24節季の雨水は、もう少し先と思っていたが、暦を確認すると昨日であった。勘違いするのも当然で、雨が降るどころか、置賜では大雪、こちらでも新雪の雪景色だ。しかし、昨日から春の日差しが室内に入って室温が上がり、日中はエアコンを必要としなくなった。予報によると、東北から北は、あと一週間ほど寒気が残るが、月末にかけて一気に気温が上がるらしい。沖縄地方ではすでに夏日、半袖で戸外を歩く人の姿も見られる。
雨水には雪や氷が融けはじめ、初めて雨が降る季節。桃の花が咲き、鶯が鳴きはじめる。獺祭というものこの季節の言葉だ。獺が獲った魚を岸に並べて置くことで、この時期にこんな行動をとり始めるらしい。獺祭書屋とは、正岡子規が自分の書斎につけた名である。いつも蒲団の上で病と闘った子規であるので、畳に魚のように書物の並べていたのであろう。
今日の詩吟教室で子規の和歌を習った。
夕顔の棚つくらんと思えども秋待ちがてぬ我がいのちかも 子規
死の前年、カリエスの痛苦をおして作った和歌である。夕顔が実をつける半年ほども生きていられぬことを知っていた、痛ましい歌である。