梅雨が明けた途端に、猛暑がやってきた。わが家は風が吹き抜けていく構造になっていて、滅多にエアコンも使わないが、昨日は我慢できずにエアコンの冷風にあたった。今日も同じような気温になるらしい。何れにしても35℃を超えると、冷水と氷菓が欠かせない。近頃は昔はやったアイスバーがリバイバルしたのかたくさんの種類が出ている。かっては、東京の上流家庭では、夏の暑さを避けて信州、軽井沢で夏を過ごした。北原白秋に「落葉松」という詩があるが、高校生のころこの詩を読んで、一番好きな詩になった。大正10年の夏、白秋は軽井沢へ講演に出かけ、泊まった星野温泉でこの詩を詠んだ。温泉から浅間山の噴火が見え、八ヶ岳がその偉容を見せていた。
落葉松 北原白秋
からまつの林を過ぎて、
からまつをしみじみと見き、
からまつはさびしかりけり、
たびゆくはさびしかりけり。
からまつの林を出でて、
からまつの林に入りぬ。
からまつの林に入りて、
また細く道はつづけり。
からまつの林の奥も
わが通る道はありけり
霧雨のかかる道なり。
山風のかよふ道なり。
明日、早朝、長野佐久から、八ヶ岳に入る。美濃戸までレンタカーで行き柳川沢を赤岳鉱泉まで。2泊3日の山旅だ。かって人がしたように、下界の暑さをさけて、2800mの高山で、涼風と花々、星空を見る旅だ。落葉松の詩が好きにになったのは、生家の家を囲むように5本ほどの落葉松があったからである。子どものころ、木登りを格好の遊び場であった。