布団から出る時 「えいやっ」という心の中の掛け声がまだまだ必要な朝
ぬくぬくは幸せだけれど いつまでもそうしてもいられない
そんな時はあの話の続きのことを思い出すと 早く読みたいと布団から抜け出せる
『銀の鈴』は江戸期を時代設定にした介護の話
今は社会も家族も生活も大きく変わり 状況はもっと複雑になっているけれど 人の気持ちに変わりはない
江戸時代という設定であるからこそ 一層 問題がそぎ落とされ 核心の部分が鮮明に見えてくる
時代小説として描くことの意味は そんなところにあるのではないだろうか
読み終わって そんなことを思った
今 朝の起床に力を貸してくれる本は 井上ひさしの『十二人の手紙』
半分ほど読んだが さすがはストーリー・テラー
戯曲として上演 あるいは映画化も面白いが これを2時間程度に収めるのは難しいかもしれない
それにしても 手紙という手段の空白の時間を 現代人は忘れているか あるいはそもそも知る機会もない時代になってしまった
少し寂しい気もする