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早朝から家を出たミモロ。
「五山の送り火」を灯す「大」の文字の部分に、町内会の皆さんと
大文字山早朝登山に出かけました。
毎年8月16日に行われる「五山の送り火」は、葵祭、祇園祭、時代祭とともに京都四大行事のひとつです。
その歴史は、江戸後期からとも言われます。
大文字の「大」の字は、人の形を表し、人間の煩悩を燃やすという意味もあるそう。
京都の各所から見えあげる送り火。「そこがどうなっているか、知りたい」と好奇心旺盛なミモロです。
平安神宮の近くの集合場所に到着後、町内会の旗のもと、みんなでぞろぞろと銀閣寺方向へと歩きます。
途中で、お水をいただき、準備完了。いよいよ山の方向へ進みます。
大文字早朝登山は、毎年行われる町内のイベントのひとつ。
参加する方たちは、毎年参加するというベテランばかり。
初めてというのは、ミモロだけ。ドキドキしながら、みなさんに付いてトコトコ歩きます。
哲学の道を歩くと、銀閣寺のそばでは、
護摩木を売る仮設テントが。
ミモロもさっそく松の割木を求め、ご先祖様の霊を弔います。
文字を書いた護摩木は、まとめて、山の上に運ばれ、今晩、送り火として灯されます。
さて、いよいよ登山開始。
五山の中で、唯一人が自由に登れるのが、大文字山。その日の主な登り口は、銀閣寺の北側のルートです。
近所のお友達から「低い山だから簡単に登れますよ」と言われていたミモロ。
「嘘つきー!思っていたより、大変な山道じゃない・・・」
フーフー言いながら、登ります。
休み休み、汗を拭き拭き登る山道。
実は、ミモロの前後には、人がいっぱい。細い山道は、人の列が絶えません。
「こんなに混雑しているとは、思わなかった・・・」
なんでも、毎年、登る人も多く、京都では誰もが一度は経験する夏の行事のひとつのよう。
ヨチヨチ歩きの子供から、ご高齢の方まで、次々に山へと入ります。
「みんな、すごいねぇー」と、次々に追い越す人たちを見送るミモロです。
人が自由に入れる山といっても、16日の送り火の日は、14時から入山禁止に。
火を灯す準備が行われます。
結構な急勾配の山道。「えーまだ登るのー」見上げると、さらに、そこには一直線に階段が続いていました。
銀閣寺のそばの登山口から大文字の火床まで約30分。
やっと視界が開ける場所へ。
「やったー!」
山からは、京都の町が眼下に広がる素晴らしい景色が。
町の景色を眺めながら、しばし休憩。「やっぱり高い所だから、風も気持ちいいね。
苦しかったけど、送り火の日に山に登るって、なんか心が洗われるような気がする」
とミモロは、石に座って深呼吸。
今、ミモロが座っている石は、実は、送り火の火床。この石の上に木を組んで土台を作り、松明を灯します。
また、座っている石の位置は、「大」の字の横棒部分です。
近くを歩くと、「これ、なあに?」
十字になった石組みに出会いました。これは、「大」の字の中心部分です。
「へー、こうなってるんだ・・・」ミモロは感心しきり。
そして、
眼下に見える段々につづく石組みは、「大」の字の右側のハネの部分です。
さらに上へと登るミモロ。
「ここが文字の一番上の部分だね」。
「大」の文字のとんがった部分は、筆でも力が入る部分のせいか、ほかよりも石組みが多くなっていました。
山からは、「舟型」「鳥居」「妙」が、モヤ越しに、かすかに見えます。
ここ大文字山が、ほかの山より、はるかに高いことがよくわかる景色です。
「いつも下から、見上げているだけじゃ、わからないことがいっぱいだね。ホント来てよかった。
護摩木も奉納したから、今年の送り火はいっそう身近に感じられる・・・。夜が楽しみ・・・」とミモロ。
今年は、東北の震災で多くの御霊をお見送りする五山の送り火。
松の木からセシウムが感知されたと言われ、焚き上げを拒否した大文字ですが、
どんな形になろうとも、日本の人々が、尊い御霊をともらう心は変わらないことでしょう。
今晩は、いっそう人々の心に沁みる送り火になりそうです。