早いもので、今日から2月。中国の古い習俗に送窮という行事がある。一月の晦日に、酒を振りまき、外に向かって礼拝する。これは、家に住み着いた貧乏神を追い払うために行ったものである。どの国でも、貧乏は歓迎されず、何とか退散してもらい、安逸な日々を送るのが願いであったようだ。しかし、そのような行事を行っても、なかなかすぐ退散というわけにはいかないのは致し方のないところだ。我が家においても例外ではない。
唐の姚合の詩に「晦日に窮を送る」というのがある。
年年この日に到れば酒を瀝ぎて街中に拝す
万戸千門を看るに人の窮を送らざるは無し
正月を迎えて爆竹をならして、鬼を追い払うのも案外この習俗の変形であるのかも知れない。わが国では、大晦日に追儺の儀が行われ、疫病神を追い払った。節分に豆を撒いて、鬼を払うのもこの習俗の流れにある。