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常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

同期会

2016年10月12日 | 日記


10月10日、浅草ビューホテルで北海道納内中学校の9回の同期会がが開かれた。集合人数20名、うち北海道からの参加者は9名、女性は6名であった。開催場所は、北海道在住者の希望で、浅草ビュウホテルに宿泊して、東京スカイツリーの見学、隅田川の屋形船に乘っての宴会が主な内容だった。皆が75歳の後期高齢者を迎えたということもあって、参加者は年々減っている。それでも同期生の総数が161名、会の出席者が20名というのは、画期的なことではあるまいか。因みにこの時点での物故者は26名となっている。北海道の自然環境がそれほど厳しいからか、同期生の団結心は、厳しい環境がある分強くなる傾向があるような気がする。

おりしも、ホテルの正面玄関に人力車の車列が着いた。見れば、このホテルで結婚式を挙げる新郎、新婦と、その親族の人たちである。浅草の結婚式の新しいスタイルなのか、古式ゆかしい人力車から降りる若いカップルは零れるような笑顔にあふれていた。これかの幾久しいお二人の幸福を祈る。



屋形船の宴会は想像以上に楽しかった。船が幾分揺れることはあるが、新鮮な刺身、揚げたての天ぷら、アサリの酒蒸し、前菜からデザートに至るまで満足できた。飲み放題の酒が入っても、声高に、過去の栄光を振りかざすものいない。仲間の近況を心配そうに確認し合っている。おもいはやはり故郷のことになる。この夏に北海道に台風が4つ行って、石狩川沿線の深川、納内の冠水の様子が全国放送で映し出された。納内と読める人は少ないのか、テレビではこの地名にルビがふってあった。幸い被害はごく少なく済んだようで、北海道から来た面々の顔も明るかった。

同期会のために句を作ってくれた人がいた。

同期会楡の子遊ぶ屋形船 

船はお台場のレインボウブリッジまで行った。フジテレビのビルが、海に浮かぶ満艦飾の船のようにきらめいていた。ホテルへの帰路、役肉屋に入って、約肉をつまみに生ビール。



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紅葉

2016年10月09日 | 日記


公園のカエデの木が色づき始めた。もう少し赤が強くなればもっと見事になるはづだ。カエデは紅葉する樹木の代表で、紅葉にモミジの名が与えられたもの、ここからきているのではないか。山の見事な赤の紅葉は、その多くがカエデの仲間である。紅葉は一般に外気温が6℃から7℃に下がって、10日ぐらいで色づき始め、3週間ぐらいで見ごろになる。

カエデの紅葉が人気があるのは、春の桜に通じたものがある。京都の嵐山などで貴族たちが紅葉狩りに出かける風習が生まれ、木の下で酒宴も開かれた。その風習が江戸で庶民の間に広がって人気が出た。そして紅葉には、もう一つ桜に似た特徴がある。見ごろのなった紅葉は、桜と同じように、風などで一晩のうちにはかなく散ってしまう。木の下に一面の紅葉が散り敷き、裸になったヶエデを見ると、人々は秋の儚さを感じたであろう。

紅葉渓単線かくもさびしきか 石塚 友二
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秋深き

2016年10月08日 | 日記


元禄7年(1694)、松尾芭蕉は、5月に江戸を立ち、故郷の伊賀、大津、京都の旅に出た。この年、芭蕉は51歳の齢を迎えていた。旧友との俳諧の席を重ね、秋になって大阪に向かった。9月28日には畦止亭で秋の名残り惜しむ句会に出かけた。翌29日には、芝柏亭の句会で発句のつとめることになっていた。旅の間体調がすぐれなかったが、いよいよ起きることも叶わず、宿泊しているところから使いの者にこの句を持たせて挨拶句とした。

秋深き隣は何をする人ぞ 芭蕉

句の意味するところは、句会に集まっている面々に、一夜の興をともすることはできないが、自分の心は皆さんのところにあります、と句の解説にあった。芭蕉が泊まっていた家は町家の長屋であったらしく、病で寝ながらも、隣の家の生活音が届いていたであろう。挨拶の句を作りながらも、この先自分の運命どうなることかと、頭をよぎったかも知れない。事実この句を詠んで10日ほどで、芭蕉は帰らぬ人となった。

一句のなかに、俳諧の仲間への挨拶、現実に自分が寝ている隣の人、さらにこの先の自らの運命と幾層にもわたる意味を込める句には、読めば読むほど味わいは深くなる。この地では、今日から秋雨がしちしとと降り始めている。

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菊花

2016年10月07日 | 日記


山の仲間からダイダイ色の大きなキノコをいただいた。マス茸である。キノコ図鑑を見ると、松の混生する雑木林の枯れ木に出るタコウキン科のキノコとある。菌が枯れ木に着いて、その木の材を分解して、樹皮を破るようにして出てくる。キノコの色がマスの肉の色に似ているとこらから名付けられたらしい。早速、煮つけてご飯に混ぜるとおいしいキノコご飯ができた。

畑に行くと、菊の花が咲いていた。食用になる高級食材で「もってのほか」と呼ばれる。菊の花は、朝夕に気温が低くならないと開花しない。キノコといい、キクといい、秋の光景と風味が現実のものなってきた。柿の葉や実が色づき、稲刈りが進み、空には鰯雲見られる。これでもかと、言わんばかりに秋が存在感を主張しはじめた。

寒に耐うるは唯だ東籬の菊のみ有りて

金粟の花は開いて暁更に清し

白居易の「菊花」である。ここでは、黄色い花を詠んでいるが、確かに菊の花は寒さに向かって咲いて行く。朝露を含んで咲いている菊の花びらを、浸しにして酢醤油をかけて食べると、その香りとシャキシャキとした食感が快い。
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柿モミジ

2016年10月06日 | 日記


台風は日本海海上で熱帯低気圧になり、その後東北地方を横断する形で太平洋へと抜けた。懸念された雨も風も被害を持たさずに、朝には青空が見えた。3日ぶりに畑に行ったが、ナス、トマト、枝豆を収穫。種まきしていたコマツナと青菜が少し大きなったので、おろ抜きをした。ふと路傍の柿の木を見ると、朝夕の気温が下がったほんのこの4、5日の間に、つややかな柿モミジが見られた。

あと先に人声遠し柿紅葉 暁  台

晩秋になると柿の木は葉をすっかり落として、柿の実ばかりが生る景色が見られる。柿の葉の紅葉は、実に美しいものだが、硬く大きいので散るのが早い。木になる実の色と、木の下に散り敷いた柿紅葉の対比は、秋の風物詩でもある。料亭の女将がこの葉を拾ってきて、料理の色どりにしたのを見たことがあるが、なかなか洒落ている。
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