)訴訟、名古屋三菱朝鮮女子勤労挺身隊損害賠償請求訴訟も主導した。

 
2012年、イ・クムジュ元会長が光州を離れる前に、光州南区真月洞の自宅の前に立っている//ハンギョレ新聞社

 2008年までの16年間の訴訟の歴史は、すなわち「敗北の歴史」だった。この時期、日本の裁判ですべて負けている。しかしこの時間は、もう一つの歴史を記す礎となった。三菱朝鮮女子勤労挺身隊の被害者ヤン・クムドクさんらは2012年10月、光州地裁に三菱を相手取って訴訟を起こし、2018年11月に最高裁で最終勝訴した。2012年に息子と嫁を相次いで亡くしたイ元会長は、光州を離れる際に「ラーメンの箱」30箱分の資料を市民の会に預けた。

 
イ・クムジュ元会長の資料が市民の会の事務所に並んでいる//ハンギョレ新聞社

 イ元会長の資料には、7つの訴訟に参加した原告の名簿、日本の法廷での証言内容、陳述書、日記、国内外のメディアの報道資料、月例会議録、写真や映像などが含まれている。特に、1990年から2010年までの日記や月例会議録などの、大学ノート10冊分の記録には、強制動員被害者の鬱憤と恨(ハン)が生々しく記されている。

 
イ・クムジュ元会長が保管していた資料//ハンギョレ新聞社

 市民の会は、近日中に光州広域市に寄付金の募集と使用についての計画書を提出するなど、市民募金運動を開始する予定だ。市民の会のイ・クゴン常任代表は「せめて今からでも、被害者たちの記憶、恨と悲しみを記憶し保存する、第二の『記憶闘争』を始めなければならない。強制動員被害者の恨と悲しみが染み込んだ資料が事務室の外に出て、貴重な歴史の記録となるよう、市民が暖かい日の光となってほしい」と訴えた。

写真:「勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会」提供

チョン・デハ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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