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常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

落葉松

2021年11月08日 | 日記
雪の前の落葉松林を見ると、とめどない郷愁が迫って来る。故郷の生家に、3本ほどの落葉松があった。もの心がついた頃から、この木が好きで真直ぐに立つ幹によじ登るのが、最初に覚えた遊びであった。雪虫が飛ぶのは、この木の黄葉を落した幹の辺りであった。北海道に落葉松があるのは、明治時代に発生した大規模な山火事と関係がある。何故それほどの大規模な山火事が発生したのか知らないが、その焼失した山林に成長が早い落葉松が植林された。

北原白秋の詩「落葉松」が好きなのは、子どものころ親しんだ3本の落葉松のせいかも知れない。

からまつの林を過ぎて
からまつをしみじみ見き
からまつはさびしかりけり
たびゆくはさびしかりけり

からまつの林を出でて
からまつの林に入りぬ
からまつの林に入りて
また細く道はつづけり

世の中よ あはれなりけり
常なけれどうれしかりけり
山川に山がはの音
からまつにからまつのかぜ

蔵王の山中で落葉松の黄葉を見て、そしてこの詩を読み直してみるとまた感慨が深い。生きづらい世の中、コロナ禍のなかで詩が生き生きと語りかけてくる。
コメント (2)
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