nhk の「ためしてガッテン!」の影響を受けている。瀬戸内海に浮かぶ人口9000人の生口島。ここでは、明治の頃から、国産レモンの産地として名高い。番組によると、ここの島民は2日に1個レモンを食べるという。その結果、島民の骨密度は全国平均と比較して13%とも高いという。レモンに含まれるクエン酸とカルシュウムを含む食品を一緒に採ると、カルシュウムの吸収率が格段によくなるとのことであった。
番組が紹介したのは、レモンサワーブームである。レモンの酸味、香りに加え、皮の付近の白い部分に含まれる苦みが味の決め手になっている。番組を見ながら昔作ったレモンの砂糖漬けだ。部活で運動をした後、子どもたちは作ったレモンで疲れを癒した。ならば家でできる手作りは、レモンを薄切りにして蜂蜜で漬けこむ、焼酎の蜂蜜レモン割り。夜の楽しみは、晩酌を楽しみながらカルシュウムの吸収を高める。
梶井基次郎の『檸檬』を読む。「私は何度も何度もその果実を鼻に持っては嗅いで見た。それの産地だといカリフォルニアが想像に上って来る。「鼻を撲つ」という言葉が断れぎれに浮かんで来る。そしてふかぶかと胸一杯に匂やかな空気を吸込めば、ついぞ胸一杯に呼吸したこのなかった私の身体や顔には温かい血のほとぼりが昇って来て何だか身内に元気が目覚めて来たのだった。」
生口島の人たちが食べるのは、島で採れた檸檬だ。自分たちで育てた木が、果実を生み出す。梶井が得た元気の何倍もの元気をえることだろう。私が口にするは、梶井と同じカリフォルニア。それでも、そのおいしさは一日を楽しくしてくれる。