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みなさんは、坐禅をしたことがありますか?
坐禅というと、じっと長い時間、静かに座って、時々、お坊さんが、木の棒で、肩をたたき、喝を入れる・・・そんなイメージを抱く人も多いはず。
でも、長い歴史を経ても、坐禅をする人が多いということを考えると、きっと坐禅には、体験してみないとわからない魅力や効果があるのでは、と思います。
坐禅を修行のひとつとする禅宗(臨済宗、曹洞宗、黄檗宗)が、日本に伝わったのは、鎌倉時代と言われます。(すでに平安時代には、伝わっていたという説もありますが)
京都には、その総本山が、一堂にそろっています。そのため、坐禅体験の場も多くあり、初めてという人も気軽に参加できる機会もいろいろ。
「京都にいるなら、ぜひ座禅をいろいろなお寺でやってみたい!」とミモロ。
よく早朝のお散歩に行く南禅寺、金澤祥子さんの書展を開催した建仁寺、ハンブルグ浮世絵展を開催中の相国寺、重森三玲の庭園のある東福寺など、以前、ミモロが訪れた寺も皆、禅宗に属する寺なので、座禅を体験することができます。(座禅体験ができる日程などは、それぞれのお寺のホームページを検索してください)
今回、ミモロは、京都の北西、紫野に位置する大徳寺に出かけます。
臨済宗大徳寺派の大本山である大徳寺は、鎌倉末期(1319年)に、大燈国師により創建され、応仁の乱で戦火に見舞われ荒廃。その後、一休禅師により復興しました。
「あの一休さんが復興させたお寺なの?」。ミモロの頭の中には、アニメの一休さんの顔を浮かびます。
大徳寺は、信長、秀吉、千利休、細川忠興、小堀遠州、古田織部など、歴史の教科書に登場するそうそうたる人物と深い関わりがあるお寺です。
広大な敷地には、21もの塔頭があり、それぞれを美しく整えられた道が結びます。
「あれ?どこを行けばいいんだろ?迷っちゃったみたい・・・」、ミモロは境内をウロウロ。
あまりに広いため、初めて訪れる人は迷うこともしばしば。
「ともかく道に沿って歩いてみよう・・・」とミモロは、寺の奥へと進みます。
境内をウロウロしていると、どこかに行こうとしている家族連れが・・・。
道に迷ったミモロは、ともかく、その後をついてゆくことに。
すると、あるひとつの塔頭付近で突然姿を見失います。
「あれ?どこにいっちゃったんだろ?」。ミモロがキョロキョロ辺りを見回すと、
「ZAZEN」とアルファベットで書かれた表示を見つけます。
「もしかして、坐禅をしに行くのかな?」
ミモロは、その表示に導かれるように、小路へと進みます。
しばらく進むと、外国の方が、お掃除をしています。
「あのーここで坐禅ができるんですか?」とミモロは恐る恐る尋ねると、
「そうこの奥で始まります。どうぞ参加してください」とのお返事。
門をくぐると、苔の生えたお庭で、先ほどの家族連れが、坐禅のはじまる時を待っていました。
「あ、ここが坐禅をする場所だー」。坐禅堂には、座禅用の座布団が並んでいます。
ミモロが、思いがけず、導かれるように訪れたのは、「龍泉庵」という塔頭。
そもそもこの塔頭は、戦後荒廃していたところ、禅を広く海外の人にも学んでほしいという外国人女性ルース・ササキの寄贈により、坐禅堂を1951年に作ったそう。先ほど会った外国の方も、ここで禅を学ぶ方だったんです。そのため坐禅の参加者には、外国の人も多く、英語での説明もされるそう。
(ミモロが訪れた時は、初体験の外国の方はいらっしゃらなかったので、英語の説明は無しでした)
坐禅初心者のミモロは、皆がするように、マネながら、いよいよ坐禅堂に入ります。
「ちょっとドキドキする・・・・」ミモロの表情に緊張が・・・。
ではここで、
<初心者のミモロが学ぶ坐禅の仕方>を。
・本堂に入ったら、まず、合掌しながら一礼。
・座る座布団の前に立ち、座布団を背に合掌一礼を。
・座布団の前にある木の部分を踏まないようにしながら、着席。
・二つ折りにされた座布団に、お尻を掛ける感じで座る。(二つ折りの座布団にドカーっと座らない。お尻を高くすることで、きちんとした姿勢を保ちやすくなります)
・右足を下に、その上に左足をのせ、膝を座布団に着け、安定させる。
・背筋を伸ばし、肩の力を抜いて、腕を前に。
・手のひらを上に向け、右手を下に、その上に重ねるように左手をのせ、両親指を合わせる。
・目は、半眼の状態に。(目を閉じないように・・・寝てしまってはダメですよ!)
・呼吸は、鼻から。ゆっくり吸って、ゆっくり吐く。長い呼吸を。
・ともかく呼吸に神経を集中させる。そのために呼吸の数をゆっくり数える。
「うー呼吸に集中できないよー」と、ミモロは困惑気味。
初心者には、まず長い呼吸をするのが難しいもの。日ごろ、いかに浅い呼吸をしているかわかります。
ヨガでも太極拳でも、呼吸が基本。坐禅は、まさにその究極です。
「深い呼吸をすると体にいいんだよねぇー。体内細胞がよみがえってくるみたい・・・」
1回の坐禅は、1本のお線香が燃え尽きる間行われます。
たぶん20分から30分の間だと思います。(坐禅では腕時計は外します)
途中、ちょっと休憩があり、しびれた足を伸ばしたり。
その後、肩を薄い板で叩く警策(きょうさく)を受けることができる後半に進みます。
ミモロも合掌して、警策を受けます。バシバシ・・・板の音が響きます。
「うーちょっと痛いけど、なんか気持ちのいい痛み・・・。肩の血流が活発になっているみたい・・・」
ミモロの神経は、その肩の痛みに集中します。その痛みを軽減するように、全身の細胞ががんばっているみたい。とても不思議な感覚です。
坐禅を終えて。最後に般若心経を皆で唱和します。
ミモロは、渡された般若心経が書かれた紙を持ち、「摩訶般若波羅蜜多心経・・・」のところまでは唱和できましたが、それ以降は文字を目で追うだけで精一杯。
向かい側に座っている外国の方は、暗唱していて、スラスラと唱和しています。
「すごいー」ミモロはただただ感心するばかり。
坐禅堂を出ると、脇に「DONATION BOX」と書かれた志を納める箱が。
ミモロも心ばかり納めて、塔頭を後にしました。
「足がしびれたけど、なんか気分はいい感じ。頭もスッキリ・・・なんか癖になりそう」とミモロ。
でも、最後の方は、お腹が鳴っていました。
「あれ?お腹が鳴ったの聞えちゃった?恥ずかしいー。ホントはね、最後の方は、朝ご飯に何を食べようかってことばかり頭に浮かんじゃったの。だって坐禅するとお腹が空くんだものー。早く朝食を食べたいなぁー」
ミモロには、無の状態への到達は、永遠に無理そうです。
最近、坐禅には、若い人の参加者が多く、驚きます。
1日だけの参加も可能なところがほとんど。観光で京都に来た人も、1日くらい早起きして、いろいろな寺で行われる坐禅会に参加してみてはいかがでしょう。
はじめにも書きましたが、
坐禅会の詳しい情報は、各お寺のホームページなどで検索してください。