2023年7月29日(土)
自衛隊HPより
「日米統合抑止」を明記
防衛白書 安保3文書の項目新設
浜田靖一防衛相は28日の閣議で、2023年版防衛白書を報告しました。昨年末に改定した安保3文書に関する項目を新設。日米の防衛戦略は「軌を一にしている」とした上で「日米共同の統合的な抑止力をより強化する」と明記しました。同盟国と同志国を総動員して覇権を維持する米国の「統合抑止」戦略を念頭に、日米の軍事一体化を進めていく狙いを示しました。
白書は「核抑止力を中心とした米国の拡大抑止」を強靱(きょうじん)にすると言及し、米国の核に依存する姿勢を示しました。米軍の指揮下で敵基地攻撃能力(反撃能力)を行使する「統合防空ミサイル防衛」(IAMD)について、イラスト付きで解説。敵基地攻撃能力は「侵攻を抑止する鍵」だとしました。
中国の軍事動向について「最大の戦略的挑戦」と明記。「同盟国・同志国などとの協力・連携により対応すべき」だとして、中国包囲網の形成の意向を示しました。中国と台湾の軍事バランスについて「中国側に有利な方向に急速に傾斜」と従来より踏み込みました。中国、ロシア両軍による日本周辺での共同活動に「重大な懸念」を表明しました。
ロシアによるウクライナ侵略について、ロシア軍とウクライナ軍ともに兵士や武器の面で戦闘を継続する能力があるとして、「戦闘が長期化する可能性も指摘されている」との見通しを示しました。
また、武器輸出の推進に関する記述を拡充。武器輸出は「わが国にとって望ましい安全保障環境の創出」につながるとし、「防衛装備移転三原則や運用指針の見直しを検討する」と盛り込みました。
沖縄県名護市辺野古での米軍新基地建設は、普天間基地(同県宜野湾市)の「継続的な使用を回避するための唯一の解決策」だと固執しています。