常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

アベリア

2022年08月08日 | 日記
高齢になっても少しずつ賢くなることはある。以前から気になっていた親水公園の道路わきに咲く花の名を検索してみた。アベリアとある。別名、つくばねウツギ。春に咲くツクバネソウとは異なっている。この夏に覚えたノリウツギとこのアベリアとで二つの花の名を覚えることができた。人から教えられた花の名は、殆ど自分のなかに定着しない。こうして、気になった花を検索することではじめて定着できる。

バスガール家路も花の煙草畑 飯田龍太

昨日、ブックオフで、福田甲子雄の『飯田龍太の四季』という本を買った。飯田龍太は山梨県の俳人で、父蛇笏の四男である。著者は龍太の門人で、飯田蛇笏から龍太に引き継がれた俳誌「雲母」の編集同人であった。龍太は山梨という自然豊かな環境で、戦後の伝統俳句の中心的存在であった。

この本には、戦後、まだまだ貧しい国の自然の移変わりや当時の世相も詠み込まれていて興味深い。バスガールという職業は、終戦直後の日本では花形のであった。飛行機のスチュワーデスやデパートのエレベータガールのようでもあった。このバスガールが帰っていく家路の脇は煙草の葉が育っており、今やその花盛りである。煙草の淡紅紫の花とバスガールの華やかさが、戦後の世を華やかに彩っている。

福田は龍太の句の特徴を「四季自然の推移を五感のすべてを使って表現していることと、子供に慈愛のこころもって接している」と語っている。一句読むごとに、あの時代の追憶が心のなかに、そっと立ち上がってくる。
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立秋

2022年08月07日 | 日記
今日は24節季の立秋である。立春からちょうど半年が経った。立春が一番寒い日々が続くのに対して、立秋はこれから最も暑い日が続く。しかし、朝、ベランダから室内に入ってくる風には秋の気配がある。朝に散歩で、稲に一斉に出穂していたのが見られた。粟粒のような稲の花も咲いていた。

秋来ぬと目にはさやかに見えねども
風の音にぞおどろかれぬる 古今和歌集

コロナのワクチン4回目を終わる。今回は副反応もなく過ぎたようだが、朝、突然のめまい。ふらつきながら耳鼻科の医院迄、2週間分の目まい防止の薬を施法してもらう。

知人のÝさんからマクワウリとスイカを頂いた。自宅の畑で作ったものらしい。細長いマクワウリは出身地の北海道で食べた懐かしい味である。プリンスメロンができてマスクメロンがもてはやされ、マクワウリは忘れ去られてしまった。このウリの皮を剥くと、北海道を思い出し、湧き水で冷やしたマクワウリの味が蘇ってくる。芭蕉の句に

朝露によごれて涼し瓜の泥

というのがある。芭蕉の時代にも、このウリは食べられた。木で熟したウリを
泥を落として食べたのであろう。歴史のなかで、マクワウリの夏は生きている。



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蔵王温泉

2022年08月05日 | 日記
娘が久しぶりに帰省してきた。コロナの感染爆発ということもあったが、単身で帰省したのは、娘の結婚以来初めてのことのような気がする。55歳、もう80歳を越えた両親の様子をしっかりと見ておきたい。そんな気持ちがあったかも知れない。何故か、朝の散歩がしたい、と娘が言った。子どもの頃に歩いた飯田の坂道を歩きたいという。しきりに、子どもの頃の思い出を話す。もう忘れているようなことを、思い出としてたくさん語った。

蔵王温泉に行ってゆっくりしよう、と提案する。久しぶりに温泉街を歩いてみたいと思った。所々にある共同浴場、ジンギスカンの店。どれも、若い時代の思い出に浸れる場所だ。今はもうあとかたもないが柏屋という旅館があった。その前の階段は温泉神社に通じていた。学生時代、この宿を起点にして全寮登山が行われた。伊藤中二郎という元気なおじさんが社長であった。そのはす向かいの辺りに今日の宿「おおみや」があった。

蔵王温泉は深い霧のなかであった。気温21℃。下界の猛暑が信じられないような快適さだ。丁度「夏旅キャンペーン」の実施中。宿泊代が5,000円引きに2000円のお土産用のクーポンがついて来る。夕食のメインは冷しゃぶ。親子はその美味を堪能、話はさまざま話題に、楽しいひと時であった。


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さびたの花

2022年08月02日 | 
散歩コースの祠に今年もノリウツギの白い花が咲いた。カシワバアジサイの花に似ているが、アジサイの仲間であるから納得できる。ウィキペディアを検索してみると、北海道ではさびたの花と呼ぶ。どこか懐かしい名だが、舟木一夫の歌った「サビタの花」がある。イヨマンテの伊藤久雄も歌っているから、北海道と縁の深い花である。

サビタの花
からまつ林遠い道
雲の行くえをみつめてる
誰を待つのかメノコの胸に
ほのかに咲いたサビタの花よ

この花を「サビタの花」と名付けたのは、開拓のために渡道した人であったという。そもそもノリウツギという名は、和紙で使う糊をこの木の樹皮から採ったためという。花期が7月~8月ということで、晩夏の花である。

事故の後、衰えていた体力が、暑い夏の到来とともに復活してきた。朝の散歩も、少しずつ距離が延びている。今日はこの辺でという意識から、もう少し歩いてみようという意欲が心のうち浮かぶようになっている。速度も事故以前に戻った。後は山道を歩くことで、かっての体力が戻せるか、正念場である。
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ワルナスビ

2022年08月01日 | 
蝉の声と川のせせらぎを聞きながら朝散歩。川の雑草地に、一面の白い花が咲いている。クマ蜂であろうか、マルハナバチが花の蜜を吸いに群れている。白い花はよく見ると、ナスの花のようだ。この場所に毎年咲くので、ワルナスビの花に違いない。これもアメリカなどからの帰化植物である。これも生命力が強く、地下茎張って増殖する。昨年見たときよりも、花の数は10倍になっているような気がする。実もなるが、毒を持っていて食用にはならない。誤食すると生命の危険もあるらしい。

セイタカアワダチソウ、キバナコスモス、西洋タンポポなどの帰化植物はいずれも繁殖力が強く、古来の日本種が、生育地を追われ本家を乗っ取られそうな勢いだ。川に住む魚や亀、こちらは大陸から食用に持って来たものもあるが、外来種は生態系を破壊してしまう。人口の減少に歯止めがかからなければ、人間の世界でも、アジアからの移民が増えていくだろう。そうした生命体系の多様化は、今後、日本社会の大きな問題として浮上してくる。
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