常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

台風が迫る日の夕焼け

2021年07月27日 | 日記
今夜には台風8号が、東北地方に上陸、その後日本海へと抜けるらしい。上空に水蒸気が多くあるために、夕焼けがいつもより紅くなるらしい」。きれいではあるが、何か不吉を告げる不気味さもある。朝方の雨はいつしか止み、夕方の日もさしてきた。先日の八ヶ岳の山行の帰りに、山の麓のカラマツやシラカバの木々に混じるように古くなった別荘を見た。もう住む人もいないように、うち捨てられたものも淋しげに、自然の美観を損ねるように朽ちつつあった。

本棚の隅に渡辺隆次『八ヶ岳風のスケッチ』という文庫本があった。そのなかに「カラマツ林」という一項がある。清里のカラマツ林が伐採されて、郊外の住宅地のような街へと変貌していくさまが書かれている。都会の喧騒を避け、八ヶ岳の山麓に居を移して、自然の風物を描き続けた画家の目には、縄文時代から続く人間の営みをも見つめている。
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