最近 手持無沙汰な気分
やらなければならないことは少なく やりたいことは思うようにできず 無為に日々を過ごしているような気持ちになってくる
せめて読書で散歩でもしようと 読みかけのままだった多和田葉子の『百年の散歩』をふたたび手にした
作家について何も知らなかったのだが ドイツ在住でノーベル賞作家にも近いと言われている人だそうだ
実際にベルリンにある人名のついた通りを「あの人」に会うために歩きながら 「わたし」は通りの名となった人やそれにまつわる思いをめぐらすが 最後まで「あの人」に会うことはない
「あの人」というのは 亡くなった過去の人たちなのだろうか
夢想ともエッセイともつかないままに言葉遊びをしながら進む小説は こんな散歩もあるのかと新しい発見になった