常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

入梅

2021年05月15日 | 日記

入梅のニュースが西日本から飛び込んできた。今年は花の開花も早いが、入梅も記録的に早い。昨日このブログに日本人の花好きのルーツを書いてみたが、花好きが日本人の専売特許雨というわけではない。シェイクスピアの舞台、「夏の夜の夢」。アテネ近くの夜の森。この森とを支配するのは、妖精の王オベロンである。自分の意に従わない女王ティターニアに腹を立て、眠りに着こうする女王にある策略を弄する。

おれはある花土手を知っている。野生の麝香草の花が咲き、
九輪草や首うなだれたスミレが茂り、
かぐわし忍冬、香りも高いバラの花や
野イバラが絡みあって、さながら天蓋のようにその上をおおっている。
夜ともなればティターニアはよくそこで
花に埋もれ、妖精たちの楽しい踊りに誘われて眠りにつく。
そこのは蛇がつやつやとした皮を脱ぎ捨て、
妖精はその皮に身を包んで衣にするのだ。
おれはこの草の汁を女王の瞼に塗ってやろう。
そして忌まわしい幻覚で彼女の心を満たしてやるのだ。

オベロンが塗ろうとしているは、魔法の草の汁。この汁を塗られたものが目を覚ませば、最初にみたものが、例えライオンであろうと熊であろうと生きものなら、たちまち恋に落ちてしまう仕掛けである。こうして、オベロンは言うことを聞かない女王を懲らしめようという寸法だ。

ところで舞台はアテネのある森という設定だが、森に咲く花たちは、シェイクスピアが育ったイギリス、アーデンの森の花たちである。この親しんできた花たちを、舞台の妖精たちの森の花に昇華させることで、幻想的な魔法の世界を実現させた。

コメント
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