この赤い実は何か、特定できない。ヒヨドリが一羽、キッキと鳴いて飛び去った。取り残した柿の実を群れをなしてヒヨドリが啄みにきている。雪が積もると、ヒヨドリは餌を取るところが無くなるのか、ベランダにリンゴを置くと喜んで食べにくる。もともとヒヨドリは低い山の雑木林に生息していた。ところが、近年市街地を住処にするようになったらしい。ヒヨドリは雑食で、昆虫の成虫はもちろん幼虫、カエルなど両生類、ミミズ、ナメクジそれに木の芽、野菜、果物、花蜜、カステラ、ご飯などなんでもござれのグルメだ。森にいるより市街地にいる方がはるかに餌にありつきやすいのだ。
梅もどき日に日に鵯が実をこぼす 須美礼
万両の実もヒヨドリが好んで食べる。そのせいで、京都の町中に万両の種がばらまかれどこもかしこも万両だらけになっているという記事を見たことがある。由緒ある庭園にも万両が生えてきて困っているらしい。秋が深まると、ヒヨドリは群れをなして行動する。しかし警戒心が非常に強く、遠くからでも人の姿を見ると一斉に逃げる。ベランダにリンゴでもおかないと近くでヒヨドリの生態を見ることはできない。