
秋から冬にかけて、昼が短く、昔の農家などでは暗くなってもする仕事を夜なべ言った。唱歌に「かあさんが夜なべをして手袋編んでくれた」というのがあるが、こんな手仕事も秋の夜長だからできたのであろう。夜仕事をすると腹が減るから、夜食を作ったから夜なべだという話があるが本当だろうか。今年は11月が暖かい。普通なら高山はすっかり雪化粧をしている季節であるが、周りの山は少し山頂に雪が見られる程度で、冬の雪景色とはほど遠い。世界野球と錦織のテニスを見て、夜が更けてしまったが、こんなのは夜なべとは言わない。
この暖かい11月で異変が起きている。鍋料理を作る家が少なく鍋用の野菜が売れないらしいのだ。少雨で野菜の成長が遅れて高くなった聞いていたが、ここにきて反対に野菜は安くなっている。冬用の衣服、暖房具、灯油といったものも、この時期にしては予想を超えて売れていない。気温が経済を左右するというのは本当のことのようだ。