裏金事件 反省なき自民党
開き直り 3閣僚パーティー
料亭などで飲み食いも?
岸田文雄首相が14日、裏金事件をめぐって「私が身を引くことでけじめをつけたい」などとして、突然、自民党総裁選に立候補しないことを表明しました。ところが、みずからの足元をみれば、自民党3閣僚が7月末から8月にかけて「大臣規範」で「自粛」を決めている政治資金パーティーを相次いで開催していました。そのうえ、「違法でも脱法でもない」「(開かないと)破産宣言しなきゃならない」などと開き直っています。その閣僚たちの資金管理団体を調べてみると、「けじめ」なき実態が明らかになりました。(藤沢忠明)
政治資金パーティーを開いたのは、松本剛明総務相、鈴木俊一財務相、武見敬三厚生労働相。いずれも麻生派所属です。それぞれの資金管理団体、「松本たけあき後援会」、「清鈴会」、「敬人会」の政治資金収支報告書(2022年)によると、その年の収入総額は5200万~7000万円近くあり、いずれもその8割以上を政治資金パーティーの収入が占めていました(表参照)。
会場費や記念品費、司会料、配布資料代など、パーティーにかかった経費はいずれも600万~700万円台で、利益率は8割台。事実上の企業・団体献金である政治資金パーティーに収入を依存し、少ない経費で荒稼ぎしていることがわかります。
「金庫カラに」
では、どんな使い方をしているのか―。
武見厚労相は、2日の記者会見で、パーティーを7月29日に開催した理由について、「事務所の金庫は7月中旬で全くカラになることになっていた」とのべました。
武見氏の「組織活動費」には「打合せ会議費」という支出が計1321万34円にも。このうち、料亭や鉄板焼き店、中華料理店、ちゃんこ店など、支出先を記載しているのは221件、1087万8479円にのぼります。2日に1回以上、“打ち合わせ”をしている計算です。
「政治活動」か
政治資金の所管大臣である松本総務相は、8日の記者会見で、「政治活動には一定の経費もかかる」などとパーティー開催を合理化しました。
ところが、「組織活動費」のうち、「会合費」の名目で、東京・赤坂の懐石料理店と、東京・虎ノ門のすし店に各26万4000円など、計25回、252万9651円の支出があります。 これらが、「政治活動」といえるのか。
岸田首相は、「自民党は変わらなければならない」などとのべましたが、3閣僚の開き直りは、自民党全体の無反省ぶりを浮き彫りにしています。