中西正司さんと上野千鶴子さんの共著「当事者主権」を読みました。
当事者主権とは、自分の身体と精神に対する誰にも侵されない自己統治権、すなわち自己決定権を指しています。
当事者主義というと、いろいろある主義の一つと、狭くとらえられるし、当事者本位とすると、温情的庇護主義から専門家(有識者)が考えてあげますよ、となってしまいます。
当事者のことは当事者が決めることを徹底することですね。
この本には、「当事者宣言」「当事者運動の達成してきたもの」「介護保険と支援費制度」「当事者ニーズ中心の社会サービス」「当事者たちがつながるとき」「当事者は誰に支援を求めるか」「当事者が地域を変える」「当事者の専門性と資格」「当事者学のススメ」「2003年以降の障害者運動と新たな法制度」「全国に展開する自立生活運動、そして世界へ」「介護保険以後の高齢者福祉」「介護保険の達成と危機」「MeToo以後の女性運動」「当事者研究の新展開」が分かりやすく書かれています。
当事者主義運動の大切さが良くわかります。
いまや、専門家よりも当事者が自分自身のことを一番よく知っている、自分の状態や治療に対する判断を専門家という名の第三者に任せないで。自己決定権を取り戻そうとする「当事者主権」の考え方が浸透しています。
パターナリズム(家父長的温情主義)で専門家や政府に任せなさいという考え方は過去のものになってきています。
当事者が1人で専門家と対抗するのは難しいので、当事者が連帯する必要があります。
有識者会議も当事者会議に変更すべきですね。
有識者会議で決定したことが当事者の要求から大きくかけ離れていのは多くのケースで実感することですね。
当事者が多数を占める会議以外は認めないという態度も必要ですね。
有識者という専門家に頼ることをなくして(専門家はアドバイザーに徹する)、当事者が自己決定できる環境を整備しましょう。
先ずは、有識者会議のメンバー選定を批判して、多くの当事者の参加を要求しましょう。
当事者主権の展開で、もっと効果的な政策が実行できることを期待しています。
皆さん、頑張りましょう。
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