常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

ヤツデの花

2015年11月17日 | 


こういうのを陰花というのであろうか。花にある華やかさはなく、何かUFOの受信装置を連想させるような花である。匂いにには弱くてよく分からないが、生き残りの羽虫がその微弱な香りにひかれて弱弱しい羽音をたてる。目立たなくとも十分に花の役割は果たすらしい。
今日は11月にしては珍しく最高気温20℃を記録した。小春という言葉がふさわしい日よりである。しかしこの日よりも長くは続かない。夕方から次第に雨になる前線が近づいている。

窓の外に白き八つ手の花咲きてこころ寂しき冬は来にけり 島木 赤彦

きのう、山の仲間の来年の山行計画の会議があった。1~3月は、来年もカンジキを履いて里山を歩く計画を立てた。来年から冬の間は、月2回に計画を減らした。4月になって残雪の山で思い切り雪景色を楽しむ。品倉山、月山。そのどこまでも白い雪景色が目に浮かぶようだ。

永井荷風に「小春」という詩がある。

小春の空の晴れつゞき。
返りさく山吹に蝶も舞ふなり。
いつはりの春。
さりゆく秋の名残り。
やるせなき思出の痕。
さめたる夢の消え行くかげ。
皆一瞬のまぼろしとは知れど
虚無のさびしさには優るべし。
されば堪え難き悔と未練の苦しさも
われには嬉しわれにはいとし。
かへらぬよろこびの名残とおもへば。
コメント
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