
昨日から秋晴れが続いている。朝、霧のなかを久しぶりに千歳山に登る。350mあたりから霧が晴れて月山の冠雪が見られた。地上300mから下は霧がたちこめ雲海に見える。付近の山々の紅葉した頂上部分が雲海から頭を出している。例えようもない美しい光景だ。朝の散歩を千歳山にして得をした気分である。途中、見晴らしのよい地点で、若い女性が立ち止まっていた。手にスマホを持って、雲海の光景をしきりに撮影している。今日に限ってカメラを持参しなかったことを後悔した。なぜこんなめったにないシャッターチャンスを目の当たりにしながら、カメラのないもどかしさを感じた。
ひややけき空気に秋日さしゐるも 山口 誓子
秋の日差しはだんだんと高くなるに従ってぽかぽかと小春を感じさせるが、さすがに朝夕の空気は冷ややかである。澄み切った空気は、いつも見える遠い山も、秋には驚くほど近く感じることがある。