大橋みつるの平和ト-ク・・世直しご一緒に!

世界の変化を見ながら世直し提言
朝鮮・韓国・中国・ロシアとの友好促進
日本語版新聞紹介

財務省が決裁文書14件を改ざんし、国会に提出。文書から、安倍晋三首相や妻の昭恵氏らに関する記述が削られていました。

2020-03-19 | 科学的社会主義の発展のために
「改ざん強制され自殺」
財務省「森友文書」
国と佐川元局長を提訴
近畿財務局職員の妻

 財務省近畿財務局職員だった赤木俊夫さん=当時(54)=が森友学園問題をめぐって決裁文書の改ざんを幹部らに強制され、うつ病を発症し2018年3月に自宅で自殺したとして、赤木さんの妻が18日、国と佐川宣寿(のぶひさ)・元財務省理財局長を相手取り、総額約1億1千万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴しました。

           

(写真)自殺した赤木俊夫さんは自筆でも手記を残していました。「指示もとは佐川元理財局長と思います」などと書かれています

 国が学校法人「森友学園」(大阪市)に国有地を不当に値引きし売却した問題では、財務省が決裁文書14件を改ざんし、国会に提出。文書から、安倍晋三首相や妻の昭恵氏らに関する記述が削られていました。

 訴状によると赤木さんは、17年2月26日、上司だった当時の統括国有財産管理官に呼び出され、決裁文書の改ざん作業をさせられたといいます。その後4月にかけ、終業時間が午前2時や3時という日々が続きました。

 赤木さんは改ざんに強い抵抗感があり、3月初めごろまでには財務省本省からの度重なる指示に涙を流して反発したといいます。これを受けて近畿財務局幹部はいったん「応じるな」と指示。しかし本省の理財局総務課長らが直接電話で、改めて改ざんを指示したといいます。

 快活だったという赤木さんはこのころから笑わなくなり、妻には「内閣が吹っ飛ぶようなことを命じられた」「最後は下っ端が責任を取らされる」などとこぼしました。7月にはうつ病と診断されました。大阪地検の検事から電話で事情聴取を受けた12月ごろには「死にたい」と口にするようになり、自殺に至ったとしています。

 訴状は、改ざん強制による強い心理的負荷や超過勤務で、赤木さんの心身の健康を損なうことがないよう注意する義務を国が怠ったとしました。

 佐川氏については「改ざんという違法行為を発案し、主導的立場から指示した」ことから公務員としての職務執行ではなく、佐川氏個人の不法行為として責任を問うています。

 同日、妻の代理人弁護士2人が大阪市内で会見。訴訟の目的として▽自殺に追い込まれた原因と経過の解明▽だれの指示で改ざんが行われ、どのようなうその答弁が行われたのかを公的な場で説明すること―などを挙げ、佐川氏を証人に呼びたいとの意向を示しました。

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経済の長期にわたる好調という基本的側面や内在的な上昇トレンドには変わりがない。具体的には『5つの変わらない点』に現れている」として、以下の5点を指摘した。

2020-03-18 | 中国をしらなければ世界はわからない
中国の国民経済、感染症の打撃を耐え抜いた
人民網日本語版 2020年03月17日15:17

          

2020年3月15日、江西省瑞昌市武蛟郷の1万ムー(約666.7ヘクタール)の菜の花畑が満開になり、訪れた観光客が春を楽しんでいた。(撮影・張緒雄。写真提供は人民図片)

突如やって来た新型コロナウイルスによる肺炎の流行に直面して、今年の中国経済はどんなスタートを切っただろうか。国家統計局の毛盛勇報道官(同局国民経済総合統計司司長)は16日に国務院新聞弁公室で行われた記者会見で、「1-2月の国民経済は新型肺炎による打撃を耐え抜いた」との見方を示した。

全国の一定規模以上の工業企業(年売上高2000万元以上の企業)の工業付加価値額は前年同期比13.5%減少し、全国サービス業生産指数は20.5%低下した……1-2月の主要経済指標はほぼ軒並み大幅に低下した。こうした状況をどうみるか。

毛報道官は、「感染症は確かに当面の経済運営に比較的大きな打撃を与えた」とした上で、「感染症が当面の中国経済に与える影響は短期的なもの、外在的なもの、全体的にコントロール可能なものだ。中国の基本的な国民生活は力強く保障され、社会の大局は安定を維持しており、経済の長期にわたる好調という基本的側面や内在的な上昇トレンドには変わりがない。具体的には『5つの変わらない点』に現れている」として、以下の5点を指摘した。

(1)生産ニーズの量がかなりあり、極めて大規模な経済がもつ優位性には変わりがない。2019年は中国経済の規模が100兆元(1元は約15.2円)に迫り、主要工業製品の生産量は長年にわたって世界一を維持し、このことが緊急事態への対応に確かな力強い物質面での保障を提供した。

中国の国民経済、感染症の打撃を耐え抜いた (2)

          

2020年3月16日、江蘇省連雲港市の江蘇天明特殊車両有限公司の製造ラインで作業員が忙しそうに働いていた。(撮影・王春。写真提供は人民図片)

1-2月は感染症の打撃が比較的深刻だったが、主要な生産指標は規模も量も相当なものだった。一定規模以上の工業企業の生産額は11兆5千億元に達し、社会消費財小売総額は5兆2千億元を超え、固定資産投資は3兆3千億元を超えた。

(2)基礎的工業と防疫物資は力強く保障され、強大な経済発展の強靱性には変わりがない。感染症の流行中にも、国の経済と国民生活にかかわる重要な業界が生産を中断することはなかった。また防疫製品の生産量が短期間で非常に大規模に増加し、感染症対策のニーズに十分に対応することができた。1-2月の一定規模以上の工業企業のマスク生産量は前年同期の2.9倍に増加し、マスクの1日あたり生産量は1億1600万枚に達し、ここから中国の強大な供給能力が医療物資の供給を力強く支えたことがわかる。

(3)生活必需品と公益事業の用品は供給にゆとりがあり、需給関係は全体的としてバランスが取れていることには変わりがない。感染症の流行中にも、14億人の基本的生活は有効に保障され、消費財は全体として好調な伸びを維持した。たとえば肉類・家禽類・卵類の小売額は37.8%増加し、野菜類の小売額も27.1%増加した。

(4)インターネット経済が順調に発展し、新たな原動力が急速に成長する流れには変わりがない。物資の調達配置、オンライン遠隔医療などで、ネットは保障の役割を十分に発揮した。1-2月の実物商品のネット小売額は3%増加し、社会消費財小売総額に占める割合は21.5%に達し、割合は前年同期に比べて5ポイント上昇した。3Dプリンター、スマートウォッチなどの電子製品の生産量は増加率が100%を超えた。

中国の国民経済、感染症の打撃を耐え抜いた (3)

          

2020年3月16日、内蒙古(内モンゴル)自治区呼和浩特(フフホト)市では、市民が感染症対策をしっかりした上で、外に出て春の一日を楽しんでいた。写真は空に上がったタコを追いかける子どもの様子。(撮影・丁根厚。写真提供は人民図片)

(5)マクロ調整によるリスクヘッジ政策は力強く有効で、通年の目標達成への信頼感には変わりがない。中央政府が最近打ち出した一連の政策・措置は、感染症対策を支持し、業務再開を支持し推進するもので、政策の効果が絶えず顕在化している。

現在、中国の経済成長はいくつかの挑戦に直面している。感染症対策が第1四半期に、特に1-2月にある程度の打撃を与え、海外での感染症拡大のペースが速く、金融市場と大口商品価格の変動が大きく、市場の期待は不安定で、グローバル経済の成長がペースダウンする可能性がある。

しかし中国経済が安定した運営を維持するための多くの有利な条件もそろっている。中国国内の感染症対策は着実な成果を出し続けている。企業の活動再開、生産再開のプロセスは順調だ。中国経済の内生的な原動力は感染症対策が着実な成果を上げた後に絶えず発揮されるようになり、これまで制約されてきた一部の経済活動も行われるようになるだろう。2月の中-下旬以降、企業の業務再開のペースが加速し、3月の経済指標は1-2月を明らかに上回ると予想される。第2四半期は第1四半期に比べて明らかに回復上昇するだろう。下半期の中国経済はより穏やかに進展するとみられ、通年の経済は安定した健全な運営が行われると確信する。(編集KS)

「人民網日本語版」2020年3月17日
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第一に、連携して感染症に必ず打ち勝つという自信。第二に、国際協力実務の「行動派」となる。第三に、肩を並べて感染症と戦う団結の力を伝える。

2020-03-17 | 人民網日本語版
世界中で急を告げる感染症 習近平国家主席の5つの見舞い電報の「情と義」
人民網日本語版 2020年03月16日11:28

習近平国家主席はこのほどミシェル欧州理事会議長(EU大統領)とフォンデアライエン欧州委員長、韓国の文在寅大統領、イランのロウハニ大統領、イタリアのマッタレッラ大統領宛てにそれぞれ見舞い電報を送った。中国新聞社が伝えた。

取材した学者は「各見舞い電報は長くはないが、字の中と行間からは濃い『情と義』が滲み出ており、世界中で感染症が急を告げている瀬戸際において、世界に少なくとも3つのメッセージを伝えた」と指摘する。

第一に、連携して感染症に必ず打ち勝つという自信。

「『我に投ずるに木桃を以てす 之に報ゆるに瓊瑶を以てす』。中国の最高指導者が正念場において立て続けに5つの見舞い電報を送った。これは友人への気遣いを伝えるとともに、非常時における非常な行動、つまり自らが感染症の影響を受けている国に雪中に炭を送る姿勢を示したのだ」と中国国際問題研究院の阮宗沢副院長は語る。

習主席が見舞い電報で、こうした国々や地域が感染症の影響を受けていることへの深い関心と見舞いの意を表すとともに、人々は手を携えて必ず感染症に打ち勝つことができるとの自信も伝えたことに、政治評論家らは注目している。

中国国際問題研究院アジア太平洋研究所の劉卿所長は「『自信』は一貫してこの時期に習主席が世界に伝えてきた鍵を握るメッセージだ。習主席は中国の感染症との戦いを指導する際にも、電話や見舞い電報などの方法によっても、感染症との戦いの正念場において、自信を揺るぎないものにし、困難を迎え撃つことの必要性を世界に語ってきた。これは一貫して習主席の強調する感染症に打ち勝つための重要なパスワードでありノウハウだ」と指摘する。

第二に、国際協力実務の「行動派」となる。

阮氏は「習主席は見舞い電報で、『引き続きできる限りの支援をする』ことに数回言及した。中国の感染症との全面的な戦いはまだ終結しておらず、感染症対策物資は依然ぎりぎりの状態にある。こうした中、中国は『できる限りの』範囲内で助け合いの手を差し伸べる。各国間でこの情誼がとりわけ貴重なものであるのは明らかだ」と指摘する。

「国と国の間で同舟相救い、物資面で互いにやりくりし、感情面で苦難を共にする姿勢を示す。これはまさに緊迫した時において国際協力を実施する最も素朴な一歩だ」。劉氏は「実際には、これは元々中国の終始一貫した姿勢であり、中国は一貫して感染症との戦いにおいて国際協力を実施する積極的な行動派でもある」と語る。

第三に、肩を並べて感染症と戦う団結の力を伝える。

南開大学周恩来政府管理学院の常健教授は「感染が世界中で拡大し続ける中、どの国も、誰も自分の事ばかり考えることはできない。習主席は感染の深刻な地域への見舞い電報で『団結』という言葉を繰り返し強調した。これは『人類共通の命運を見守る』という真摯な呼びかけと見なすことができる。この時期において全ての国は一致団結し、共に困難を克服し、各国民の健康を共に守るべきだ」と指摘する。

だがしばらくの間というもの、西側の特定の政治屋は無責任な発言をぶち上げ続け、中国に責任を押しつけ、感染症と戦う中国政府・国民の努力を中傷してさえいる。

阮氏は「冷たい言葉を浴びせ、井戸に落ちた者に石を投げつけるやり方を前に、習主席は中国を指導して実務的行動によって、団結と共通認識を固め、実際には人類運命共同体の内容を一層強化した。これは偏見を持つ者に対する最良の対応だ。感染症を前に、中国が圧倒的多数の国々と共にあり、歴史の正しい側に立っている事自体が、すでに団結の力を伝えている」と指摘する。(編集NA)

「人民網日本語版」2020年3月16日
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元助役が関電側に、自身の関連企業への工事の発注や工事情報の提供を要求し、応じさせてきたと指摘。

2020-03-17 | 原発再稼動反対・増設・輸出反対
関電役員ら75人に計3.6億円
原発マネー還流疑惑 工事発注の「見返り」
第三者委報告書


          

(写真)会見する関西電力の第三者委員会=14日、大阪市内

 関西電力の役員らが福井県高浜町の森山栄治・元助役(故人)と関連企業から多額の金品を受け取っていた原発マネー還流疑惑で、関電が設置した第三者委員会(委員長・但木〈ただき〉敬一元検事総長)が14日、大阪市内で会見し、調査報告書を公表しました。関電と関連会社の役職員ら計75人が元助役と関連企業から計約3億6千万円を受け取っていたことを明らかにしました。元助役が金品を贈ったのは工事発注などの「見返り」が目的だったとしました。

 今回調査で新たに52人の受領が判明。うち5人は受け取った金品が100万円相当を超えていました。報告書は、元助役の退任直後の1987年から2010年代まで、まんべんなく金品の受領が続いていたとしています。

 但木氏は、福島第1原発事故後に関電が原発再稼働を目指してきた時期が事態の「変わり目」の一つと表現。新規制基準に対応するため原発工事が増える中、「金品を受けた役職員の数や金品の額も急激に増加した」と述べました。

 金品を贈った目的について報告書は、元助役が関電側に、自身の関連企業への工事の発注や工事情報の提供を要求し、応じさせてきたと指摘。但木氏は「見返りとして受注企業から経済的利益を得る構造を維持することが目的だったと判断した」と述べました。

 元助役が関電側に影響力を持った事情について但木氏は「高浜原発3・4号機の増設に多大な貢献をしたことがパワーの源泉の一つだ」と説明。一方、増設をめぐる過程に「不透明な部分もあり、彼がそこを握っていた」と述べ、「暗部を握っているというのが第二のパワーの源泉だった」と語りました。

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韓国と中国から来る人々に対する日本政府の入国制限については、「専門家会議で議論したことはない」と話した。

2020-03-12 | 日本と韓国・朝鮮・中国との友好
[インタビュー]「日本の韓中からの入国制限は、公衆衛生学的には必要な措置ではない
登録:2020-03-11 22:31 修正:2020-03-12 08:21


日本政府の新型コロナ専門家会議メンバー 
押谷仁・東北大学大学院医学系研究科微生物学分野教授 

          
 
「日本政府は入国制限について専門家に意見を求めていない 
韓国と中国から感染者が流入するする可能性は低い 
 
SARSのように完全な封鎖は不可能… 
集団感染の発生遮断が重要 
 
アフリカで大流行が起きれば 
東京五輪の開催は難しいだろう」

押谷仁・東北大学大学院医学系研究科微生物学分野教授が10日、東京で新型コロナ(COVID-19)に関する日本の対策について話している=チョ・ギウォン東京特派員//ハンギョレ新聞社

「新型コロナウイルス感染クラスターの発生をどのように食い止めていくかが主要課題となっている」

 日本政府が設置した新型コロナウイルス(COVID-19)専門家会議のメンバーである押谷仁・東北大学大学院医学系研究科微生物学分野教授は10日、感染拡散防止のための国際協力を強調した。また、韓国と中国から来る人々に対する日本政府の入国制限については、「専門家会議で議論したことはない」と話した。以下は一問一答。

-現在の日本の状況をどう判断するか。

=クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」を除いては、大きな感染の拡大はない。北海道の札幌市が一時危険だったが持ちこたえており、東京、神奈川、大阪でも危険な兆候は見られるが持ちこたえている。

-ウィルスが夏になると弱まる可能性はあるか

=そうではない。短期的には弱まらない。最初は中国だけで感染者が各地で出た。今は中国が感染を效果的にコントロールしていて感染者が外に出ない。しかし、今は感染者が東南アジアや中東にもいる。急速に世界に感染が拡大している。中国以外の地域から感染者が流入する可能性もある。東南アジアと関係が深い韓国や日本は、短期的にはとても難しい状況になると思う。

-東京五輪は予定通り開催できるか

=世界がどうなるかにかかっている。すぐ収拾されることはないと思う。アフリカで今後流行がありうる。アフリカできわめて大きな流行が起きれば、五輪はできないだろう。日本国内の流行を抑制したからといって五輪ができるわけではない。世界的に急速に拡散する状況になり、世界のどこかの地域が五輪に参加できないとなれば、五輪を開催するのは難しいのではないか。

-新型コロナウイルスと普通のインフルエンザを比較すれば

=普通のインフルエンザとは比較にならないほど危険なウイルスだ。普通のインフルエンザは、ウイルスそのものは人を殺さない。高齢者が細菌性肺炎になったり心筋梗塞を起こしたりするインフルエンザ関連死で人が死ぬ。しかし、このウイルスはウイルス自体が人を殺す。高齢者にとって非常に危険なウイルスだ。また、インフルエンザにかかれば、概ね80~90代で死亡者が出る。しかし、新型コロナウイルスは、80代、90代だけではない。50、60、70代でも死亡する場合がある。季節性インフルエンザにはあまりないケースだ。

-韓国と中国に対する入国制限措置についてどう思うか。

=私は専門家会議のメンバーだが、韓国と中国からの入国制限は我々が推奨したことではない。(新型コロナウイルスは)世界に広がった。東南アジアに広がり、米国も危ないと言われている。一体どこまで(入国制限を)するのか。米国に感染が拡大すれば、米国からの入国を制限するのか。そうするには方法は鎖国しかない。これをするというオプションはもちろんあるが、きわめて大きな経済的損失が起きる。非常に厳しい状況にアグレッシブな対応をしなければならない状況もありうるが、今はそのような状況ではない。韓国と中国から感染者が流入する確率は極めて低いため、公衆衛生学では今必要な対策ではないと、個人的に私は考えている。

-菅義偉官房長官は、専門家会議を経ていないと認めた。専門家会議で議論はしたのか。

=議論されたことはない。(政府が専門家会議に)聞いたこともない。

-SARSとは異なり、感染の封じ込めは難しいという見解と理解しているが

=SARSのような封じ込めは現在不可能だ。しかし、新型コロナウイルスにも弱点があり、実は80%以上の人は誰にもウイルスを感染させない。ただし、一人の感染者が多くの人に感染させる事例がある。そうした例が、韓国のある宗教集団や大阪のライブハウスだ。我々はこれを(感染)クラスターと呼ぶ。今、日本は持ちこたえているが、これからどうなるかは微妙だ。

-水際対策だけを強調しない方が良いのか

=水際対策も重要だ。しかし、感染事例が一つ出たからといって騒ぎ立てずに、クラスターを作らないようにすることが重要だ。クラスターは密閉性の高い、ライブハウスや屋形船パーティーなどで起きやすい。

-日本政府が取った小中高校の休校に効果があるか

=新型インフルエンザや季節性インフルエンザでは、子どもたちが感染を拡散させる。子どもたちが感染してから、地域に広がる傾向がある。そのため、新型インフルエンザの場合には早期に一斉休校をすればきわめて效果がある。しかし、今回は違う。今回は子どもが大人から主に感染したケースだ。学校閉鎖での感染阻止は不可能だ。子どもたちの感染を減らす機会にはなるだろう。しかし、子どもたちはほとんどが重症にはならない。こうした点を考えれば、一斉休校にどこまで效果があるのかという疑問がある。感染拡大を阻止する劇的な効果はないと思う。

-国際的な取り組みはどうすれば良いか。

=まだわからないことがとても多い。皆で情報を共有し、このウイルスとどう効果的に戦うかを考えなければならない。先行して経験した中国から学ぶべき点がある。韓国と日本は医療体制が似ている。韓国では一つの宗教集団から広がった事件がある。日本もそうなるかもしれない。こうした場合にどうするか、日本が韓国から学ばなければならない。韓国も日本が持ちこたえている点が参考になるだろう。だから、政治的対立をしている場合ではない。皆で情報を共有し、どのように対処するかを考えるべきだ。

-日本のウイルス検査件数が足りないという批判があるが。

=どこまでどのように検査するかは微妙だ。日本は当初、韓国に比べて検査のキャパシティーが大幅に不足していた。今は拡充されている。とはいえ、風邪気味だからといって皆がウイルス検査を行うことは、どこの国でも不可能だ。戦略的に考えてみる必要がある。
チョ・ギウォン東京特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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原発は「事故が起これば膨大なエリアに住む人間の人生を奪ってしまう。放射能は目に見えず、人間が制御できない。リスクのあるものは使うべきでない」と指摘。

2020-03-11 | 原発やめろ!
福島から丹波に避難、橋本さんの思い「原発は危険。自然エネルギーへの転換を」

2020年3月11日 9:45


          

原発事故での避難の経験を語る橋本さん(京都府京丹波町)

 東日本大震災から11日で9年。東京電力福島第1原子力発電所事故で福島県いわき市から避難した京丹波町高岡のマクロビオティック研究家橋本宙八さん(73)に被災の経験や現在の心境を聞いた。京都府に隣接する福井県では原発が再稼働しているが、橋本さんは「原発は危険。自然エネルギーへの転換を」と訴える。

 橋本さんは約40年前、東京から自然豊かないわき市の山中に移住し、5人の子どもを育てた。穀物や野菜の伝統食を中心としたマクロビで健康になるセミナーを行い、国内外から多くの人が訪れていた。1986年のチェルノブイリ原発事故に関心を持ち、1990年代には現地に足を運び、住民が被ばくしたベラルーシの子どもたちを保養滞在として福島に受け入れる取り組みも行った。

 「原発事故は大変なもので、放射能への対処法は逃げるしかないと、分かっていた」
 自宅は福島第1原発から約20キロの距離にあった。2011年3月11日、自宅には地震の被害はほとんどなかったが、その日の夜に家族やスタッフ、友人と車で出発した。

 「二度と帰ってこられないかもしれないと、子どもたちの大切な写真を車に積んだ。集落の人たちにも避難することを告げ、できるだけ遠くに逃げた」

 知人を頼って栃木県、東京都、岐阜県、三重県、大阪府、京都府、愛媛県を回った。震災から2週間後、いわき市内の自宅に荷物を取りに戻った。「放射線量は高く、頭がしまるような症状が出たほか、足元がかゆくなった。食で健康になる仕事をしてきたので拠点を手放すしかなく、残念な思いだった」と振り返る。

 京都市内を避難先に決め、自然が多い京丹波町に16年に移住した。いわき市には定期的に通い、家を保存している。

 震災から9年がたち、「自然エネルギーの転換に政府は早くかじを切るべきだが、動きが鈍い。膨大なお金をかけて原発に防波堤をつくり、再稼働を進めているのは残念だ」と語る。

 京丹波町は福井県の関西電力高浜原発や大飯原発から30キロ圏に一部地域がかかる。「事故が起これば、それぞれの住民が判断して行動を起こす必要がある。行政機関は状況を早く把握して、うまく避難できるよう有用な情報を提供できるかが問われてくる」と話す。
 福島県の現状は「事故がなかったかのようにされている。自然エネルギーや自然とともにある生き方を世界に発信するモデルになることが本当の意味での復興だと思う。次世代に二度と同じような経験をさせてはならない」。
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「行政権への権力集中、市民の自由と人権の幅広い制限」が可能になるものだと指摘。「日本国憲法を支える立憲主義の根幹が脅かされかねない」

2020-03-10 | 科学的社会主義の発展のために
特措法改定 法律家ら反対
緊急声明 自由と人権 幅広く制限


          

(写真)弁護士、憲法学者有志の会見=9日、都内

 安倍政権が狙う新型コロナウイルス対策のための新型インフルエンザ特別措置法「改正」に反対する憲法研究者や弁護士が9日、都内で記者会見し、緊急声明を発表しました。

 声明は、安倍政権が現行の特措法の対象に新型コロナウイルス感染症を追加する法改定を13日までに成立させようとしていることについて、同法に規定された内閣総理大臣の緊急事態宣言のもとで「行政権への権力集中、市民の自由と人権の幅広い制限」が可能になるものだと指摘。「日本国憲法を支える立憲主義の根幹が脅かされかねない」と批判しています。

 声明は、安倍政権が本来必要な対策をいままで取らないまま過ごしてきてこの段階に至って緊急事態法制を導入することは「感染防止、拡大防止と具体的にどうつながるのか、大いに疑問」として、「法改正の撤回」と同法そのものの「根本的な再検討」を求めています。

 会見で、右崎正博独協大学名誉教授は「(安倍政権は)改正法に基づいて一挙に緊急事態宣言に突き進もうとしている。何よりも問題なのは国民に十分な説明責任を果たしていない」と批判しました。梓澤和幸弁護士は「この危機を乗り越える希望を語るのが政府の責任ではないか」と述べ、中小企業や経済的な打撃を受ける事業者への大幅な財政措置など「真に必要な対策に取り組むべき」と訴えました。

 会見には他に田島泰彦・元上智大学教授、宇都宮健児元日弁連会長、澤藤統一郎弁護士が出席しました。
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木畑氏は加害の歴史を反省してこそ、「将来の安全保障も含めた国の歴史の“重み”に責任を持つことになる」と語ります。

2020-03-10 | 東アジアの文化と歴史を学ぶ会
いま振りかえる 植民地支配 歴史と実態(4)
世界の流れは被害者の人権救済

 これまでは植民地支配の歴史と実態を見てきましたが、世界の流れはどうなっているでしょうか。(日隈広志)
植民地支配
不法性・不当性を追及

 安倍首相は、日本軍「慰安婦」問題で「性奴隷」と言われる残酷な実態があったことを認めようとせず、「徴用工」問題でも「解決済み」を繰り返すばかりで被害の救済への努力を拒否しています。

 しかし世界に目を向ければ、「被害者の救済」を主眼として、裁判などで植民地支配下での強制労働や政治弾圧といった行為を不正義と認め、被害者への謝罪と補償・賠償を行う動きが生まれています。植民地支配そのものの不法性・不当性について追及が始まっています。
加害国家の反省が重要
ドイツなど今も謝罪

 「今日まで、あの恐怖を忘れたことは一度もない」―。8月19日に亡くなったジャン・オハーンさんは1992年に欧州人として初めて日本軍「慰安婦」の体験を語りました。冒頭のように述べて性奴隷の実態を世界に告発し続けました。安倍首相は「解決済み」だと繰り返しますが、被害者にとっては「終わった」問題ではありません。

          

 木畑洋一東大名誉教授(国際関係史)は、植民地支配の責任を含め、国家が過去の加害の事実を反省する重要性を指摘します。

 第2次大戦の開戦から80年の欧州では、ナチス・ヒトラーがポーランド侵攻を開始した今月1日に同国の首都ワルシャワなどで記念式典が開催されました。出席したドイツのシュタインマイヤー大統領は「ドイツの暴虐によるポーランドの犠牲者に深くこうべをたれる。許しを請う」と謝罪。ポーランドのドゥダ大統領は「真実に向き合い、犠牲者や生存者と相対する」ためのドイツ大統領の訪問は重要だと語りました。

 米国でも88年、レーガン大統領が太平洋戦争中の日系米国人の強制収容について謝罪。「市民の自由法」(日系米国人補償法)の署名に際し「日系米国人の市民としての基本的自由と憲法で保障された権利を侵害したことに対して、連邦議会は国を代表して謝罪する」と表明しました。

 木畑氏は加害の歴史を反省してこそ、「将来の安全保障も含めた国の歴史の“重み”に責任を持つことになる」と語ります。
ダーバン宣言の到達点
過去にさかのぼり断罪

          

(写真)2001年反人種主義・差別撤廃世界会議(ダーバン会議)の議長団席=国連公式サイトより

 植民地支配の責任に対しては、“過去にさかのぼって非難されるべきだ”との認識こそ国際政治の到達点です。これを示したのは、2001年の南アフリカ・ダーバンでの国連主催「人種主義、人種差別、外国人排斥および関連する不寛容に反対する世界会議」の宣言(「ダーバン宣言」)でした。旧植民地宗主国の英仏なども合意しました。

 植民地の歴史は古代ギリシャ・ローマにさかのぼり、15世紀の大航海時代以後の植民地支配はアジア・アフリカ・アメリカの諸民族に対する大規模な暴力として行われました。政治、経済にとどまらず、文化の破壊や人種差別などその被害は現在も続く問題です。

 ダーバン宣言は、植民地支配下の奴隷制が人道に対する罪だと断罪し、現在の人種差別、人種主義の最大の要因だと認めました。

 米国では今年、黒人奴隷が英植民地から初めて連れてこられてから400年となります。奴隷の子孫への補償を求める声が高まっており、6月には下院司法委員会で過去の奴隷制に対する補償の是非をめぐる初の公聴会が開かれました。

 ベルギーでは今年4月、被害者からの訴えに対し、ミシェル首相が初めて19世紀後半から約1世紀続いたアフリカの植民地支配下での人種隔離政策について「基本的人権を侵害した」と認め、謝罪しました。

 植民地支配を問う動きは第2次大戦直後から始まります。民族自決と独立、国民主権を勝ち取ってきたアジア・アフリカ・ラテンアメリカの諸国民のたたかいが契機となりました。

 木畑氏は「『帝国』が解体し、さらに独立した国々は1990年代に『民主化』が進展した。その中で韓国の元日本軍『慰安婦』による証言など、被害者が直接声を上げる環境がつくられた。ダーバン宣言はそうした一連の動きの集約点だ」と説明します。
キーワードは人権
支配全体の責任に迫る

 植民地支配の責任を問う動きを見る際のキーワードが人権です。ダーバン宣言と同時期に国際人権法では「被害者の救済」の考え方が確立しました。

 植民地支配の被害者が声を上げ始めたことを受け、90年代には戦争犯罪や重大な人権侵害に対して、女性の権利や国際的な刑事司法制度を発展させる動きが強まりました。2005年には国連総会が被害者救済のための「基本原則とガイドライン」を採択。個別の裁判を通じた被害者への賠償・補償など救済の方法が確立し、「被害者の救済」が植民地はじめ女性への暴力、拷問など国際的な人権侵害の解決のための中心課題となっています。

          

 こうした動きについて、前田朗東京造形大教授(国際法)は、旧宗主国が補償額の拡大などを恐れて被害者の要求をつぶすなどダーバン宣言に反する中でも、「『被害者の救済』の立場で解決に当たらざるを得なくなっている」と意義を説明します。さらに植民地支配下の個別の人権侵害を国際法で「植民地犯罪」と規定すべきで、その断罪を通じて「植民地支配全体の責任に迫っていくことが可能だ」と指摘します。
安倍政権の国家中心主義
世界の潮流みない議論

          

(写真)ダーバン宣言10周年を記念する国連総会ハイレベル会合であいさつする潘基文国連事務総長(左端、当時)=11年9月22日(国連提供)

 「被害者救済」の視点が欠落し、新たな世界の潮流に逆行しているのが安倍政権です。

 阿部浩己明治学院大教授(国際法)は5日、日本記者クラブでの講演で「国際的な規範的潮流が、国家中心から人間中心に、過去の不正義を是正する方向に転換している」と述べ、安倍首相が1965年の日韓請求権協定を盾に韓国政府を「国際法の常識に反する」などと発言するのは従来の国家中心主義の考え方だと批判しました。過去につくられた条約であっても現在の人権重視の原則や規範に基づいて解釈するのが現代の解釈の仕方であり、「国際法の常識」だとして「(請求権協定で)人権に反する解釈があってはならない」と強調しました。

 阿部氏は昨年10月の韓国大法院(最高裁)判決について、「被害を受けてきた中小国や人間の側にたって国際秩序をつくり直す世界の潮流の表れ」だと指摘しました。

 被害者の人権救済の立場でダーバン宣言を生かし、植民地支配そのものの不法性・不当性を問う潮流が生まれています。

 朝鮮半島の人々は独立直後から賠償・補償の請求をはじめ日本の過去の植民地支配の不当性・不法性を訴えてきました。現在の世界の潮流の先駆者です。安倍政権は世界の潮流にそって、過去の植民地支配の責任に真摯(しんし)に反省すべきです。
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安倍首相が疑惑を持たれている私学スキャンダルと内容が似ているうえ、フェイクニュース、コメント操作など、現実的な内容も描かれ関心を集めた。

2020-03-09 | 韓国あれこれ・・・
シム・ウンギョン、
日本アカデミー賞最優秀主演女優賞

登録:2020-03-09 01:29 修正:2020-03-09 07:33


映画『新聞記者』で受賞…韓国の俳優では初の栄誉

          

6日、東京のホテルで開かれた第43回日本アカデミー賞授賞式で俳優のシム・ウンギョンが最優秀主演女優賞を受賞したあと、ポーズを取っている。日本アカデミー授賞式公式Twitterより//ハンギョレ新聞社

 女優のシム・ウンギョンが日本アカデミー症で最優秀主演女優賞を受賞した。韓国人俳優がこの賞を受賞したのは1978年の日本アカデミー賞創設以来初めてだ。

 シム・ウンギョンは6日午後、東京のホテルで開かれた第43回日本アカデミー賞授賞式で、映画『新聞記者』(藤井道人監督)で最優秀主演女優賞のトロフィーを手にした。これまで同賞を受賞した韓国俳優としては、2010年に『空気人形』で優秀主演女優賞を受賞したペ・ドゥナが最も良い成績だった。

 日本アカデミー賞は、主要部門の優秀賞受賞者をあらかじめ発表し、授賞式当日にその中から最優秀賞の受賞者を発表する。シム・ウンギョンは他の4人の日本の俳優たちと共に、1月に優秀主演女優賞の受賞者として発表されていた。シム・ウンギョンはこの日、最優秀賞の受賞者に指名されると、舞台の上で涙を流しながら「受賞は全然思わなかったので、全然準備をしていませんでした。ごめんなさい。これからも頑張って活動します。本当にありがとうございます」と日本語で感想を述べた。

 『新聞記者』は、政権が隠そうとする真実を追う記者の話を描いた映画だ。安倍首相が疑惑を持たれている私学スキャンダルと内容が似ているうえ、フェイクニュース、コメント操作など、現実的な内容も描かれ関心を集めた。この映画は最優秀作品賞と最優秀主演男優賞(松坂桃李)も受賞した。シム・ウンギョンは、韓国人の母親と日本人の父親の間に生まれた新聞社社会部記者の吉岡を演じた。日本語を1年間学習して日本語の演技に挑んだシム・ウンギョンは、これまでにも第74回毎日映画コンクール、第34回高崎映画祭主演女優賞などを受賞している。
ソ・ジョンミン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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「朝鮮の人民の奴隷状態に留意し軈(やが)て朝鮮を自由且(かつ)独立のものたらしむるの決意を有す」

2020-03-08 | 反共は、暴走政治の助け舟
いま振りかえる 植民地支配 歴史と実態(3)
戦後、日本政府がとった態度は


 シリーズ第1回では、野蛮な軍事的強圧によって「韓国併合」にいたった歴史、第2回では民族の誇りも、言葉や名前までも奪い、侵略戦争に強制動員していった歴史をみてきました。こうした植民地支配に、戦後、日本政府はどういう態度をとったのでしょうか。(藤田健)

          

(写真)高杉晋一氏の暴言を報道する、1965年1月10日付「アカハタ」

戦後の出発点示す2文書
無反省と開き直り綿々と

 「朝鮮の人民の奴隷状態に留意し軈(やが)て朝鮮を自由且(かつ)独立のものたらしむるの決意を有す」

 こう宣言したのは、米、英、中華民国の首脳による「カイロ宣言」(1943年)でした。日本が受諾したポツダム宣言(45年)はこのカイロ宣言の「履行」をうたっていたのですから、植民地支配への反省と清算が戦後日本の出発点となるはずでした。

 しかし、戦後の日本政府の態度は、正反対のものでした。

 2015年、韓国の建国大学で講演した日本共産党の志位和夫委員長は、戦後の日本政府の態度を示す二つの文書を示しました。「割譲地に関する経済的財政的事項の処理に関する陳述」(49年)と「対日平和条約の経済的意義について」(50年)という文書です。いずれもサンフランシスコ講和条約にむけた準備対策として作成された「極秘」文書でした。

 二つの文書には、ほぼ同じ表現であからさまな植民地支配美化論が展開されていました。

 「日本のこれら地域(朝鮮、台湾、樺太、満州)に対する施政は決していわゆる植民地に対する搾取政治と認められるべきでない…。逆にこれら地域は日本領有となつた当時はいずれも最もアンダー・デヴェロップト(未開発)な地域であつて、各地域の経済的、社会的、文化的向上と近代化はもつぱら日本側の貢献によるものである」「(補助金や資金注入で)日本のこれら地域の統治は『持ち出し』になつていたといえる」(『日本外交文書 サンフランシスコ条約準備対策編』から、カッコ内は編注)

 これが当時の日本政府の認識でした。そこには、土地を奪い、「創氏改名」や日本語教育などの「皇国臣民化政策」で民族の誇りを奪い、徴兵制など侵略戦争への人的動員で命まで奪い、日本軍「慰安婦」の強制という性暴力までふるうなど、まさに朝鮮人民を「奴隷状態」においたことへの反省は皆無でした。

 それどころか、植民地支配にはあたらないと開き直り、「これら地域はいずれも当時としては国際法、国際慣例上普通と認められていた方式により取得され」(「陳述」)たなどと朝鮮支配は合法だったと強弁しています。
日韓交渉
妄言連発し異例の長期化

 こうした認識は、今日なお日本政府が持ち出す日韓基本条約と請求権協定(1965年)の交渉にも引き継がれました。この交渉は、14年もの異例の長期間にわたりましたが、その要因の一つが日本政府代表団による「妄言」でした。

 1953年には、交渉の日本側代表だった久保田貫一郎が「朝鮮36年間の統治は、いい部面もあった」「はげ山が緑の山に変わった。鉄道が敷かれた。港が築かれた。米田が非常にふえた」「カイロ宣言は、戦争中の興奮状態において連合国が書いたもの」などと妄言を連発。交渉は長期にわたって中断しました。

 65年1月には、首席代表・高杉晋一が就任当日、「日本は朝鮮を支配したというけれども、わが国はいいことをしようとしたのだ」「敗戦でダメになったが、もう20年朝鮮をもっていたら、こんなこと(はげ山)にはならなかった」「創氏改名もよかった」などと発言。「久保田発言」に匹敵する妄言でした。

 このときは、交渉への影響を恐れた外務省がオフレコ扱いを要請。「アカハタ」(現「しんぶん赤旗」)と韓国の東亜日報が暴露したものの、一般紙は沈黙し、その後政府が「事実無根」と否定したことのみを報じたのでした。当時の新聞は、暴言を吐く日本政府を批判するどころか、韓国に対して「弱腰」だと非難さえしていたのです。
併合条約「もはや無効」
ごまかし解釈今日に続く

 結局、日韓基本条約の交渉では、日本側は植民地支配だったとは認めず、「韓国併合」条約も締結当時は合法有効だったとの立場でした。

 日韓基本条約も、植民地支配について一切言及していません。第2条で「韓国併合」条約は「もはや無効であることが確認される」と規定されましたが、日韓両国で解釈が分かれました。日本政府は、締結当初は有効・合法だったが、1948年の大韓民国成立時に無効になったと解釈。韓国政府は、当初から無効であると解釈しました。

 しかし、条約締結当時の国際法でも国家代表者を脅迫しての条約は無効でした。そのうえ、日本はその直前の第2次日韓協約(1905年)で韓国から外交権を奪っておきながら、併合条約を押し付けたのですから、二重に「不法・不当」でした。それを日本政府は認めなかったのです。

 請求権協定では、日本が3億ドルの無償供与と2億ドルの貸し付けを行うことで合意し、請求権問題は「完全かつ最終的に解決されたこととなる」(第2条)と明記されました。しかし、両国間の賠償問題が解決しても個人の請求権は消滅しないことは日韓の政府も最高裁も認めています。また、請求権協定当時、日本は植民地支配の不当性をいっさい認めておらず、経済協力に賠償の性格がないことは明白でした。徴用工問題では、まさにこの点が問題となっています。
安倍政権が逆流持ち込み
反省土台にしてこそ解決

 90年代に入り、元「慰安婦」が証言し、謝罪と賠償を求めるなど、日本国内外の世論と運動が盛り上がる中で、日本政府も前向きの変化をみせるようになります。

 93年には河野洋平官房長官が「慰安婦」問題に関する談話を発表し、日本軍の関与と強制性を認め、「心からのお詫(わ)びと反省」を表明しました。95年には、村山富市首相が戦後50年談話で、日本が「国策を誤り」「植民地支配と侵略」によって多大な損害と苦痛を与えたことを認め、「痛切な反省」と「心からのお詫び」を表明しました。

 日韓両国間でも、98年に金大中(キム・デジュン)韓国大統領と小渕恵三首相の間で「日韓パートナーシップ宣言」に署名。「日本の韓国に対する植民地支配への反省」という表現が初めて盛り込まれました。

 こうした前向きの流れを逆転させたのが、歴史を逆流させる勢力の中心で政治家としての歩みをすすめてきた安倍晋三首相だったのです。「村山談話」の核心である「植民地支配と侵略」には言及せず、「慰安婦」問題の強制性を否定する閣議決定を行い、戦後70年談話(2015年)で朝鮮植民地化をすすめた日露戦争を賛美したのでした。

 日本共産党の志位和夫委員長は8月26日の記者会見で、日韓関係悪化の根本要因として、安倍首相が「植民地支配への反省」の立場を投げ捨てる態度をとり続けていることがあると指摘。そのうえで次のようにのべました。

 「日本軍『慰安婦』問題にせよ、『徴用工』問題にせよ、過去の植民地支配への真摯(しんし)な反省の立場を土台にしてこそ解決の道が開かれる」
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地域の分布および人々の割合において、この2つの亜型には大きな差がある。S亜型は相対的に古いバージョンで、L亜型はより攻撃的で、より感染力が強い。

2020-03-08 | 中国をしらなければ世界はわからない
新型コロナウイルスが複数の国で変異 その影響は?
人民網日本語版 2020年03月06日13:15


複数国の研究者は自国の新型コロナウイルスの変異を確認している。この変異はどのような影響をもたらすだろうか。環球時報が伝えた。

ブラジル保健省が2日に発表した最新データによると、ブラジルの感染確定者は2人。ブラジルの研究者は1人目の感染者がドイツで見つかったウイルスに類似し、2人目が英国で見つかったウイルスにより類似していることを発見した。この2人の患者はいずれも今年2月にイタリアで感染した後ブラジルに帰国したという。

サンパウロ大学医学院の研究者によると、ウイルスの変異は感染症が関連地域における拡散で残した痕跡で、ウイルスの感染経路の特定に用いることができる。しかし専門家は、この2人は中国で見つかった感染者と異なるとしている。

オーストラリアにも、ウイルスに変異が生じているとする研究者がいる。3日付のインド英文紙「THE HINDU」によると、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)はこの「SARS-CoV-2」と呼ばれるウイルスに変異が生じているとしている。

中国科学院が発行する「国家科学評論」は3日、「SARS-CoV-2の起源と持続的な進化」と題した論文の中で、中国の科学研究チームによる最新の発見を発表した。新型コロナウイルスには最近、149の変異点が発生するとともに、L亜型とS亜型に分かれている。研究によると、地域の分布および人々の割合において、この2つの亜型には大きな差がある。S亜型は相対的に古いバージョンで、L亜型はより攻撃的で、より感染力が強い。

論文によると、異なる亜型の理解を深めることで、新型肺炎の差別化治療と予防・抑制の一助となる。論文の作者は、新型コロナウイルスの変化方法から推測すると、L亜型とS亜型の感染力や症状の程度には大きな差が存在する可能性があるとみている。

武漢大学医学部ウイルス学研究所の楊占秋教授は4日、取材に対し「ブラジルの患者2人のウイルス検体のうち1つは英国と同じで、もう1つはドイツと同じというのは、欧州で流行している新型コロナウイルスが、まさにこれらの亜型であることを意味する。変異後の異なる新型コロナウイルスは、症状の特徴に差が存在する。例えば中国のウイルスの致死率は2%だが、欧州ではさらに上がるかもしれない」と話した。

楊氏は「ウイルスの変異は、感染経路及び感染源の特定に間違いなく役立つ。例えるならば、鄭州市の患者のウイルスが武漢市の患者と異なれば、武漢から伝わったのではなく、この地域にもともとウイルスがあり、武漢とは関係がないという可能性がある。武漢と同じであれば、武漢から伝わったことになる」と説明した。

楊氏はさらに、「新型コロナウイルスの変異は、ワクチン開発にとって大きな意義があり、感染の診断にとっても価値がある。欧州の患者の遺伝子配列が武漢と異なれば、中国の診断データを使い欧州諸国の患者を検査しても、検出されることはない。ワクチンも同じ原理で、ブラジル人患者のウイルスが中国と異なる型であれば、中国のワクチンを彼らに使用しても効果がなく、保護的役割を果たせない。これによってワクチンや試薬キットの開発がより正確になる」と話した。

なお、韓国の聯合ニュースによると、韓国化学研究院は4日、同研究院の新型ウイルス共同研究チームが新型コロナウイルスの抗体を発見したと発表した。(編集YF)

          

「人民網日本語版」2020年3月6日
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夏になくなるのであれば、次の年まで続くことはあり得ない」と述べた。

2020-03-07 | 中国をしらなければ世界はわからない
暑くなれば新型コロナウイルスはなくなる?専門家「何とも言えない」
人民網日本語版 2020年03月06日14:52


          

新型コロナウイルス肺炎上海専門家治療グループ高級専門家グループ長の張文宏氏

5日、新型コロナウイルス肺炎上海専門家治療グループ高級専門家グループ長の張文宏氏、上海市公共衛生臨床センター党委員会書記の盧洪洲氏、上海交通大学医学院附属瑞金病院主任医師の毛恩強氏、中山病院感染病呼吸科主任の胡必傑氏、上海中医薬大学附属竜華病院呼吸内科主任の張恵勇氏らが、上海における科学技術面からのサポートについてメディアの取材に応じた。

ウイルスは気温が高くなるにつれてなくなるかという問題について、張文宏氏は、「現在は何とも言えないが、高い確率でおそらくそうなるだろう」としたうえで、「覚えておいてほしい。2009年の米国のインフルエンザは季節を跨いで流行した。SARSでも中国で季節を跨いで流行した。米国のインフルエンザは3月から4月にかけて始まり、その後大規模に流行したのは翌年になってからだった。だからウイルスは夏になればなくなるというわけではない。夏になくなるのであれば、次の年まで続くことはあり得ない」と述べた。

張氏はさらに、「しかしこのウイルスについてはっきり言えることが1点ある。それは、窓を全部開けて、換気をしっかりするのが一番良いということだ。例えばタイでは、ウイルスは蔓延しにくい。だから窓を開けて換気をすることは非常に重要だ。夏になればというのは、一つには夏は気温が高くなること、もう一つは換気が行われるということもある。さらに、冬に流行が始まってから数ヶ月間予防・抑制に努めれば、ウイルスが少しずつ減っていき、なくなるのがちょうど夏ごろになるということだ」とした。

また張氏は、「つまり、時間的に偶然そうなるというところも多く、同時に科学的な要素も多い。科学的な要素によるものなのか偶然なのかは判別しにくい。我々としては、病理学者の研究こそが極めて重要だと考えている。現在はまだ公になっていない研究もたくさん行われている。最も心配なのはそうした研究が間違って理解されることだ」とした。 (編集AK)

「人民網日本語版」2020年3月6日
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茂木敏充外相は同24日夕の記者会見で、「レベル2」とした同じ理由で武漢市を含む湖北省を「レベル3」(渡航中止勧告)に引き上げました。

2020-03-07 | 科学的社会主義の発展のために
新型コロナ対策
中国対応の文書改ざん

外務省作成 穀田氏追及


          

(写真)質問する穀田恵二議員=6日、衆院外務委

 外務省が新型コロナウイルスをめぐる中国に関する初動対応の遅れを取り繕うために文書を改ざん・隠ぺいしたことが明らかになりました。日本共産党の穀田恵二議員が6日の衆院外務委員会で、中国の「感染症危険情報」のレベル引き上げに関する外務省作成の同じ題名の記述内容が異なる二つの文書を示し、「国民の命と安全確保に関わる重要情報に関する文書の改ざん・隠ぺいなど言語道断だ」と追及しました。

 外務省は1月23日に感染症危険情報として、新型コロナウイルスの感染が拡大した中国・武漢市を「レベル2」(不要不急の渡航自粛勧告)としていました。翌24日の昼に同省領事局政策課が自民党の一部議員に配布した同日付の「新型コロナウイルスによる感染症:外務省の対応」と題する文書では武漢市について「レベル2」とした同23日の判断を踏襲していました。ところが、茂木敏充外相は同24日夕の記者会見で、「レベル2」とした同じ理由で武漢市を含む湖北省を「レベル3」(渡航中止勧告)に引き上げました。

 穀田氏は自民党議員に配布したものと同じ文書の提出を外務省に要求。しかし、同省領事局政策課が3月4日に提出してきた文書は日付・標題は同じであるものの、「24日、状況を踏まえ、武漢市を含む湖北省の感染症危険情報をレベル3にさらに引き上げ」などの文言が付け加えられていました。

 穀田氏は「1月23日にレベル3にすべきだった」と述べました。
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中国国家主席の国賓訪日は2010年の胡錦濤主席の訪日が最後だった。

2020-03-06 | 世界の変化はすすむ
習近平主席、4月の日本国賓訪問を電撃延期…「新型コロナに全力」
登録:2020-03-06 06:58 修正:2020-03-06 07:39


菅官房長官「新型コロナ対応最優先」 
7・8月の東京オリンピック後に訪日の可能性


          

日本の安倍晋三首相と中国の習近平国家主席が去年6月大阪で首脳会談を行い握手をしている=資料写真//ハンギョレ新聞社

 4月に予定されていた中国の習近平国家主席の日本国賓訪問が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡散の影響により延期されたと日本政府が公式に発表した。

 菅義偉官房長官は5日午後の定例記者会見で「COVID-19の対応を最優先する必要があり、習主席の訪日が十分な成果が上がるものとするためには、両国がしっかり準備を行う必要がある」と習主席の訪日が延期されたと発表した。

 安倍晋三首相は去年6月、主要20カ国(G20)首脳会議の開催場所だった大阪で習主席と首脳会談を行った後、「来年の桜の咲く頃、習近平主席を国賓として日本にお迎えし、日中関係を次の高みに引き上げたい」と習主席の国賓訪日の意向を公式に明らかにしたことがある。当時、習主席も「とてもいい考え」と応じた。以後、両国は桜が満開する頃である4月の習主席訪日を推進してきた。習主席の訪日は2010年の尖閣諸島(中国名釣魚島)の領有権紛争以後に一時悪化していた両国関係の改善を象徴する行事となる予定だった。中国国家主席の国賓訪日は2010年の胡錦濤主席の訪日が最後だった。

 COVID-19拡散後にも両国は表面的には予定通り習主席の訪日を推進すると明らかにしてきた。しかし両国で感染者数がますます増大すると、両国共に公には言い出せないだけで延期の雰囲気が強まっていた。安倍首相は先月29日の記者会見の際に「中国国家主席の訪日は10年に1度のことで、十分な成果を上げる必要がある」と話した。習主席訪日の延期の可能性を念頭に置いた発言だった。

 中国外交部は5日、「両国がCOVID-19対策に全力を尽くしている。両国が習主席の日本訪問について最適な時期と環境の下で実現しなければならないとの認識で一致した。訪問の時期に対しては両国が引き続き緊密に連携していく」と述べた。日本の中では東京オリンピック(7月24日~8月9日)の後に習主席が日本を訪問する可能性が高いとの観測が多い。
東京/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
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志位 それは成り立たない。なぜなら、「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」の具体化として行われている。「行動計画」のもとになる法律は何か。  首相 新型インフルの特措法だ。

2020-03-05 | 市民のくらしのなかで
志位委員長と安倍首相の党首会談(概要)


                    

 日本共産党の志位和夫委員長と安倍晋三首相の4日の会談の詳報は次の通りです。
特措法
志位「政府の立法事由はなくなった。断念すべきだ」

 安倍首相 新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正し、法の対象に「新型コロナウイルス感染症」を追加したい。ご協力をお願いしたい。

 志位委員長 政府は、「新型インフルエンザ特措法は、新型コロナウイルスには適用できない。だから法改正が必要だ」といってきた。ところが、政府はすでに、新型インフルエンザ特措法にもとづく措置を新型コロナ対策に適用していたということが、今日の参院の審議で明らかになった。法改正が必要だという政府の立法事由がなくなったということだ。したがって法改正は断念すべきだ。

 首相 特措法については、参院で問題になった件はマスクの供給についての措置だが、これは予算要項の変更で対応した問題であり、法律にかかわる問題ではない。

 志位 それは成り立たない。なぜなら、「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」の具体化として行われている。「行動計画」のもとになる法律は何か。

 首相 新型インフルの特措法だ。

 志位 根拠法は新型インフル特措法だと認めた。それを実際には新型コロナにも適用しているわけだから、政府の言い分は成り立たない。

 わが党は、2012年の新型インフルエンザ特措法に対して、人権制限の歯止めがあいまいだとして反対した。ただ、今問われているのはそれ以前の問題であり、立法事由がなくなったものは撤回すべきだ。
専門的知見の尊重
志位「専門家の科学的知見を尊重するうえで問題があった」
首相「今後は『問題があった』と指摘を受けることのないようにしていきたい」

 志位 新型コロナウイルス対策は、与野党の枠をこえて協力してとりくむべき重大な課題だ。そういうとりくみにしていくうえでも、首相の対応の基本姿勢について、改めていただきたい問題点がある。3点ほど、率直にのべたい。

 第一に、専門家の科学的知見を尊重する点で、問題があるのではないか。

 総理は、今回の全国一律の休校要請を行うさいに、専門家会議の意見を聞いていなかった。専門家の知見を踏まえない「政治決断」では、国民の理解を得ることはできないし、ウイルスとのたたかいに勝つことはできない。こうした姿勢は即刻改めるべきだ。

 首相 この1、2週間が瀬戸際だと言うことでああいう対応をした。しかし、今後は専門家の方々の知見を尊重するという提起はその通りだと思う。それで、尊重する点で「問題があった」という指摘をうけることがないようにしていきたい。
現場への信頼
志位「現場で頑張っている方々を信頼する点で問題がある」
首相「自治体の方々の判断を尊重していくということはその通りだ」

 志位 第二に、現場で頑張っている方々を信頼する点で、問題があるのではないか。

 それは全国一律の休校要請に端的にあらわれた。

 感染拡大を防ぐために休校の措置を行うことはありうることだ。しかし、それは現場の教職員、教育委員会、自治体などが、自ら判断し、負担をかける親たちにも協力を求める。こういう手順で進められるべきではないか。政府の役割は、そうした判断に資するガイドラインをつくり、現場が決めたら全力で支援する。ここにあるのではないか。

 首相がいきなり一律の要請をするのは現場で頑張っている方々の判断力を信頼していない態度ではないか。ここも改めていただきたい。

 首相 現場の方々への信頼という点では、現場での自治体の方々の判断を尊重していくということはその通りだ。今後は、(志位氏の)提起も踏まえ、対応していきたい。
党首会談
志位「重要な判断のさいに一切の相談がないのは問題だ。10日の緊急対応案を決める前に再度の党首会談を」
首相「考えたい」

 志位 第三に、国会に相談してことを進める点でも、問題があるのではないか。

 これまで国民の生命と安全にかかわる重大事態に直面したとき、政府が国会を構成する政党・会派の意見を、党首会談などの形でくみあげて、事態にあたることは、当然のように行われてきた。

 私自身の体験でも、2011年の東日本大震災のさいには、党首会談が何度も行われた。2002年の日朝平壌宣言のさいにも、さらに1996~97年のペルー人質事件のさいにも、党首会談が行われ、与野党をこえて対応を話し合ってきた。

 ところが今回の事態にさいして、全国一律の休校要請という国民生活に重大な影響を与える要請を行うさいにも、一切の相談がされなかった。この姿勢も改めていただきたい。

 この点にかかわって、具体的要請がある。政府は3月10日ごろまでに第2弾の緊急対応策を決めるとしている。方針を決める前に再度、党首会談をもち、各党・会派の具体的提案を聞いていただき、それを政府方針に反映させていただきたい。

 首相 これまであまり党首会談がやられてこなかった。(第2弾の緊急対策がやられる前の党首会談は)考えたい。
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