蔵王・地蔵岳に初冠雪、甲府や長野に初氷と
冬の到来を知らせる便りが続々と届き始めた。
我が家のベランダには、知人からいただいた
紅柿を干し柿にした。初冬の風物詩というべ
きだろう。朝の気温はさらに下がって、セー
ターを着用。いよいよ、冬がくるのを実感。
三千の俳句を閲し柿二つ 子規
正岡子規は柿が好物であった。書斎で俳句の
選をしているところへ、妹が盆に柿を二つの
せて持ってきた。すぐにでも食べたいのだが、
選句が終わっていない。心のうちで、この選
の苦労のご褒美として、終わってから食べる
ことにする。たくさんの句を見るのは、意外
に大変である。選句が終わったのは、深夜の
2時を回っていた。柿に目をやると、柿は美
味しそうに輝いて見えた。抑えていた食欲が
ムラムラとわき起こってきた。子規は、ひと
つの柿を取り上げるや、猛然とその皮を剥き
始めた。