紅葉した道のサツキに返り花が咲いた。ここのところ続く小春日和に、つい咲いてしまったのだろう。間もなく葉が落ちそうなのに、花をつけるのは珍しい。11月も下旬に入って、15℃ほどの気温が続いている。まだ霜が下りないようだが、最低気温が5℃を下回る日もあるので、気温の上下が植物に反応をおこさせるのだろうか。
うかうかと咲しすがたや返り花 杜支
次第に木々が葉を落とし、街路もすっきりとしているなかで、返り花を見つけると植物がいじらしいような気がする。冬の前の陽ざしのなかで、喜んで自分がいる。サツキも同じような感じをいだいていることを想像する。地球の上で生命を紡いでいるもの同士の連帯感のようなものを感じる。