“抜け穴”使い 金集め 政治資金パー券利用
橋下「日本維新の会」 「企業・団体献金禁止」掲げるが…その実態は
橋下徹大阪市長が代表を務める「日本維新の会」は、「企業・団体献金の禁止」を規約で掲げています。ところが橋下氏は「ただね、ザルがある。抜け 穴がパーティー」
(9月19日の記者会見後の囲み取材)などと発言。政治資金パーティーを容認することで事実上は、企業・団体献金を続けようとしていま す。橋下氏はパーティーをどう
“抜け穴”として利用してきたのか。これまでの金集めの実態からみてみると―。 (森近茂樹)
政治資金収支報告書によると橋下氏の政治団体「橋下徹後援会」には、3年間(2008年~10年)で計1億915万円の収入があります。このうち政治資金パーティーによるも
のが7839万円と7割以上を占めているのです。
「あっせん」で
さらに同会のパーティー収入は、実態をわかりにくくする手法がとられています。上限なしでパーティー券代を主催者に収めることが可能な「あっせん者」によるものが3年間で約
4927万円と、収入の6割以上になります。
1個人による「あっせん」額の最高は613万5千円。469万円、420万円、391万5千円と高額が並びます。
「あっせん者」は、パーティー券を購入してもらった人の名前や額は、内訳を記録した「明細書」にしてパーティーを主催する政治団体に提出します。
しかし、政治資金規正法では、政治団体に「明細書」の公開は義務付けられていません。そのために実際に誰がいくら購入したのか、収支報告書にはあらわれません。「あっせん」
の実態はきわめて不透明です。
「あっせん者」と橋下氏の癒着が指摘されたこともあります。
08年1月に大阪府知事に初当選した橋下氏は、同年6月に橋下徹後援会で政治資金パーティーを開催し1819万円を集めました。この収入の1割に あたる180万円分を「あっ
せん」した知人の建設業者が、その後に5件の府公共工事を次々と受注。その総額は6億7784万円にのぼりました。(本紙11 年11月5日付既報)
「大阪維新」も
橋下氏が代表を務める「大阪維新の会」もパーティーで金集めをしています。10年の同会の収入は6792万円。そのうちパーティー券収入が 4550万円を占めています。今年
9月12日に同会が開催して、「日本維新の会」の結党を宣言したパーティーも1枚2万円で「のべ4千人」(同会担当者) が参加しました。
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あっせん者 政治資金パーティーを行う政治団体に代わって、パーティー券の販売と集金を行う人のこと。政治資金規正法では同一の人 のパーティー券購入額は上限150万円
までと定められていますが、「あっせん者」の場合は限度額がありません。額が20万円を超えると「あっせん者」名と 「あっせん」額を政治資金収支報告書に記載することになってい
ますが、実際に購入した人などの「明細書」の公開は義務付けられていません。