2025年1月4日(土)
参院選勝利へワンチームで
25年7月参院選 比例予定候補5氏座談会
共産党躍進で政治前へ 「政治変わる」期待の声
2025年は、7月に参議院選挙が予定されています。日本共産党は、比例5予定候補の全員勝利とともに、東京・吉良よし子、埼玉・伊藤岳、京都・倉林明子の3現職予定候補必勝、その他の選挙区での勝利で躍進をめざします。小池晃(書記局長)、山下よしき(副委員長)、井上さとし(参院議員)、はたやま和也(元衆院議員)、白川よう子(元香川県議)の比例5予定候補に、選挙にむけた抱負などについて語ってもらいました。
(写真)(左から)白川よう子、山下よしき、小池晃、井上さとし、はたやま和也の各氏
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全員 あけましておめでとうございます。
小池 先の総選挙では、国民の厳しい審判が下され、自民党、公明党が少数与党になって、衆議院では「数の力」で悪法を押し通すことができなくなっています。自民党は一部の野党を取り込んで抵抗していますが、自公以外の党がまとまれば、国民の利益にかなう法案が通る力関係ができました。日本共産党は、国民の運動と力を合わせこの新しい動きを前に進めて、切実な願いを実現していきたい。一方、参議院ではいまだ自公が多数を占めていて、これが「壁」になります。この壁を取り除いて政治を前に進めるために、6月の東京都議選と7月の参院選で、日本共産党が躍進することがどうしても必要です。
候補者発表から1カ月半。みなさん各地を回り、訴えておられると思いますが、有権者の反応、手応え、いかがでしょうか?
はたやま 総選挙は、北海道でも比例の議席が奪還できずに、がっかり感は相当強かった。東北も、高橋千鶴子さんの議席を失ったので、がっかりしたという声はずいぶんありました。ただ、選挙後の「赤旗」の申し込みは、北海道でも相次ぎまして、とくに30~40代の女性が多い。期待の声が大きくて、私がお会いした50代の方は、普段は共産党を支持はしていないのですが、いまの政治情勢を見たときに、野党の中でも共産党に頑張ってほしいということでサポーターとして初めて登録してくれました。私が「赤旗」日曜版の見本紙を出して購読を訴えると、「いりません」って言うんですよ。「もう投票翌日に申し込みました」と。各地で「今度は共産党に頑張ってほしい」という声をききます。比例候補を先頭に党の値打ちや政策をどんどん語っていきたいと思います。。
(写真)東京、南関東=現 小池晃 書記局長
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(写真)大阪、兵庫、滋賀、奈良、和歌山=現 山下よしき 副委員長
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(写真)北陸信越、東海、京都=現 井上さとし 参院議員
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(写真)北海道、東北、北関東=新 はたやま和也 予定候補
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(写真)中国、四国、九州・沖縄=新 白川よう子 予定候補
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井上 総選挙では裏金の「赤旗」スクープが大きな力になったし、最後の自民党「非公認候補への2000万支給」の報道で、本当に大きく変わりました。自民党議員からも「あれでやられたよ」という声がかけられ、改めて「赤旗」スクープと党の論戦力を感じました。国会には、これで政治が変わる、抑えられてきた願いが今度は実現する可能性が出てきたという、期待感が押し寄せています。臨時国会で、私学助成の拡充など、各種集会に行くと、どこでも会場から人があふれ、すごい熱気。ある集会では司会者が、「自分は長いことやってきたけれど、こんなに参加が多いのは初めてだ」と言っていました。総選挙でどの党も教育費の引き下げ、学費の無償化を掲げたので、「本当に大きなチャンス」だと。こうした期待の声にこたえなくちゃいけないし、それぞれの党がどうこたえるか真価が問われる国会になってます。願いを実現し、さらに前に進めるには、与党が多数の参院を変えないと。今度の参院選の重みを非常に感じます。
小池 「参院選で躍進しなければいけない」という意味合いは、特別なものがありますね。
山下 昨年暮れに、神戸・長田区で開いたつどいも人があふれました。兵庫は、総選挙の後に知事選もあって、みんな疲れているわけですよ。それでも話を聞きたい、今の政治状況をどうみたらいいのかと。私は、国民にとっては、たたかいがいのある新しい時代が始まったと言って、三つ話しました。一つは、切実な願いが実現できる可能性がぐんと高まったと。共産党もさっそく、企業・団体献金全面禁止法案と政党助成法廃止法案を臨時国会開会日の朝一番で出したことを紹介しました。二つ目に、要求運動、たたかいを通じて、各党の真価が問われるんだと。さっそく臨時国会で、軍事費増と大企業奉仕の補正予算に国民民主と日本維新の会は賛成しました。日本共産党のぶれない姿勢、アメリカ言いなり、財界中心の政治にメスを入れる姿勢は必ず値打ちが光ってくる。三つ目は、やっぱり都議選と参院選、ほんまにたたかいがいのある選挙、ここで躍進してこそ政治が変わるということ。この三つを言ったら、明るく元気にやっていこうということになります。
白川 活動地域17県全てに行きました。九州・沖縄は、赤嶺政賢さん、田村貴昭さん両衆院議員を送り出したこともあって、比較的元気なのですが、中国・四国は本当にがっかり感が大きい。でも自分自身もそうだったのですが、有権者のみなさんのもとに出かけていって元気をいただくという感じです。支部のみなさんと一緒に、有権者、後援会のみなさんのところへ訪問したんです。そしたら、「あなたたち何一つ間違っていなかった」「裏金も2000万の裏公認の問題も、『赤旗』と共産党がなかったら、いまだに裏のまま。本当に頑張った」と言ってくれるんです。顔を上げ頑張ろうという思いになりました。
小池 はたやまさんはこれまで北海道で活動されてきたけれど、東北、北関東を回ってどうですか?
はたやま 東北は、私自身が宮城県石巻市出身ということもあって、たくさんの激励を受けました。「共産党には近づくな」と、大学に入る前に言っていた父が、これまでも応援してくれていたんですが、演説用にとメモをくれました。「平和」とか「自由」とか、「原発」って並んでいるんで。東北は福島第1原発事故も収束していないし、女川原発は再稼働したばかりです。
北関東4県も、温かく迎えていただきながら、各地の運動にも触れてきました。知事選をたたかった栃木県は、学校給食の無償化を現職知事が「協議を始める」と表明したそうです。署名の力があったと教えていただきました。市民と党が各地で要求にもとづき頑張っていて、私自身が励まされています。
論戦の変化、訴えたい政策は
「政治とカネ」反省しない自民、参院選でも審判を
小池 この間の国会の変化や、論戦で感じたこと、地域を回っての手応えはどうでしょう。臨時国会では裏金問題が最大のテーマになりました。井上さんと山下さんはそれぞれ、政治改革特別委員会と政治倫理審査会で、論戦の先頭に立ってこられましたね。
井上 総選挙であれだけの審判を受けたのに自民党は何の反省もしていません。企業・団体献金禁止には背を向けている。臨時国会では、「企業にも権利がある」として、問題は企業・団体献金の禁止じゃなくて公開だというのを盛んに言いました。しかし12月中旬に出された、新しいエネルギー基本計画原案はまさに、ずっとこの間、経団連が言ってきた中身そのままでした。経団連が「政策評価」という名の“通信簿”で、自民党の「実績」を評価し、課題として言っている「原発の最大限活用」をそのまま取り入れたものです。福島では何も終わっていないし、能登では志賀原発にトラブルがあって、日本には安全な原発はない、避難もできないことがこれだけ浮き彫りになっているのに、全く国民の声から離れたものを出してきた。結局、堂々と公開の場で政策を注文し、そして企業に献金を呼びかけて原発関連業界が10年間で70億円も献金し、その通りになっている。まさに公開したって政治がゆがむ実例です。野党の中でも、結局、企業・団体献金禁止を曖昧にしようという動きがあるなかで、共産党はこれが肝心要だとして参院に法案を出したことは、非常に大事です。11議席以上あると法案が出せる重みを感じています。
小池 石破首相は、「企業献金は悪ではない」、挙げ句の果ては、「企業献金禁止は憲法に抵触する」とまで言った。さすがに、これは訂正しましたけど。朝日新聞の川柳で、「憲法を急に大事にする自民」というのがあったけど(笑い)、ご都合主義も極まれりだと思うんです。ほかの政党も企業・団体献金禁止は言うけれど、じゃあ、なぜ企業・団体献金がいけないのか。どういうふうに政治をゆがめているのかという論戦をやったのは共産党ならではでした。田村智子委員長を先頭に、企業献金が政治をゆがめてきたことを具体的な姿も示して追及していったのが非常に重要でした。政党助成金の問題点も取り上げ追及したのが、やはり共産党の論戦の肝でしたね。
井上 参政権を持たない企業が巨大な財政力を使って献金し政治をゆがめることは国民の参政権を侵害しているとの論点を打ち出しました。
小池 これはとても大事な論点です。山下さんは、政倫審で、毎日のように追及にたたれましたね。
山下 小池さんが参院本会議で、政倫審は「駆け込み寺」ではありませんと喝破していたけど、もう、「駆け込み寺」になろうとしています。衆参の政倫審で、次々に裏金議員が、「知りません」「私は関与していません」と、開き直りなんですよね。しかし発覚してから1年たっているわけで、その間、何していたんだというのが問われるわけです。いつから、誰が、何のためにこういう裏金システムをつくったのか。自民党として、国民の前に明らかにして説明する責任があるんです。政倫審に出てきた議員の中には、岸田内閣のときに、政治刷新本部の幹事として入っている人がいます。「刷新本部で裏金をいつ誰が何のためにつくったのか調べるべきだって提起したか」と聞いたら「していません」との答えです。そのうちの一人は“全容を明らかにしてほしい。そうすると、私はたいしたことないのが分かる”というんです。もう、つける薬がないですよ。やはり参議院でも自民に審判を下すということが大事です。
大企業に大盤振る舞い、中小業者は悲鳴、国民の命も守れない
はたやま 大企業への優遇でいえば、補正予算で盛り込まれた半導体企業ラピダスへの大盤振る舞いです。国がなぜそこまでカネを費やすか。成功が見込めないので融資など資金調達が進まない、販路についても見通しが持てていないのが現状です。だから、国がどんどん税金を出していく。
小池 トータルで4兆円にも?
はたやま 異常です。北海道では、中小企業がインボイス、物価高、人口減少などで悲鳴を上げているときに、半導体企業1社にこれだけの税金を費やすのか。自民党政治のゆがみが典型的に表れたもので、正面からただす党の値打ちを語っていきたいです。
小池 白川さんは、病院に勤務されていたので、医療や介護の問題はわがこととして取り組んできましたね。
白川 医療、介護、そして障害者の分野で、三つの報酬改定がされて、これがもう本当にすさまじく、とりわけ地方の事業所は、これから先どうやって事業を成り立たせていったらいいのか、住民の命をどう守っていったらいいのかっていう話がどこへ行っても出されています。介護の事業所は、訪問介護の報酬引き下げで成り立たなくなって、一つも事業所がない自治体は各地で広がっています。私は民医連(全日本民主医療機関連合会)の出身なので、各地の民医連の皆さんと懇談させていただいているのですが、これまでになく事業が大変な状況が語られます。小手先の支援策では何の効果もなく、診療報酬の改定をするしかないということです。
参議院での論戦で、倉林明子議員が臨時国会で質問された、病床数を1床減らせば400万円の支援があるという事例。なくせば支援をするといって、病床数をどんどん減らしていく。医療関係のみなさん、それからいま医療を必要としているみなさんは、コロナ禍で本当に大変な思いをして、病床がないということで命に関わるいろんな経験をしてきた。でも、いまそれをどんどん減らしていくような、そこにお金をつけるような国のあり方というものに腹が立っている、変えないかんねっていう話を各地でいただいています。
軍事費ねん出し、学費値上げ、農業切り捨て
小池 社会保障の切り捨ても大問題ですが、農業でも、財務省の財政審が、農業予算の増額は農業の振興につながらないと、予算の圧縮を求めています。5年で43兆円という大軍拡をすすめるために、あらゆる分野で、今までとは桁違いに、暮らしの予算や教育、農業、中小企業予算などを切り捨てようとしています。
はたやま 補正予算のもう一つの猛毒は軍事費が8268億円ということでした。吉良よし子参院議員は1000億円あれば、来年の大学の学費値上げはしないで済むと主張されていました。共産党ならではの論戦です。
総選挙のときにも、学費が払えずに退学したという学生と出会いました。孫の学費を年金から払っているおじいちゃんにも会いました。「月8万円出してる」と。お金のことで諦めなきゃいけないことに、なんで政治家は胸を痛めないのか。暮らしや教育を壊す大軍拡を許さないと訴えていきたいです。
全国の酪農家は今、戸数が1万を切ったのです。北海道も4500ぐらいです。牛のエサ代が高騰し、政府は「機械をどんどん入れて効率化すれば安く抑えられる」と言うんだけど、機械を入れた分が借金になり、かつてない深刻な状況です。しかし食料品の値段を上げれば、消費者は買えない。これは米の価格高騰も同じ構造になっています。だから、国が、農家が再生産できるように価格保障・所得補償を強めなきゃいけない。それが、安定供給にもつながります。軍事費には大盤振る舞い、暮らしや農業、地域経済の予算が少ないというのが矛盾を広げています。そこにメスを入れ、大本から切り替えていく共産党の議席がもっと増えなきゃいけないと、現場を回って実感します。
小池 財政審は飼料米に対する水田活用交付金の廃止まで主張しています。しかし、食料自給率を引き上げる決定打は家畜の飼料です。それなのに、飼料米への補助金をやめてしまえば、転作に応じた稲作農家を苦しめ、畜産農家を苦しめ、水田の保持という公共性も損ないます。こんな提案は撤回すべきだと国会で取り上げたら、自民党の議員からも「全くその通りだ」と反応がありました。
期待感ひしひしジェンダー平等の動き
小池 ジェンダーの平等をめざす取り組みも進んでいますね。私は、参議院の本会議で石破首相に同性婚の法制化を求めたのですが、その直後に、福岡高裁で、同性婚を認めないのは憲法13条の幸福追求権にも違反しているという画期的な判決が出ました。世界からみても異常なジェンダー差別に対して怒りが広がり、政治も変わりつつあると実感しています。論戦で前に進めることができるという手応えを感じています。
白川 香川県議会で自民党は、選択的夫婦別姓の「慎重な議論」を求める意見書をあげようとしました。2021年10月に、「議論の活性化」を求める意見書が可決されているんですよ。自らの議論を忘れたのかということで、各会派回りや、県議会前で抗議行動もしました。香川県内全ての自治体でも、議論を進める意見書を出してあげています。これにも反するような中身をあげようとするので、自民会派もそれはまずいと思ったんでしょうか、取り下げました。「新しい政治プロセス」はここにもあるって実感しました。県民、国民の声で政治を動かす時代なんだと。
山下 選択的夫婦別姓制度に取り組んでいる人たちと話をすると、もう次の通常国会で実現するんだという、非常に強い決意と展望を持っている。要求をずっと言い続けても阻まれてきたことから、次の通常国会での実現という具体的な相談になっているのは、すごいことかなと思う。
小池 同性婚裁判に取り組む当事者のみなさんや弁護団と懇談すると、同性婚を法制化することを前提に、どういう条文にするかという検討が始まっています。選択的夫婦別姓も実現することを前提に、子どもの名前についてどういう条文にするかという議論がされていて、ゴールが見えてきた、あと一歩だというところまで、たたかいが進んできているなと感じます。国会の責任はいよいよ重大ですね。頑張らねば。
山下 気候問題でいうと、エネルギー基本計画にともない、日本が責任を持つ温室効果ガスの排出を2035年でどこまで減らすのかが焦点になっています。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、気温上昇を1・5度に抑えるためには世界全体の排出量を2013年比で66%削減する必要があるとしています。ところが日本政府は60%削減にとどめようとしている。私と小池さんは経済産業省と環境省に、75%から80%削減を申し入れました。
若い人たちはそういう数字の意味を全部理解し、自分たちの未来に直結する問題として、「科学的危機感」を持っているわけです。もしもこのまま世界が変わらないのなら、2人目の子どもは産みませんとか。若い人たちが声を上げているのに、政府は全然、こたえようとしない。これがすごい怒りになって、経産省と環境省の合同審議会で異論が噴出している。経団連を取るのか若い人たちの未来を取るのか、石炭を取るのか地球の未来を取るのか、そういうことが、多くの国民の意識になりつつあるなと感じています。
被団協のノーベル平和賞、背を向ける政府
小池 昨年暮れは、日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)のノーベル平和賞受賞で、多くの人が核兵器のない世界にむけた思いを新たにしたと思います。
井上 授賞式には、本当に涙が出ました。受賞理由の説明をみても、今、核兵器が使われることへの危機感と、被爆者への敬意と期待、それを受け継ぐことへの期待をひしひしと感じました。それに石破首相が全然まともに答えない。昨年8月6日の直前に、拡大抑止の日米閣僚級会議が初めてやられた。今回は拡大抑止実務者協議を12月の10、11、12日にやっています。つまり平和賞の受賞の裏で日米で抑止力会議をやったわけですよ。田中煕巳(てるみ)代表委員は受賞講演のなかで、いざとなったら核兵器を使用するという抑止力に対して厳しい批判をしたけども、やはり、この点でも国会で論戦をはっているのは共産党なんです。結局、野党も含めて、抑止論の立場ですから、2017年の核兵器禁止条約が採択された国連会議に政府は欠席し、日本の政党としてはわれわれだけの参加でした。それでも、国民の大きな世論の中で、核兵器禁止条約締約国会議のオブザーバー参加を、ということを他党も言うようになってきた。大きな変化です。条約そのものに参加すべきだとずっと言っているのは共産党です。今年は被爆80年。条約に参加する政府をつくることが必要です。
白川 広島の被団協に行ったときに聞いた話です。被団協には、今までつながりがなかった、経済界とかから「一緒にやりませんか」という話や、自衛隊員だったっていう方が、被爆2世で今までずっと隠して生きてきたけれど活動したいという話が、どんどん入ってきています。本当にこれも新しい政治のプロセスの一つだなっていうふうに思います。そういう方向を多くの皆さんと一緒に進めていきたいです。
能登災害対応の無策、原発回帰のエネルギー計画に怒り
小池 能登半島地震から1年です。災害の問題も国会議員団をあげて取り上げてきましたが。
井上 元日でちょうど能登半島地震1年でした。現地にはボランティアの人がたくさん来ていますが、みんな「こんなに復興が遅れている災害は見たことない」といいます。豪雨災害も受け、「心が折れた」「見捨てられた」との声をききました。そんなこと自体いわせることが人災であり、政治の問題です。生業(なりわい)や住まいの再建ができていないのに、「自立しろ」といい、避難所もどんどん閉鎖する。住民の命や暮らしが守られ、元通りにできてこそ復興なんだっていうことが、中心に座るかどうかが、今、問われています。被災地はどんどん人口流出しているし、関連死も直接死を上回ったということで、本当にそこに焦点を当てた国の支援ということに思い切って変えないと、能登の希望が失われていく。頑張って転換しなくちゃいけない。
はたやま 原発の新増設も含めたエネルギー基本計画に対する怒りの声をずいぶん聞きました。福島は事故が続いているし、2万人が故郷に帰れないのです。農業、漁業も大きな打撃を受け続けています。茨城県の東海第2原発は、2021年に水戸地裁で、92万人も避難することが不可能だと運転差し止めの判決が下されました。この間、防潮堤の施工不良の内部告発が共産党県議団によせられ、大きな反響を呼んでいます。
青森では、むつ市の中間貯蔵施設、北海道では核のゴミの最終処分に向けた文献調査。北海道から北関東まで、原発の危険性とともに地域社会の分断、地域経済のゆがみが押し付けられています。
原発利益共同体の中で金が動き、裏金につながる。北海道、東北、北関東から「原発ゼロへ」といううねりを本当に広げたいとつくづく実感しています。
軍事要塞化、西日本で顕著
白川 私が活動地域とする西日本17県は、どこもが軍事的な要塞(ようさい)、基地、出撃の前線の場になっています。佐賀空港では、すぐ隣に、オスプレイを配備する自衛隊の基地をつくっています。臨時国会で成立した補正で予算がつきました。馬毛島、辺野古新基地など、補正予算でついた軍事的予算は西日本に集中しています。岩国に行ったときには最新鋭のF35戦闘機が配備され、ひっきりなしに飛んでいく。四国の上空を大爆音で通ったり、九州や沖縄にも行ったりしています。これを何としても止めるんだ、国民的な大きな課題にしていく必要があります。
小池 陸上自衛隊のオスプレイの与那国島での事故原因について防衛省は「エンジンの出力を上げるスイッチを押し忘れたから」と。ところが米軍やボーイング社は、「スイッチを押さない方がいい」と。押しても押さなくても事故を起こす欠陥機は飛行停止すべきと求めましたが、石破首相は「安全性は確認されている」と言い続けました。米軍も一時的ですが飛行停止したのに、日本政府は、「アメリカ言いなり」どころか、言われていなくてもつき従うでしょう。
税制のゆがみただす議論を
小池 いま、「103万円の壁」が話題になっていますが、これは税制のゆがみの一部であり、生計費には税金はかけないという原則にてらした改革が必要です。その原則を貫くならば、生計費そのものに情け容赦なくかかってくる消費税の減税、廃止こそが必要です。
一方で、大企業や富裕層に対しては、あらん限りの減税をしてきました。株取引に対する優遇で所得が1億円を超えると税負担が下がる「1億円の壁」も取り払わねばなりません。このような税制全体のゆがみを見直そうという議論を正面から提起しているのも、共産党ならではです。
学生のアルバイトが103万円を超えると、親の税負担が増えるから壁をなくそうという議論もあるけど、年間103万円というのは、最低賃金でいえば、毎日4時間以上のアルバイトになり、それでは学業はおろかサークル活動もできない。学費を無償化し、給付制奨学金を拡充して長時間のアルバイトをしなくてもいい学生生活を保障するのが、政治の一番大きな責任です。
山下 総選挙の話に戻りますが、「自由な時間ありますか」とのフライヤーは群を抜いて受け取ってくれました。やはり、賃上げと一体に労働時間の短縮っていうのは働く人たちにとって切実な要求だということがよく分かりました。公務職場での会計年度任用職員は、今もすごいたたかいが続いていて、いろんな形で労働組合が組織していっています。実際に、1年とか3年、5年の雇い止めをやめさせていくルールをそれぞれつくっている。会計年度任用職員は、モノを言えば、雇い止めという心配があるから、いろんな不合理・不平等なことがあっても黙っている。けど、労働組合に入ったらどんどん自由に対等の立場で言える。たたかってこそ変わる、たたかってこそ権利は勝ち取れるっていうのは、労働者の中で、特に非正規雇用の中で確信になっていることじゃないかな。
「国民の願い届ける」参院議員、比例5人勝利で必ず
小池 参院選にのぞむ決意、意欲のほどをおねがいします。
はたやま 紙智子参院議員が勇退され、その後を継ぎます。紙さんは北海道だけでなく全国の農家の声、漁師の声を届けてきました。私の活動地域は、農林漁業が基幹産業という地域が多くあります。政策的土台をつくり信頼を広げてきた紙さんの実績をしっかり引き継いで、頑張りたい。
比例5議席を取れれば、自民党政治をもとから変える転換点になっていくと実感しています。各地で聞いてきた声を、今度は必ず国会に届ける決意です。
井上 被爆2世として、核兵器廃絶はライフワークとしてきました。6年前の選挙は、核兵器禁止条約の国連会議に参加した2年後で、禁止条約に参加する日本をと訴えました。その後、どんどん参加国が広がって、条約が発効し、今回はノーベル平和賞受賞と、被爆80年の年の選挙。核抑止論と正面からたたかってきた共産党が伸びることが本当に大事です。被爆80年の年の選挙になったのは運命的なことも感じて、何が何でも勝ちたいと思っています。
山下 阪神・淡路大震災の被災者支援が国会活動の原点です。今年は大震災30年です。震災の年に初当選し、こんなにも国会議員とは無力なのか、どんなに被災地の声を突き付け個人補償をせまっても、「私有財産の国では自己責任が原則だ」との冷たい壁に阻まれた。そのときに起こったのが、政府がやらないんだったら市民と議員が一緒に法律をつくろうという運動です。そこに飛び込んで動かすことができた。私は、それは今の市民と野党の共闘の原点だと思っています。今、共闘は困難な面もあるけど、やはりこの参院選で共産党が前進し、それでまた共闘の新しい発展をつくる。変わり始めた日本の政治を、党が伸びて前に進める。そのために5人ワンチームで頑張りたい。
白川 5人全員の当選を勝ち取るということが一番大事なところになるんですが、四国でも21年間、共産党の議席がなくそこは四国の悲願でもあるし、九州から党の女性国会議員を出したことがないとの悲願もあります。それを本当に、参院選で、しっかりと結実をさせていきたい。新しいプロセスをつくったんだから、国民と力を合わせてこのプロセスを前へ進める。そういう力になるならば、という思いで決意をしました。頑張っていきたい。
小池 国民が新しい政治を求めるプロセスが進んでいることが、それぞれ語られました。これをさらに前へと進めるカギは、「アメリカ言いなり、大企業中心」という政治のゆがみに切り込む立場を持っている共産党を躍進させることです。そのために、比例5人全員の必勝と、選挙区では東京の吉良よし子さん、埼玉の伊藤岳さん、そして京都の倉林明子さんの議席を守り抜いて、さらに議席を増やしていきたい。
国会活動のうえでも、比例5議席はどうしても必要です。現在、参院議員団は11人なので、法案を提出できています。企業・団体献金全面禁止法案も、政党助成法廃止法案も提出できました。院内交渉会派(10議席以上)として、本会議での質問や討論も、毎年30回程度はできます。しかし11議席を割れば法案を出せなくなり、10議席を割れば、本会議質問は年2、3回に激減しかねません。
国民のみなさんの声を国会に届け、実現する党参院議員団の役割を発揮するためにも、比例代表選挙で「650万票、得票率10%以上」で5人全員を当選させなければなりません。それは、選挙区での現有議席確保と前進の大きな政治的流れをつくるうえでも決定的に重要なのです。
今日のお話を聞いてもわかるように、比例候補の5人は、政治を動かす力を持った、試されずみの「ベストチーム」です。1人も欠かすわけにはいきません。
6月の都議選に勝利し、7月の参院選では、「比例は共産党」と広げぬいて、5人全員必ず当選を勝ち取る。私自身もその一員として全力をあげます。
全員 勝利にむけ頑張りましょう。