南北、板門店宣言の履行案を水面下で調整中
高官級会談と分野別協議のどちらを先に行うか
今週中に構成される「南北首脳会談履行推進委員会」で確定される見込み
5月中に将官級軍事会談、離散家族再会のための赤十字会談
国防部は30日朝「軍は5月1日から『板門店宣言』の後続措置として、優先的に軍事境界線付近の対北朝鮮拡声器放送施設の撤去を開始する」と発表した。国防部は「軍事境界線付近ですべての敵対行為を中止し、その手段を撤廃することにした板門店(パンムンジョム)宣言を遵守するための措置の一環」だと説明した。これは、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が同日午後、大統領府首席・補佐官会議で「政府レベルのスピード感のある(板門店宣言の履行)後続処置」を強調したことと軌を一にする。
文大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は27日、板門店首脳会談で「速度(戦)」と「不可逆的移行・実践」の重要性を重ねて強調した。板門店宣言の履行は、南と北の一方的・友好的処置を通じても可能であるが、根本的には宣言の履行に向けた後続会談を通じて行われるしかない。
これに先立ち、南北首脳会談準備委員会は板門店宣言の説明資料で、後続会談の体系に関連し、「分野別の合意事項の履行案を話し合うため、南北将官級軍事会談や南北赤十字会談など後続会談も北側と協議して開催する」とし、「続いて南北高官級会談を開き、板門店宣言の履行案を具体的に協議する」と明らかにした。「分野別の後続会談→高官級会談」の順に後続会談を進めていくという案だ。板門店宣言のうち、まず具体化できる内容を選び、分野別で合意・実践した後、その成果と動力をもとに高官級会談を開いて、さらに大きな枠組みの追加合意と実践を図るという計画だ。
しかし、このプロセスはまだ確定されたものではない。政府当局者は「高官級会談を一番先に開催する案も内部的に検討している」と話した。高官級会談はチョ・ミョンギュン統一部長官と北側のリ・ソングォン祖国平和統一委員長が首席代表を務めている。
政府が最終的にどちらを選ぶかは、今週中に構成される見込みの「南北首脳会談履行推進委員会」で検討・確定するものと予想される。これと関連し、政府当局者は「後続会談の推進方式は北側との協議の結果や朝米首脳会談推進日程など、周辺環境などをすべて考慮して決める」と話した。南北は板門店などを通じて、後続会談の日程など板門店宣言の履行案と関連し、水面下で緊密な協議を続けているという。
ただし、南北がいかなる後続協議のプロセスを選んでも、板門店宣言で時期を明示した将官級軍事会談は「5月中」の開催が確定的だ。これと関連し、チェ・ヒョンス国防部報道官は同日の記者会見で「誰が(首席代表を務め)、いかなる議題で、いつ行うかについては、まだ決まっていない」と明らかにした。
板門店宣言で「8・15を機に」と時期を明示した「離散家族・親戚の再会」を現実化するのに必須な南北赤十字会談も、5月中に開催される可能性が高い。前例からして、再会行事を準備するには、少なくとも2~3カ月の時間を要するからだ。チョ・ミョンギュン統一部長官も「赤十字会談と離散家族の再会は、他のことより優先すべき事項の一つ」だと述べた。