しんぶん赤旗・・・きょうの潮流
「もはや正気の沙汰でない」と、仲井真知事。「あってはならないことだ」と、野田首相。米兵2人が、沖縄で20代の女性に集団暴行を加えた事件で す
▼2カ月前にも那覇市で、米海兵隊員が強制わいせつ事件で逮捕されたばかり。あってはならない狂気の沙汰の恐怖が、沖縄では日常です。島の大地はどれほ ど多く、女性たちの涙をすい、ともに泣いてきたのでしょう
▼沖縄を占領した翌年の1946年、アメリカの軍人がのべました。「(アメリカ)軍政府はネコで 沖縄はネズミである。ネズミはネコの許す範囲でしか遊べない」。人々の自由を奪う占領者の言葉は、いまも昔話で終わっていません
▼まるでネコがネズミを捕 まえるように女性を襲い、はずかしめ、乱暴する米兵。こんどの事件の場合、米兵は神奈川の厚木基地を出て沖縄に寄り、犯行におよんだあと、その日にグアム へ出国する予定でした。1人は容疑の一部を認めていませんが、彼らは沖縄を、無法も許される“占領者の楽園”とでも思っていたのか
▼沖縄が本土に帰り、 40年がたちます。復帰した1972年からことし9月末までに、米軍人や軍属が沖縄で検挙された刑事事件は5790件といいます。1年あたり約150件。 2日半に1件の割合です
▼被害者の女性は、泣き寝入りしませんでした。事件を知り、「歩く凶器・米兵 空飛ぶ凶器・オスプレイ」と憤り、基地の撤去を求め る人も多い。米軍は気づくべきでしょう。沖縄をネズミと思っていたら大間違いだ、と。