どこまでだって歩いていけるさ

2012年1月22日 それまでの日記を引き連れてOCN Cafeから移住。
新しい扉の向こうには何があるのだろうか。

貧乏旅行第3弾は 水と建築とあきんどの町 近江八幡~最終章

2007年02月12日 | 日記
すっかり夕刻になって小雨も降ってきた

京都に戻る計画だった我々は それでも深夜のバスには時間が余ると考え 急遽大阪まで行く事にした

日本第二の大都市でありながら 未踏の地である

新快速は新幹線のように早く 過ぎ去る駅名もわからぬまま到着した

消えた忠太(建築家・伊東忠太のこと)に思いを馳せるが 消えたものを執拗に追いかける趣味も無い

此処で夕食だ!

東京駅は 背後に官庁街(丸の内)と皇居を控えている

少し歩いて日本橋や銀座に行けばまた趣も違うが 大阪駅前はまさに繁華街で驚いた

更に驚いたのは 大阪弁が聞こえてこなかった事だ

駅のアナウンスは大阪弁かと思っていた

てっきり誰もがボケとツッコミで話しているのかと思ったが 歩いている限りでは東京となんら変わらない

居酒屋の若いスタッフでさえ さほど気にもならない

東京では常に注目の的となっているが あれは目立ちたいためなのか 自己主張なのか

静かな車内で ひときわ大声で話す関西弁の人たちに出くわす事は少なく無いのに

久慈の若いタクシー・ドライバーが 顔に似合わずのんびりとした訛り言葉で話していたのを思い出す

居酒屋で食事をしてから 若者に混じって駅前のビルの上にある真っ赤な観覧車に乗ってみた

一周15分 500円だ

夜景が綺麗だが 皆目地理的見当がつかない

まっ 大阪にはタッチしてきた っていう感じかな

ギリギリまで駅に直結したホテル・グランヴィアのカフェで過ごし 京都に戻る

今回はコンパクトに充実した旅だった

今度は山陰か なんていう話も既に出ている

こうして徘徊しながら 終の棲家を探すのも悪くないか なんて思ったりもしている
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貧乏旅行第3弾は 水と建築とあきんどの町 近江八幡~第3章

2007年02月12日 | 日記
近江八幡は 商人の町である

秀吉の甥に当たる秀次が作った町である

小さいが碁盤の目になった通りに それぞれ名前があるのが愉しい

見どころは 商家とヴォーリズの洋館と八幡堀である

瓦ミュージアムは その堀沿いにある

早速入り口の展示品を撮影したら お断りだと指摘された

ケチンボ!瓦なんて撮影したって 減りも色褪せもしないでしょうに

でも 中でこっそり ちょっと撮っちゃった^^

八幡堀は絵になる

スケッチをしている人もいたが 風情がある

気になっていた杉板の修理をしていた人に出会った

早速質問をすると 焼き杉は雨に強いのだと

この黒い色と壁の白さがとても美しい

最近は景観も気にしてか 意識的に保持する傾向にあるようだ

此処で撮った写真は 後日アップする予定なので興味のある方はご覧下さい

ひとつだけ 書いておきたい

八幡商人とヴォーリズに関してだが 彼もまた商人であると言った人がある

近江兄弟社を作り(メンソレータムで有名な)幼稚園から高校まで 病院も建設した

今日もなお 彼の名を冠した優れた設計会社が存在する

私は信仰心の薄い人間であるが 彼がこの近江に来たのはまさに神の使命だったかもしれないと思う

近江商人の家は 決して豪奢ではない

質実剛健 商人のモラルのようなものを感じる

人は何らかの営みをして生きていかなければならない

生きる 生活するというのは そういうことだ

私は まっとうな商人魂が まっとうな精神と結びついた そんな風に感じた

近江を日本の中心と考え 生涯この地から離れなかった彼の気持ちが何となく判る

利益は社会貢献にだ

ヴォーリズファンが多いのは 建築の意匠を超えた彼の精神性に思いを寄せるせいかもしれない

余談だが 午前中 撮ってきた写真を見ていて凄く気になった事があった

例のツッカーハウスの前に 綺麗なケアハウスが建っている

そのてっぺんに 風見鶏のようなものがある

当然 EWNS 東西南北だと思う

ところがだ それはVMWSだ(これも写真にUPします)

何語だろうかと考えた

ラテン語まで調べた

宗教の大事な言葉の頭文字かとも思って 大辞典も引いてみた

1時間以上格闘して はたと気がついた

順序どおりなら WMVS

ウィリアム・メレル・ヴォーリズの頭文字ではないかと

最後のSは サナトリウムのSではないかと思っている

な~んだ と思ったら気が抜けた

午後は頭がフリーズして 夕方まで眠り込んだ

追記:帰化した彼の名前は 一柳米来留(ひとつやなぎ めれる)

    米国から来て日本に留まった…そういう意味だそうである 


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貧乏旅行第3弾は 水と建築とあきんどの町 近江八幡~第2章

2007年02月12日 | 日記
今は名前も変わっているが 厚生年金の施設が各地にある

羽振りの良かった時代に建てた宿泊施設だ

此処でお風呂に入る

人の裸を見る機会はそうは無いから(いや そうでも無いという人も居られるだろうけどね)何となく見る

勿論 自分の裸体を見る事も滅多に無いから こんな時はチェックしてしまう

此処で昼食 ビールをジョッキで2杯 まずまずだね

ヴォーリズの建てた病院まで歩くことにした

もともと 此処は結核患者用のサナトリウムだったようだ

長閑な田園風景の道を歩いて到着

彼はこの地に英語教師としてやってきた

彼の活躍ぶりや残した文化的遺産は 私が説明するまでも無いから詳細は書かない

興味のある方は ネットで検索すれば山と見つかるはずだ
 
此処で出会った人は こんにちはと挨拶をしてくれる

職員かどうかは判らないが 実に気持ちが良いものだ

ツッカーハウスを見た

ドイツ語では砂糖 糖尿病も意味するからそんな事を連想したが ツッカーという女性の名前からだった

友人でもあり 病院の建設にあったって寄付をしてくれた人らしい

老朽化が甚だしく 格別意匠に優れているというわけではない

概観より心で見る建築だと感じた

そして 格別建築家としての勉強をしたわけではない彼の精神性を感じた

裏手の小高い所に礼拝堂がある

ホスピスもある此処ならば 静かに訪れる人もいるのかなと思う

キリスト教の教会は 門が開かれていると思う

あはっ そんなに知ってるわけじゃぁ無いのだけどね

勿論 中に入ってみた

普通ではある

だが 此処でどれだけの人の言葉や祈りや願いが語られたのだろうかと思う

恐らく 数多くの人々が癒しや心の平静を願って訪れたことだろう

奇妙な安らぎと暖かさを感じる礼拝堂だった

いよいよ 近江八幡たる場所へと移動する

旅はまだ半分
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貧乏旅行第3弾は 水と建築とあきんどの町 近江八幡~第1章

2007年02月12日 | 日記
夜行バスはネットで探して予約する

いくつかの会社が参入しているが それぞれバスのタイプも値段も違う

今回は 口コミを読んでゆったりとしたスペースが売りのバスを選択した

乗り込んでみるとリクライニングは思い切り倒せるし フットレスっていうのか 座席の延長のような物が

普通は45度程度しか上がらないのだが これは90度上がる

つまり座席の完全なる延長であり 小柄な私にはそこそこの広さのベッドになるのだ

熟睡といったら嘘になるが それでもよく眠れたほうだと思う

なにせ京都着が東名高速の事故で1時間も遅れたのに その事にも気がつかなかった程だから

実際の話 バスのネックは此処にある

電車は滅多に遅れる事は無いのだが バスはその確率が高い

まず近江八幡までの電車の時刻表を確かめてから 僅かな時間を喫茶店で過ごす

急行のような電車に乗って京都を出発

車窓を眺めていて気がついたのは 杉らしい板壁を使った家が多いことだ

最近では民家は何処も画一化されてきているが それでもこうして地方に行くと おやっ?っと思う発見がある

風土や歴史 とりわけ気候にマッチした家造りを見るのは面白い

近江八幡駅前から とりあえず琵琶湖近くにある長命寺行きのバスに飛び乗る

後で見学予定の町中を通り過ぎ 長閑な田園風景の中を走って到着

茶店で普通の天ぷら蕎麦を朝食として頂く

夏にはおそらく水のレジャー客で賑わうのだろうが 冬の湖畔は柔らかい朝日を浴びて静かだった

彦根人参上 といういたずら書きを見つけた

未だに藩制度時代の精神が残っているのだろうか 

地方に行くと それぞれの市や町が確固たるアイデンティティーを持っているのを感じることがある

東京には僅かに下町の江戸っ子気質が残っているが それ以外の精神性は無い

居住する地域である程度判るのは 資産であり生活レベルであり若干の知的レベルであったりするだけだ

移民の都市である事をつくづく感じる

808段の石段を登って長命寺に行きはったら という茶店の主人の提案をやんわりとお断りして水郷を見に行く

時が春ならばと思わせる水辺を歩いてみる

陶芸教室を開いていたショップを覗き見する

水茎(みずぐき)焼きという名は初めて耳にする

何時か 何処かの地で 焼き物体験をするのも悪くないと思いながら次はお風呂を目指す
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